加山雄三 俺は100歳まで生きると決めた
  (文化放送podcast 2023年7月18日〜)

7月18日に文化放送の「くにまる食堂」で放送された「俺は100(歳)まで生きると
決めた」の内容をレポートします。
同日配信された文化放送Podcastでは、ラジオで未公開の内容も配信されました
ので、その内容も含めてレポートします。下からどうぞ!

今回は「第22回 富士山での不思議な話」をレポートします。

下からどうぞ!

 

 第22回 富士山での不思議な話
 
 現在 描いている絵画は『富士山と波』
 

野村)皆さんご機嫌いかがでしょうか、野村邦丸です。そしてこの番組のメイン
   パーソナリティは?

加山雄三です。どうぞよろしくお願いいたします。

野村)前回の続きなんですけど、加山雄三と絵、絵画ですね。波の絵が非常に多い。
   茅ヶ崎の海だったり、いろんな海が描かれているわけですけど。銀座にある
   加山雄三ギャラリーにお邪魔して、あそこで公開放送もやりましたよね。
   あの時に見た絵の色って、これなんだって?思わず、加山さんに聞いた絵が
   あるんですよ。売られてなければ、まだ見ることできるかもしれませんが。
   青なんです、ブルー。このブルーの色って青の絵の具を使えば、青は出る
   でしょうが、不思議な怪しいような、かといって爽やかな感じもするし、
   あの青って、どうやって出したんですか?初めて俺、加山さんに褒められた
   の。お前いいとこ目を付けたって。

俺、褒めた?

野村)覚えてないでしょ?

覚えてないけど、それ聞いたんだな。確かに、よく気が付いたと思うよ。あの青を
出すのは、ものすごく難しいんで、引いていく波とぶつかって起き上がった時にさ、
砂やなんか、もじっている。それから、薄くなった色と、光が後ろから当たる逆光
の波と、みんな色が違うんだよ。
あれはラグナビーチっていうロサンゼルスだよな。ラルナビーチに行った時の記憶
なんだよ。逆光の波になっていた3時な。その時の色、何とも言えない色が出て
いるわけだよ。その記憶の波があって出すのにえらい苦労したんだよ。下に引いて
いった波の白いのが混じるわけで、それを出すのに非常に苦労したけど、描いて
いるうちに出てくるんだよ、それが!?嬉しいね〜。これは本当にありがたいなと
思うよ。

野村)加山さん、素人の質問ですけど、いろんな絵の具を混ぜるんですか?

そう、混ぜるよ。ある程度ね。混ぜ方によっては濁っちゃうからさ、澄んだ色に
なっていくようにするために。その系統として混ざって大丈夫になってる。青の
系統の3色、4色混じって。それで薄いところは薄く。薄いというのは波の厚さ
がね。薄い時、逆光の波って、ちゃんと出すのがあるんだよ。何本かは。

野村)これ加山さんの独創ですよね?

そりゃそうだ。

野村)そうですよね。先生に、この色出したいんだけど、こういう色ってどう
   ですか?ってアドバイスもらったんじゃない。

違う違う、そんなこと分かるわけないよ。そんなこと分かるわけないんだよ。
それは俺に任せろって言いたいくらいね、ちゃんと自分なりにちゃんと やって
ね、今でも描いてるからさ。

野村)今、加山さんどんな絵描いてらっしゃるんですか?

富士山、富士山が多いんだよ。注文画家じゃないけどさ。富士山の絵ってのすごい
多いんだけど、みんな売れちゃうんだ。それならばって波と富士山とね。富士山の
手前を波がバ〜って寄せて、西伊豆に行くとそういう場所があるんだよ。よく見る
と、富士山が後ろにあってね。手前の波がちゃんと立ってる。そういう湾がある
わけよ。そういうのをよく見てるからさ。それをちょっとアレンジして、波が3段
くらい来る、その向こうの水平線に上がったみたいなとこに大きい富士山。

野村)富士山と波っていうと北斎が有名ですけど。

ああいう日本画じゃないけど、からさ俺、写実的だからね。

 富士山での、ちょっと怖い不思議な話
 

野村)そうですよね。なんで富士山になったんですか?

富士は日本一の山。確かに富士山っていうのはね、かっこいい山だよ。あんな山、
無いよ。世界中見てもね。3,776メートルの高さ。冬になったら雪があるから。
俺は富士山で不思議なことがあって。

野村)何があったんですか?

ある時ね、富士山に登ったんだ。スキーやりに。日本で一番最初に雪が降るのが
富士山だからって、スキー持ってさ登って行ったわけよ。

野村)抱えて?

うん抱えて。それで登って雪があったんで、そこを滑ったんだよ。そしたら下から
さ4、5人くらいの人が”へぇー、こんなとこでスキーやるんですか?”とか言い
ながら登って来た。俺は”いい気持ちでやってる、最高だよ”って言いながら、
また登って、滑ってた。それでほったって小屋に泊まって、翌日になったら、また
滑る、そういうことやってたんだ。そしたらその小屋で夜、寝ようと思って。真っ
暗になってものすごく静かになった時にさ、周りをパサパサって雪の中を人が歩い
てる音がするんだよ。みんな寝てるはずだと思ったからさ、おかしいなと思ったら
ね、おじさんがさ鼻すすってるのが聞こえたからさ。周りにいたみんなに起きてる?
今の聞いた?雪の中を歩いてる人がいるのかな?ってなって、わけがわからないから、
みんなで一杯飲もうとなったんだけど。時間が経っても扉を開けて中に入らないで
シーンとしているわけよ。それで扉を開けたら、煙が。雲だな、薄気味悪いやね。
それで”誰かいるんだろ?返事しな”って。”俺らは起きてるよ”って言ったけど、
全然何とも言わないんだよ。まあいいやって言いながら、みんなで飲んでもうちょっ
と起きてよかって。結局朝まで寝られないでさ。酔っぱらっちゃってんだ、みんな。
スキーやろうと思ったけど、なんか薄気味悪いなと思って。それで富士吉田の
旅館に行っちゃってさ。旅館に泊まって、それでさ朝起きてね、洗面所で顔洗って
たら、なんかすごい大騒ぎしてんだ。女中さんがさ。”なんかあったの?”って聞い
たら、富士山で大雪崩でさ。俺たちが、もしあのまま残ってたら全員が死んでるん
だよ。あの時すれ違ってた人たちが全員出てこない。雪の中に埋まっちゃったよ。
それで俺は家に電話したらさ、親父に怒鳴られて、今、警察に電話しようと思った
とこだって、俺、無事で生きてるよって旅館にいるからって。それで良かったなって
ことになってさ。

野村)六号目の小屋から加山さんは降りて助かった?

降りて助かったんだよ。こんな不思議な話は無いと思うよ。本当に不思議だよ。本当
忘れもしないね。

野村)現代科学では解明できないことが圧倒的に多いから、そういう経験は逆に言えば
   よかったですよね。

よかったんだよ。出てこなかったらさ、また滑ってたらさ雪崩に巻き込まれて、お釈迦
だよね。本当にね、不思議なことってあるんだなぁと思ってさ。

野村)今、富士山をお描きになっているところですが、富士山登った時のこととか、
   蘇ってきたりは?

そういうことはないね。美しい形を綺麗に描けて、裾を描いていく時にこのくらいの
深さまで、ずっと伸ばしていくの、このくらいの角度で。出来上がった時にああ良い
角度になったなって。それで冬の雪の富士山を想像しながら描いていくの。それが
楽しみでね。波と富士山と、両方描いてるんだよ、今。一つの絵の中に。それがね
もう直ぐ出来上がるけどさ。

野村)そうなんだ、じゃあ今は富士山と波ですね。ほんと加山雄三ギャラリーは銀座に
   ございますんで。あの青を見てもらうだけでも。素人が言ってても説得力ない
   かもしれないけど、一度見てもらいたいんですよ。だってギャラリーにいて、
   あの青しか入ってこなかった。

ああ、そうか、なるほどね。

野村)たくさん加山さんの作品が展示されてるけども。、もし売れてなくて残って
   いたら見に来てください。
   と、いうことで加山さんまた次回もよろしくお願いします。

よろしくお願いいたします。

ここまでの内容を音源でお楽しみください。(時間 13分4秒)
下からどうぞ。

 第22回 富士山での不思議な話
 

2025年7月6日新規作成