加山さんの曲を聴いて、映画のシーンを思い出されるファンの方も多いと思いますが
「音楽というのは、自分が聴いた時の状況を思い出すタイムマシンみたいな力がある」と僕はよくステージで言ってるんだけど。
例えば昔の音楽を聴いた時に、なんとも懐かしい気持ちになったりすることがある。ユーミンの「あの日に帰りたい」とかね、聴いただけで、その時代にポーンと戻って「ああいいなぁ。懐かしいなぁ」って思ったりするわけですよ。
エルヴィス・プレスリーなんて聴くと学生時代に戻っちゃったりするんです。そういうことが「音楽の力」としてすごくあるから、映像の力というのは、音楽に比べるとやや弱いと思んだよね。
35周年記念ツアーはいかがでしょうか?
普段あまり歌わない歌をちょっと入れようかなと思ってます。節目を大切にしようと思う心は大事なので、その意味では重要な年だと、自分にいいきかせたり。でも、ものすごく派手にするとかね。野外で大騒ぎをして、花火も一緒にあげちゃったりとか、そんなことはしませんけど(笑)。
是非また映画をおやりになってください。
よっぽどよいものでない限りは、やりたくないんだよね。良いものという意味は、娯楽性の高い芸術作品でありたいというか。
僕が俳優として本気でやって行こうとおもったのは黒澤先生の「赤ひげ」(’65)からです。他にも「椿三十郎」(’62)とか「狙撃」(’68)だとかね。ああいう娯楽作品で、今でも印象に残っている映画のような素晴らしい作品を是非やりたいよね。
もう今更、若大将シリーズはできないわけだけど。もしも、やるんならトレーニングやり直さなければいけないのかなぁ。(笑)。
今年はご結婚されてから25周年の記念すべき年でもありますね。
よくここまでもったなというのが、実感です(笑)。でも、今の僕があるのは女房(美恵子夫人)のおかげだと思っています。
それと年月の経つのが早いなぁと思うのは、子供を見てるとね。もう23歳だよ。長男の信宏がね。ついこの間までガキだったのが
「オヤジそんなこともわかってねぇのか」なんてね、言われちゃうんですよ。そんな僕としたらガクゼンとするようなことが、3年位前からひんぱんに起きるようになってきたよ(笑)。まあ逞しいのはいいんだけど、僕も結構年をとったのかな、なんてね。
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