オヤジ達の伝説at中野サンプラザ
   (11/23)コンサートレポート 
  

 

 11月23日に中野サンプラザで開催された「オヤジ達の伝説」ファイナルコンサートの模様をレポートしました。

 開演直前、ワイルドワンズがスタンバイしたとたん、「コトッ」っという音が会場に響きました。何の音かと思っていると、加山さん用のセンターマイクが落ちてました。
スタッフが中央に出てきて、マイクを戻します。壊れていないか、チェックもしないで
いいのかなあと不安になりましたが、さださんのナレーションが始まりました。

ナレーションが終わって、加山さんが歌いだす前に、男性の声で「カヤマサ〜ン!」という声がかかります。

「海 その愛」

この曲をトップにもってきたことは冒険だったように思いました。さすがにサビの盛り上がりが、いまひとつと感じてました。いつもは手拍手もなかなか起きずらいんですが、今回は最初から手拍子が大きく起きて盛り上がりました。
 皆さん、こんばんは!加山雄三です。
会場からまた、「加山さ〜ん!」という声がかかります。
元気いいねえ、ありがとう!
いよいよ50ステージ目の「オヤジ達の伝説 湘南海物語」ファイナルステージを迎えました。東京近郊で6ケ所も廻ってきたのに、またこんなにいっぱいお客様に来ていただいてほんとに心から感謝します。ありがとうございます。会場大拍手
 
今日は勤労感謝の日、忘れることの出来ない日でございまして、実は奇しくもおやじの命日でございます。
あの親父、中々いい親父でしたけど、ちょっと最後の方はご心配をおかけしましたけど・・・。今日は「かみさん」が私の代わりにお墓参りに行ってくれました。何回忌になるんですかね、まあ家は信徒だから関係ないけど。

 さて、今日が最後ですけど、ず〜っと一緒にやってきてくれた茅ヶ崎の良き後輩、加瀬邦彦そしてワイルドワンズのみんなを紹介します。
加瀬)僕は途中、30回くらいでリタイアするかと思ってましたけど。今日も最後まで頑張りますのでよろしくお願いします。
ほんとに腐れ縁と言いますか、長い付き合いでございますけど。
「海 その愛」で今日はスタートしましたけど、
僕は非常に海が好きで、小さい頃から海に出たもんで。
お気づきだと思いますが、今歌ってたバックにずっと出ていた油絵、全部僕が
描いた絵です。加山雄三画伯、非常に売れています。今また物凄い勢いで描いていますが、来年の4月に絵画展があります。
今日も海の歌から始めたいと思います。まずは「二人だけの海」、それから「ある日渚で」この2曲から行って見ようと思います。

「二人だけの海」

「ある日渚で」

それではワイルドワンズにも海の曲を1曲歌ってもらいましょう。彼らの大ヒット曲と言えば、「思い出の渚」、どうぞ!
加瀬)加山さん、加山さん、加山さん、それやっちゃったら僕たち出番が亡くなっちゃうんです。
知ってんだよ、50ステージもやってきたんだから知ってんの。
題名が中々覚えられないの・・・。じゃあやってください。
加瀬)じゃあ、何曲もやろう。
鳥塚)じゃあ新曲やりますか。
(私の後ろの席の方から「あらぁ、新曲出してるんだ」という声が)
新曲と言っても26年前の曲でございます。お届けしたいと思います。「白い水平線」

「白い水平線」

白い水平線?変だなあと思ったんだけど、海は青いから「青い水平線」だと思うんだけど
加瀬)波が立っているんです。
あっ、大時化だ。
どうもありがとう、ワイルドワンズも去ったことだし、それでは・・・。
加瀬)ちょっと待ってくださいよ。僕たちゲストですよ。
うるさいなあ、違うよ、ヘルプ!
加瀬)ヘルプ!?ヘルプってなんですか?
つなぎ!
加瀬)つなぎ!?
はい、どうもご苦労さんでした。
首をかしげながら渋々舞台の袖に引っ込むワイルドワンズ。

「若大将〜!」と、またまた会場から声が。
おっ、わかったよ。ところで、私が海が好きなのは皆さんよく知ってると思いますが、私は船を作るのが好きなんです。
中学生のときから、手作りで作って、23隻目が光進丸、この名前はおばあちゃんが付けてくれました。今の光進丸は3代目。
人生で一番ウキウキするのは海に居るときですね、それから皆さんの前で歌を歌っているとき、そして絵を描いてるときも鼻歌まじりで幸せですね。家族はもうどうでもいいですね。どうでもいいって意味は、子どもは大きくなって巣立っちゃったんですね。息子達は30代になってますし、あっ「かみさん」は別ですよ。大切にしないとだめですね。
「I am the captain、but mywife is the admiral」
私は船長だけど、女房は提督である。これがね、世界共通の夫婦円満の
秘訣だそうですよ。ある人はこう言ってましたね。夫婦仲良く過ごすには一緒にいないことですって。わたしじゃ、ありませんよ、白州次郎さんが言ったんです。
「光進丸」いってみましょうね。

「光進丸」

「TREAT ME NICE」

 加山さんが、大学生の時にワイヤーレコーダーに吹き込んだEプレスリーの曲が流されました。50年以上経って、若き日の加山さんの歌声が再現されました。

「BOOMERANG BABY」 「夜空の星」 「愛するアニタ」

「蒼い星くず」 「青空のある限り」

ダイヤモンドヘッド」 「ブラックサンドビーチ」

「10番街の殺人」「ワイプアウト」

加山さん(+カヤマバンド)とワイルドワンズが、交互にご機嫌なエレキサウンドを演奏。
 カントリーウェスタンから始まって、Eプレスリー、ベンチャーズ。こうやって茅ヶ崎から出てきた我々であります。
一番最初に、彼(加瀬さん)と出会ったのは、俺が大学一年で、君が高校一年か、ギターを教えてくれって家に来ていたんですが、こいつほどね、覚えの悪いのはいなくてね。
良く考えたら、ギターを教えてくれって言うのはいい訳であって、家にナンパしに来てたんだね、
俺の妹に気があって・・・。
加瀬)違いますよ、ギターを習いたかったから妹さんと付き合っていたんです。
証拠があるじゃんか。
エレキ合戦中に、懐かしい写真が映されていたのですが、その中に加瀬さんと亮子さんのツーショット写真が交じってました。
加瀬)あれは合成写真ですよ。
それともお前は年増が好きで、俺のお袋が好きだったのか?
加瀬)違いますよ!僕は妹さんですよ。
白状しやんの。とにかく、段々やっているうちに少し弾けるようになってきたのね。やるなあと思ったのね。人間、努力することの大切さを彼から学びましたね。
彼らが40周年の時に、武道館でやったんだけど、凄いですね、武道館が満杯になりましたよ。ゲストに沢田研二さんがきてましたけど。43年間も、誰一人として欠けることなく、みんな元気で、もう還暦を越えてるんですよ。まだまだやってる。ほんとに素晴らしいことだね。
加瀬)ワイルドワンズっていう名前を加山さんが付けてくれたからですよ。
それもそうかもしれないけど。
僕はスターが出なかったから良かったのかなぁと思う、
ショウケンとかスターが出るとだいたいダメになっちゃうんだよね。
彼らは4人四人揃って、スターだと思うんですよ。
加瀬)サンスターじゃなくてヨンスターですね。
あまりのオヤジギャグに加山さんも呆れ顔です。
笑ってやってくれよ。
古希ツーオヤジとアラ環バンド、いいねえ!
今は団塊の世代の人たちが思い出したように、エレキもう一回やろうぜってことでやってる人が多い。
DVDを結構送ってきてくれるんだけど、物凄く上手いんだよね。そりゃあビックリする。で、時々番組に出てるんだよね。
加瀬)ゲストで出てます!
そんなに力を込めてゲストっていわなくても・・・。
沢田研二君が歌ったヒット曲沢山作って儲かったらしいです。それで、若い子にもてるもんだから、(メンバーも)大変だったらしいね。
植田)オコボレ頂戴してました。
羨ましいねえ、そんなにもてたの?

(ワイルドワンズは)来年、僕の変わりに沢田研二君と一緒にやるんですよ。俺はまた一人に戻って・・・。アリーナツアーをやります。武道館、名古屋は日本碍子ホール、大阪は大阪城ホール。この歳でアリーナツアーなんてありえないでしょう。

君ら、もう曲ないでしょう。
加瀬)まだありますよ。
じゃあ俺からね。

「夕陽は赤く」 「夕陽と共に」「夜空を仰いで」

「ユア・ベイビー」「お嫁においで」「想い出の渚」

「君といつまでも」

 いかがでしたか湘南サウンドメドレー、僕の場合は若大将映画というシリーズがあったから現在があると思います。ワイルドワンズの場合は、GSブームのお陰ですねえ。ガソリンスタンドブーム?!
考えてみたら、いろんな出会いがあるけれど、ガキの頃からず〜っと一緒に居て、半世紀以上も一緒に仕事が出来るというのはすごい出会いだと思いますね。
音楽というのはジャンルも超えるし、国も超える、それから年代も超える。
いいものは残っていく。
湘南サウンドというのは、僕らが名前を付けた訳じゃなくて、僕や彼が作った歌を聴いた人が湘南サウンドと言ったようだけど、誰が最初に言ったんだろうね、名乗り出てほしいよね。桑田君も茅ヶ崎だからね。
加瀬)車のナンバーも湘南ですよ。
湘南のナンバーを作るときに、一生懸命運動したよ。
昨日、曲を作りましたけど、506曲目になりました。レコーディングされているのは200曲ぐらいですけど、去年レコーディングした2008年度版の湘南サウンドがあるんですよ。
加瀬)今までと曲風が違うんですよ。
違わないよ!
加瀬)違いますよ。なんか重みがありますよ。(これまでは、枯れた味とか渋いです。とかでしたが)
「風を見たいか」というタイトルです。「加瀬を見たいか」じゃないですよ。じゃあいってみましょう、こういう曲です。

「風を見たいか」
 さて、今度は洋楽曲を歌わせていただこうと思います。いろんな歌を歌ってきましたけれど、今日はビートルズの「SOMETHING」という曲と、皆さんよくご存知の「AMAZING GRACE」を歌ってみたいと思います。
「AMAZING GRACE」が、なぜ好きになったかというのは、これを作ったのが船乗りであったということだけ覚えておいてください。
「SOMETHING」

「AMAZING GRACE」

 さて、今度は湘南サウンド以外のオリジナルを聴いていただこうと思います。だいぶ前ですけども、テレビのドラマで「僕の妹に」というのを、中田喜子ちゃんが妹役でやってくれましたが、そのテーマ曲です。それから24時間テレビの「サライ」の2曲を聴いていただきたいと思います。

「ぼくの妹に」
 サライという意味は、「故郷の愛の家」。そう解釈をしてくれと、作詞してくれた谷村新司君が言ってました。
どなたにでも故郷はあると思います。
僕の故郷は湘南です。
「サライ」
 一昨年、久しぶりにアルバムを出しました。「星の旅人」という名曲の入ったアルバムなんですが、それがなんとオリコンの左ページに載りました。嬉しくって70(歳)を超えてから、オリコンチャートに載るやつなんていないだろうと思って調べたら、いましたねえ、左朴全さんが!
あの方が「老人と子どものポルカ」ズビズバ〜パパパヤ!あの方は、あれをレコーディングしたのが、76歳だそうですね。
私はまだ4年ございます。4年後にまたミリオンセラーを狙います。
「星の旅人」はコーラスがワイルドワンズなんです。ヘルパー軍団を呼びましょう。
加瀬)そろそろゲストと呼んでくださいよ。
ゲストのワイルドワンズです。とか細い声で
加瀬)心がこもってないです。
「旅人よ」も一緒にやりたいと思うんですが、この曲もワイルドワンズが、オリジナルをレコーディングするときにやってくれてます。満員のお客様の大コーラスでやっていたければと思います。中野サンプラザシニアコーラス?!
加瀬)若い方もいらっしゃいますよ、でも大方・・・。
「星の旅人」

「旅人よ」

「星の旅人」の3題目の歌詞を忘れてしまった加山さん、歌い終えて頭をかく仕草がかわいかったです。
「旅人よ」では、加瀬さんが歌詞を間違えたのを、すかさず茶化していた加山さんでした。

一緒に歌ってくれてありがとう。今夜は皆さん本当にありがとございました。

いよいよ最後の曲になってしまいました。
えっ〜!
いよいよ最後の曲になってしまいました!
えっ〜!!
そうこなくっちゃね。
デビューしてから来年が50周年ですね。
半世紀!いろんな曲を歌ってきましたけれども、この72年間生きてきた間には、
上り坂あり、下り坂あり、まさかありで・・・。そうやっていろんな経験を積みますと、ますます大事に大切にしていきたいなという歌があります。
「MY WAY」という曲ですが、Fシナトラ亡き後、これを歌えるのは加山雄三しかいない!
今日はピアノ1本で歌います。

「MY WAY」
いつ聴いてもいいですねえ。
加山さんがこれまで歩んでこられた人生の重み、そしてこれから進まれる道への意気込みを強く感じました。
歌が終わると、自然にスタンディングオベイションしていました。
アンコール

どうもありがとう。
歌手というのは、温かい拍手でアンコールをいただいたときが一番幸せなときであります。
せっかくですから、スーパーヘルパー軍団ワイルドワンズも呼びましょう。

50本、元気にできたね。皆さんの応援があったからこそです。最後のアンコール曲、なんかやりましょう。
加瀬)加山さんが最初の頃、防空壕で作った・・・。
そりゃあ確かにね、戦前に生まれて防空壕にも入りました。ラジオからの警戒警報を聞いてるだけですよ。
加瀬)英語で作ってませんでした?そんなことやったら非国民ですよ。
僕たちがイントロをコーラスでやりますから、曲が分かったら歌ってください。分からなかったらボケがきてます。
じゃあ、コーラスがへただったら俺帰るからね。

「恋は紅いバラ」
もうちょっと歌ってもいいですか。会場大拍手
加瀬)加山さんがワイルドワンズに作ってくれた曲と、僕が加山さんに作った曲をやりましょう。
忘れちゃったけど、全然ヒットしてない、アンコールに歌ってもいいのかい。
2曲も知らない曲やりますけど,
盛り上がっていただければ。
立ち上がりたかったら立ち上がってもらって結構でございます。
加山さんの言葉に反応して、会場は総立ち!加山さんが握手を始めると、多くの人がステージへ押寄せてきました。一番前に行っていた私は、危うく押しつぶされそうになるくらいでした。「加山さん、ありがとう」という声が飛び交ってました。
「君よ、旅人になれ」

「さらばオーシャン」

もう1曲行こう!海の歌で始まったから「そこに海があったから」で終わりにしよう。
「海がそこにあったから」
集合!全員整列!礼!ありがとうございました。
メンバー全員が整列してご挨拶、ステージ袖に去っていきます。最後に加瀬さんと二人になって

加瀬、今日がスタートだ。
という加山さんの言葉が印象的でした。

09年12月17日新設