| 「人生を楽しんでいる人の 脳が若くなる生き方」+α (ゆうゆう4月号) |
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| 「ゆうゆう4月号」に掲載された、加山さんの記事を紹介いたします。 加山さんの「脳が若くなる生き方」&「私の出会ったこの音楽」をお楽しみください。 |
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| 「知りたい」という気持ちは自分を形成する力になる。そして、思ったり感じたら自分から発信しないとダメだね。友達でも直観力でも、元々あるものではなく自分でつくっていくものだから | ||||
| デビューから50年以上を経った今もコンサートなど精力的に活動中。起きている間は、音楽音から宇宙のことまで常に頭がフル回転! | ||||
| 加山雄三さん ●歌手 俳優 | ||||
| 「いろいろな挫折も経験して、今、僕は人を喜ばせるために生きてきたんだと思うんです」と永遠の若大将・加山雄三さんはカラッと笑う。昨年デビュー50周年を迎え、51年目の今年からまた新たな気持ちで歩み始めたという加山さんに脳を活性化するヒントを教えていただいた。 | ||||
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| 動から静へと、興味の対象は変化したけれど、 感動する心と好奇心は変わらない |
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| エコシップを造る。それが今の僕の最大の夢 | ||||||||
| 昨年、芸能生活50周年を迎えた。昨年に引き続き、今年も精力的にコンサートを全国で開いている。1月には「若大将・湘南FOREVER」というタイトルの2枚組のCDも発売した。加山さんの代表作だけでなく、サザンオールスターズやブレッド&バター、TUBEなど、あとに続いた湘南のアーティストの歌もカバーしている。 「音楽は今でも趣味なんだ。デビューして間もない頃、音楽は好きなことだからさ、仕事にしないって決めたんだ。だから、学生時代のまま、今も音楽が大好きでいられる」 |
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| 日に焼けた顔に、大きな目。よく響く、大きな声で軽快にしゃべる。質問にすぐ答えが返ってくる。
「若い頃と変わっていないのは、いつも何かに興味をもっているところ。変わったのは興味の対象かな」 サーフィンや水上スキー。若い頃は冬の海にも飛び込んでいた。今はかわりに、じっくり本を読んだり、アトリエで絵を描いたりする時間が増えたという。 「若いときはとにかく体を動かしていた。でも、年がいってからじっくり観察をしたり考えたりという時間が増えた。動から静へと、興味の対象が変化したんです」 ”光進丸”という名前に聞き覚えのある人も多いと思うが、船は加山さんにとって生涯の友といっていい。 |
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| 幼い頃から歯の手入れはしっかりやってきた。1本セラミックをかぶせているけどあとはそのままの歯。 | ||||||||
| 「家は窓を開けると青い空と青い海が見える。遠くを見るから目がいいのかもしれないな」手もがっしり大きく分厚い。話に熱が帯びると、脳が大きく動き始める。 | ||||||||
| そして今、最も関心があるのは、環境に負荷をかけない船、エコシップの建造である。 「エコシップとは、石油など化石燃料を一切使わない船なんです。太陽光や風力を使って発電し、すべてのエネルギーをまかなう。その発電システムも考えました。ここ何十年と温めていたアイデアを、昨年、図面に起こしたんです」 設計図を書く背中を押したのは、東日本大震災だった。 「僕が考えるエコシップのような災害救助船があったら、どれだけの人が助かっただろうと考えたんです。エネルギーが自前の船ならどんなときでもどこにも行ける。海水を真水に還す機械も積める。僕の計算によると、想定している大きさの船なら一日60トンぐらいの真水が作れるんですね。リモートコントロール機能も取りつければ、船だけで動くこともできる。あのとき長い間、不自由に耐えるしかなかった孤島に住む人々を、この船があれば迅速に救助できるんです」 手を大きく動かし、真剣な表情で一気に語った。 「もう勉強会も始めているんですよ。図面を見せて、この船を造らないかと友人知人に発信したら、嬉しいことに人が集まってきてくれました」 勉強会には船舶などを手がける大手メーカーの技術者や有名な学者も参加している。本格的な勉強会だ。 「太陽や風のエネルギーを安定的に使うために、最も大切なのは、バッテリーの開発。そのアイデアもあるんです。大海原をエコシップで走る。それが僕の今の最大の夢です。この船を造ることこそが、人生の目的だったのではないかと思うくらい、この船にかけています」 |
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| ”僕はこうしたい”と思ったら本気でビジョンを 描き、実現に向かっていく。今でもそうなんだ |
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| 慣れない。日々、新しい一日を生きる気持ちで | ||||||
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小学生のとき、地球の自転と引力の関係から、台風の渦巻きが北半球は左巻き、南半球は右巻きと知った。それからしばらく、入浴するたびに風呂の栓をそろりと抜き、渦巻きのでき方を観察したという。 45分祈り続けるとUFOが来ると聞いたときも、すぐに実行してみた。 「知りたいという気持ちは自分を形成する力になる。でも45分って微妙な長さなんだ。わかったのは45分間集中するのは難しいということだったね(笑)。失敗したっていいんだよ。体で覚えたことは忘れないから」 そんな加山さんの座右の銘は 「人生の三感王」だ。 実業家・西川俊男さんの言葉だという。 |
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| 19歳のときに抗生物質に拒絶反応を起こして死にかけた。30歳のときには大時化に遭い、船が転覆しかけた。32歳のときには経営していた会社が破たんした。 「これで終わってたまるかと思いながら、生きていたこともありました」 |
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| 「”何事にも関心をもって感心する心、感動する心、感謝する心”を失わないということ。いい言葉だと思わない?この心さえ忘れなければ、いつも人はリフレッシュし、新しいものに向かい続けられるよ」
今朝は、自分で作ったほうれん草、マッシュルーム、溶けるチーズを入れたスパニッシュオムレツとレーズンパンを食べてきたという。 「ものすごくうまかった。包丁は自分で研ぎます。当然だよ」 絵画の個展は15回を数える。 「子どもが小学生の頃、親にも夏休みの宿題があって、子どもと一緒に絵を描くことにしたんだ。そしたら知り合いの編集者が油絵の道具一式を持ち込んでくれて、”影にも色はある””デッサンはしっかりと”などいろいろ教えてくれて。以来、少しずつ描いていたんだ」 その作品を事務所の壁に飾っておいたところ、個展をやらないかと誘われたのが59歳のとき。 「気をよくしちゃってさ。よし、やろうって。風景や人物、子どもたちや動物、最初は必要に迫られた感じで描き始めるんだけど、あるときから夢中になる。色は難しいねぇ。迷うと、編集者の彼がかつて教えてくれたことを思い出して描き続ける。僕が個展をやるなんて、人との出会いってありがたいと思いますよ」 本は小説から科学や物理学の本まで幅広く読んでいる。これはという本に出合うとノートにとったり、アンダーラインを引いたりする。 「人間は宇宙や大自然の一部。謙虚にならなくてはいけないと思うね」 そして、ゲームもやれば、ヨットも乗る。最近は陶芸にも凝っている。もちろん音楽も、レディー・ガガなど最新のものまで楽しむ。いったい、一日をどんなふうに割り振っているのかと不思議になるほど多彩だ。 「しなくてはならないことの間の時間を使うのがうまいと思う」 コンサートで地方に行くときもキャンパスを持っていく。ホテルや楽屋で絵筆を握るためだ。 「あと何より健康だね。健康であれば意欲もわくし、体も動くから」 煙草は23年前に、大好きだったお酒も10年前にやめた。睡眠時間は毎日7時間半とっている。 「何十年と、朝晩、水をかぶっているんです。冬は皮膚が切られるほど冷たい。でも地球は水の星、人間も水でできている。きれいな水をかぶると、精神も体も浄化し、しゃきっとするんだ」 節制をし、好奇心を全開にして、今も走り続ける加山さん。脳を活性化する極意を教えてくれた。 「慣れないこと。慣れほど恐ろしいものはない。ゆとりをもつのは悪いことじゃないけど、それに寄りかかるようになると人間、感覚が鈍くなるんだね。子ども時代、朝起きたときに、新しい日が始まったとワクワクするような感じ、あったでしょ。それを思い出せばいい。すると、世界がきっと、もっと楽しいものになる。そして何かを感じたら、自分から発信する。友達に伝える。そうすると感じ方が磨かれていくんだ。直観も考え方も、そうやって自分でつくっていくものだと思うよ」 |
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加山さんの生き方は刺激にあふれています | ![]() |
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| 休みの日でもゴロゴロしない。常にアンテナを磨き、目の前のことに全力で取り組む。「退屈したことがないんだ」 | |||||||||
| やっぱり音楽は一番の趣味。iPodは4台所持し、常に持ち歩いている | |||||||||
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| 自分の曲を入れたもの、クラシック、若いアーティストの曲、カラオケなどジャンルに分けているそう。「いつでも聴ける、いつでも歌える。本当に便利な時代になったよね。自身の音楽活動も精力的に行っている。 | |||||||||
| 油絵も陶芸もプロ並みの腕前。毎年個展を開催している | |||||||||
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| 油絵は59歳で、陶芸は65歳を過ぎてから始めた。「興味をもったらすぐに行動する。とことん究めたい。そういう気持ちが若いときより強くなった気がします。 | |||||||||
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| 造船は10代前半から。夢の船を造るために現在も研究&勉強 | |||||||||
| 蔵書数は自分でもわからないほどの読書家。船や宇宙など、内容も多彩 | |||||||||
| カヌーに始まり、今日までヨットやモーター・クルーザーを設計し続けてきた。「船酔いする人が多いので、揺れない工夫をしたヨットもあるんだ」。今はエコシップに夢中。物理学なども勉強している。 | |||||||||
| 昔は5冊をいっぺんに読んでいたほど。気になる箇所や参考になる文章に出合うと、写真右上のようにメモを書き込んだりもする。「船でも宇宙でも、本から学んだことは多いね」 | |||||||||
| いつだって新しいことに挑戦するのを恐れない! | |||||||||
| 「日本でサーフィンを最初にやったんだ。自分で板を削ってさ」。当時の写真があるとiPad(タブレット型コンピューター)で見せてくれた。新しいものに恐れずに挑戦する姿勢は今も変わらない。 | |||||||||
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| レストランの料理を、家ですぐに再現してみせるほど料理が上手 | |||||||||
| 船で料理の腕を磨いたという加山さん。率先して家族の食事も作る。あり合わせを利用したもんからパーティ料理まで、何でもござれの腕前だ。 | |||||||||
| Culture | ||||||||
| ゆうゆう | ||||||||
| Music | ||||||||
| 私の出会ったこの音楽 | ||||||||
| 加山雄三さん | ||||||||
| レディー・ガガ 「THE FAME MONSTER」
宇宙に思いを馳せれば、ガガは、今の時代に |
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| 「どんな音楽が好きか?それがなぜ好きか?」と突き詰めて考えたとき、僕はアインシュタインを思う。アインシュタインは「私はベートーベンよりモーツァルトが好きだ。なぜならモーツァルトの曲はすでに宇宙に用意された音を素直に受け取っているから」と言ったけれど、これには僕もすごく共感する。宇宙には、すでにすべてが存在し、ほんの瞬きとも言える時間の中で人間はそれを探ってきたに過ぎないと思うんだ。「どうして音楽が作れるのか?」と僕はよく聞かれるけれど、これもアインシュタインのモーツァルト論と同じ。「この音の次にこの音がいい」と音を紡いでいくのは、それが気持ちいいからで、宇宙からの音を僕なりに素直に受け取ってるだけ。コード進行も多くの人に受けるものがあって、古い曲と同じコード進行の曲が今もいっぱいあるけれど、人間が本来、波動として持っている心地いいものというのがそこにはあるんだろうね。 音楽は、声を発して祈ったのが始まりだと僕は思ってるけれど、人間の波動は、時代によって変わるものもあれば、変わらないものもある。その中で、人が愛し合うとか、宿命的なものがある。音楽もそういう変わらないものがその時代の感覚で表現されたとき、人の心に残ってヒットしたり、時代を超えて残るんだと思う。そういう意味で、レディー・ガガは、今の時代に出てくるべくして出てきたスターだと僕は思ってる。ガガは、特異な音楽性の持ち主で、メロディもリズムも年代を超えた作り方をしている。聴けば聴くほど、その音楽の虜になってしまうんだな。 そして僕はやっぱりメジャーコードの曲が好きだな〜としみじみ思うんだ。メジャーコードには望みがあるんだよね。昔、母親が「あんたは子守唄を歌うと泣いちゃってダメだったのよ」と教えてくれたことがあるんだけれど、マイナーコードの曲を聴くだけで哀しくなっちゃうのは、70歳を過ぎた今も同じなんだ(笑)。 |
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かやま・ゆうぞう●1937年生まれ。慶應義塾大学卒業後、60年に俳優デビュー。翌年、「大学の若大将」が公開され、当たり役に。同年「夜の太陽」で歌手デビューを果たす。65年に発売された「君といつまでも」は350大ヒットに。現在、「加山雄三51stホールコンサートツアー 若大将 湘南FOREVER」を4月末まで各地にて開催中。コンサートの演奏曲目をスタジオ新録で収めた最新アルバム「若大将・湘南FOREVER」は絶賛発売中。 | ![]() |
これは2枚組の輸入盤。収録されている「バッド・ロマンス」と「テレフォン」はそれぞれ全米チャートTop3に入る大ヒット曲で日本だけでも50万枚以上を売り上げている。加山雄三さんのお気に入りは、テンポがよく”rah-rah-rahs and ooh-la-las”というフレーズが印象的な「バッド・ロマンス」。 | ||||
| 2012年03月29日新設 |
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