加山雄三 俺は100歳まで生きると決めた
  (文化放送podcast 2023年7月18日〜)

7月18日に文化放送の「くにまる食堂」で放送された「俺は100(歳)まで生きると
決めた」の内容をレポートします。
同日配信された文化放送Podcastでは、ラジオで未公開の内容も配信されました
ので、その内容も含めてレポートします。下からどうぞ!

今回は「第18回 谷村新司さんと加山雄三さん」をレポートします。

下からどうぞ!

 

 第18回 谷村新司さんと加山雄三さん
 
 中華テーブルを自作
 

邦丸)リスナーの皆さんご機嫌いかがでしょうか野村邦丸です。そしてこの番組の
   メインパーソナリティは・・・。

加山雄三です。どうぞよろしくお願いいたします。

邦丸)お願いいたします。さて加山さん、今回はですね。10月の8日、旅立たれて
   しまいましたチンペイさんこと谷村新司さんのお話を。もう訃報を受けて
   からおよそ1ヶ月が経ちました。その後、この「くにまる食堂」という番組
   の中で谷村新司ラジオデイズというコーナーを放送して、そこで加山さん
   お電話で録音させていただいてね。時が経つのは早いと言いながらも・・・。

びっくりしたよ。とにかく同じ干支だからさ、一回り下なんだよ、彼は。早すぎる
よな、どう考えても。本当につらいね。やっぱ一緒に歌ったことは何度もあるから
さ。「夏 長崎から」で、二人してサライを歌ったりね。最初サライ作ってる時さ。
「サライってなんだよ?」って聞いたら、「キャラバンサライってあるじゃない
ですか。」移動式の家なんだってさ。いろいろと、うるさく俺は言ったけどさ、
今となっちゃうね。もう何とも言えない気持ちでどうしてさって思うよな。

邦丸)サライの話はね。加山さんにたっぷり伺いたいと思うんですが、加山さん自身
   も最初に会った頃のことって覚えてねえんだよって、言いながらも、プライ
   ベートでのお付き合いがあって、ちょうど一回り違うから、加山さんにとって
   は弟分みたいな感じだったんですかね。

そうね。ごちそうしてやるから来いよって言って、ウチへ来たもんね。一番最初に
呼んだ時ってのはさ。テーブルから作ったんだ。中華料理がいいって言うからさ。

邦丸)加山雄三さんのお宅に谷村新司さんがいらっしゃると、そして中華がいいと。
   テーブルから作ったってどういうことですか?

丸いテーブルでさ。

邦丸)円卓!?

円卓をさ、8人掛けと、6人掛けの大きさの2通り作って、(厚さ)20mmのベニヤを
2枚買ってきて真ん中にヒンジを付ける。それを付けて折れ曲がるようにして、
広げて、普通の四角いテーブルの上にこうやって広げて乗っけて、あとシーツ被せ
ればもう分かんねえやって。

邦丸)すごいなー!四角い大きなテーブルの上に円卓を乗せて。

それでコロコロ回るやつね。それを買ってきたんだよ。香港行って香港からの帰り
にね。ベアリングみたいなのを回るやつが。それで、友達に石屋さんがいたんで。

邦丸)石屋さん?

石屋さんに頼んで寸法6人掛けのちょうどいい石と、8人掛けの石と2通り作って
もらってその下のくるくる回るやつを乗っけて上に乗せてちょうどいいなって、
もう最高の出来になったわけよ。

邦丸)谷村新司さんが来るから、どうせ来るんだったら円卓から用意しようって。

それやったんだよ。で、ごちそうでするじゃん。そして自慢話するわけだよ。
「これ今日、君が来るからテーブル作ったんだよ」「え!?テーブルどうやって
作ったんですか?」ってなって。で説明が始まる。そしたら「もう加山さんには
参っちゃうよな。中華料理がいいって言えばテーブルから作っちゃうもんな。」
って。

邦丸)谷村さんだって加山さん家に招待してもらってすごく嬉しいけども円卓
   まで用意されたって言ったら谷村さん、いろんな経験されてる方なん
   だけど・・・。びっくりしたでしょうね。

びっくりしちゃってね。それから、あっちこっち行って喋ったみたいなんだよね。

邦丸)若大将の家に行ったら、俺のために円卓用意してくれたんやでって。

作ってくれたっていうことはね、やっぱり相当なもんなんだね。効いちゃったん
だな。

邦丸)その時の中華は若大将がお作りになったんですか?

もちろんカミさんと代わりばんこでさ、いろんなの相当出したよ。13品くらい
出した。相当出したよ、レシピ本があるくらいだから俺。何だって作ったからね。

邦丸)そのレシピ本にも無いものを当然谷村新司さんのためにお作りになったわけ
   でしょ?

そういうことね。

 備前焼
 

邦丸)加山雄三さんの当時のお宅に壺があった?

あっ壺ね。備前焼の壺がね置いてあったんだよ。それをしみじみと見てんだよ。
これはすごい人が作ったんだよって言うんだよな。貴方分かるのかよ?って
言ったら、「僕は備前焼やってるんですよ」って言うから「本当に?じゃあ今度俺
連れてってくれよ」って。「備前焼、やってみたいな」って。「行きますか?
先生ちゃんといるから」って、「行きますよ。ついていく」って。それで約束
してくっついて行った。本当に先生がいるんだよ。そして、もう全部用意されてる。
ろくろに乗っけて作った。最初は立ち上げることが練習だって。出来上がったのを
京都に泊まっている間に焼いてもらうわけよ、電気釜に入れて。途中で焼いた後に
色付けして自分の模様を描くんだ。それで本焼きに入るんだ。それは本当に素晴ら
しいものなんだよ、信じられないくらい。ちゃんとできたんだ。

邦丸)谷村新司、加山雄三と備前焼きツアーin京都。

そう、やったんですよ。

邦丸)谷村さんの腕ってすごかったんですか?

すごいから僕はついて行ったんだよ。分かんないけど、最初は分からずにね。行った
けど、いやー大したもんだ、と思って。

邦丸)加山さんに負けず劣らず、谷村さんも、ものすごい負けず嫌いじゃない
   ですか。

そうだと思う。

邦丸)負けず嫌いと負けず嫌いが備前焼きの工房で並んでるっていう、火花散る  
   ような感じだったんじゃないですか?

いやそう、火花散らすほどじゃないですね。お互いにやっぱりいいものを作ろう
っていう気持ちはあるからね。でもそういうのをやるのが非常に楽しかったね。

邦丸)要するに、歌の世界だけじゃなくて、趣味の世界でも谷村さんとの結びつき
   って、これが加山さんと谷村さんの二人の結びつきの深さっていうのが
   出たんでしょうね。

そりゃそうだと思うんだ。だって、陶芸なんて海の仲間なんてやらないよ。やら
ないからね、彼らは。俺はさ彼にくっついてやるじゃん。そうやってやったら
できないことはないわけだな。最初、皿なんて、ぺったんこになって広がっちゃっ
てさ。垂れちゃったらマズイなあと思って。それから壺も作るんだけど、外から
キュ〜っと押さえてね。そういうことをやっていくうちにさ、「加山さんは凝り
出すと、ほんとすごいな」って感心されるんだよ、何でもな。彼はいつもそう
なんだ。だけど、その道では先輩なわけだよ。

邦丸)陶芸ではね。

陶芸ではさ、そういうことでね。だから俺黙って習ってる。そのうちにもう通り
越しちゃって、先生、もう二人きりでやりましょうって。どんどん新しいの作っ
てった。たくさん作ったからね。だから俺、かなり絵付けするのも面白いなと
思ったよね。

邦丸)絵に関しては、若大将の絵はすごいじゃないですか。絵付けするのはまた
   違うんでしょ?

面白いのは、焼く前は真っ黒なんだよ。白いところに黒で筆みたいなのを書くと、
それが焼い後に色が出てくるわけだよ。それがまた楽しいんだな。こんなに綺麗
になるんだって思うじゃない。それが鮮やかなんだ。

邦丸)鮮やかな色が出るわけだ。

そう、それを見るのは楽しみでさ。

邦丸)だから趣味の世界でそんだけ結びつきがあるわけでしょ?

そう、本当にね。彼のおかげでね備前焼をやるようになったけどな。だから
やっぱりさ、最初に料理ごちそうしてやろう、といった時にテーブルから俺作っ
たっていう気持ち分かるだろ?それぐらい情熱傾けててやってやりたいなと思っ
ちゃうよな。

邦丸)ただ迎えるだけじゃなくて、どんだけ喜んでもらえるかっていう。12歳
   年下の弟分、谷村新司を喜ばしたいっていう若大将の気持ちってのが
   伝わってくるなぁ。それにしてもすごいな!

彼がさ早い旅立ちをした時にはさ、俺は彼の葬儀の参加はできなかったけど、その
後にね会社へ行ったわけだよ。棚があってね。その中にあいつがにっこり笑ってる
遺影が飾ってあるわけだよ。そこで、もう何とも言えない気持ちでさ、お焼香して
最後に「俺は遅くなるかもしれないけど、ちょっと後から行くかなーって言いながら。
去る時にチーンって言って、最後にチーンって、それで「チンペイ!」って。

邦丸)そんなところでシャレ言ってたんですか、おそらく天の上で、チンペイさん
   苦笑いですよ。

苦笑いだ。何やってんのって感じだ。

邦丸)若大将とチンペイさんとのお話はまだまだたくさんありますので、また来週
   以降もお話を伺っていきます。

ここまでの内容を音源でお楽しみください。(時間 12分46秒)
下からどうぞ。

 第18回 谷村新司さんと加山雄三さん
 

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