2008年 1月29日 WOWOW

  「コラボラボ」     

番組冒頭の時任さんの言葉

コラボレーションってここ数年よく聞くようになったし、特に音楽の世界でよく使うようになりましたけれども、もともと音楽というのはコラボレーションなんではないかと。
例えばバンドであっても、ギターやベースが一人変わるだけでものすごく変わるんですよね

番組の司会者、時任三郎さん
それは一人一人の個性が集まったときに、コミニュケーションの中で何が生まれるか、音を出してみないとわからない、そういう世界だと思うんです。
普段一緒にやらない、あるいはやれないタイプ人同士がやったときの化学反応が、すごく音楽をやる人間としても聴く人間としてもすごく楽しみであるんです。
そういう化学反応を楽しむために、「コラボラボ」というのを作っていろんな化学反応を観てみたいという気がしてます。

新番組の第一回を飾るに相応しい、加山さんと大友直人さんそして千住明さんのコラボレーション。
ステキな番組になってました。2006年のガラ・コンサートのトリオのトークを中心にレポートしました。
京都コンサートホールで収録されたこの番組。

大友直人さん千住明さんそして加山さんが揃ってのリハーサル風景。ピアノ、ギター、弦楽四重奏という組み合わせです。

千住明さん

この編成はごまかしがきかないんですね。必要最小限のことしか出来ないんですよ。
原曲のイメージが崩れるといけないし、一番難しいですよね。

大友直人さん

私は実は若いときからポップスが好きだったんですよ。自分のプライベートな生活の中ではクラシックの音楽というのは自然にありますけれど、特に加山雄三さんは、というわけではなかったですけど。

一般的にヒットしていた加山さんの曲が耳に入っていたということでした。でも加山さんの曲というのはすごく自然なんですよね。単純そうなんだけれども、少し工夫しているというところがあって、実に見事だなあというふうに思ってましたね。

我々ポップス界というのは、どんなオーケストラであろうが、リズムセクションがあるんですよね。

いくらクラシックとはいえ、当然リズムセクションを足すだろうと言ったら”それは無いです”っていきなり言われて、”そんな!”って言ったきり。
二人でこれは”リズムセクションなしで歌えるようにするしね”って作曲家と指揮者に決めらちゃったら、俺は”しょうがねえなあ”って。
でもよく考えてみたら、正にそのとおりでね。
クラシックホールというのは、アンプラグドな音というのが本当に大切なものなんで。

ピアノ、ギターそして弦楽四重奏で「旅人よ」を唄う加山さん
それこそ、いろいろなタイプの音楽を体験してきているけれども、小編成であってもハーモニーを上手く使えている編曲というか。
それで演奏者が素晴らしければ、本当に気持ちよ〜く歌えるもんだなあと。
(大)この編成ですと、本当は指揮者がいらないんですけど。
今日は千住さんのピアノを聴けたということが・・・。
私初めてでしたから。
初めてで、しかも、「旅人よ」をピアノの伴奏というのはありえないことですからね。
(千)加山さんのメロディラインは気持ち良いところにはまっているので、どんなアレンジもできるんですよ。
がらっと変えることもできるし、どんな冒険もできるんだけど。
まず僕たちが心がけたことは、原曲のイメージを壊すのはよくない。上手くできたと思いますよ。

リズム楽器を入れなかった理由
(千)入れちゃうとオーケストラが鳴ってくれないんで。

大丈夫ですよ”としか言わないんですよ。
(大)オーケストラのサウンドが殺されちゃうんです。オーケストラのサウンドとして、加山さんの歌声と一番合う感じのを自信を持って、僕らで作りますからって、受けていただきました。

光進丸にて千住さんと

千住君は工学部に入ったんだよね、一応。
父が工学部の教授をしていたんで、兄貴も妹も彼の後を継げなかったので、可愛そうになって僕だけ行こうかなと思って
途中から芸大の方へ?
試験ってすごいんだって?400年分の音楽の内容を覚えないと入れないとか
400年か500年分ですかねえ、それがないと職人になれないんですよ。
それをちゃんと主席で出たんだから
父から30歳まで時間をやるって言われたんです。
自分の作品が大学に買われたときに、学長から”君はこれから音楽と一緒に生きていく運命を裏切っちゃだめだよ”、と言われたときが29歳だったんです。ギリギリ間にあったんです。
すごいなあ、貴方の家族というのは素晴らしいねえ、
波の白が描ける方は少ないじゃあないですか
これが撮った写真だよ、ハワイ行ったときに。
(犬を指して)この辺に、いつもいるんだよ。
普通は人間の後ろに犬がいるんだけど、これは犬が先導してるんで面白いなあと。

有名な話ですよね、「DEDICATED」があったから、「君といつまでも」があるというのは
そうそうそう!「DEDICATED」を映画の主題歌に使うことになって、使ったら大ヒットしたわけだよ。そしたら渡辺晋さんて方が、”加山君、あれと同じような曲でいいから、もっと良い曲作ってくれ”って。
明日納品です、というときにコードおんなじで一時間半で、これでいいかなって出したんだ。それが「君といつまでも」

(千住さんのピアノと加山さんのギターで「君といつまでも」を)
ありがとうございます。すごい感激しました。
後輩にこの曲を演奏してもらってよ。
大作曲家になった彼に!いいねえ!
すごく緊張しました!
初めてだろ!
ええ、初めて弾きました。受験のピアノより緊張しました。

「夜空の星」の原曲をピアノで弾く加山さん

バイエルのような曲として作ったんですよ。このメロディを渡したらエレキの曲になっちゃった。
サビを変えましょうということでサビを全然違うコードにして出来上がっちゃった。

これを、中学校の2年生の時に弾いていたら、親父が後ろで聴いていて”それなんだ”って言うから”俺が作ったんだ”って言ったら”おう、そうか、お父さんピアノコンチェルトが好きだから、いつか必ずピアノコンチェルトを作曲してお父さんにプレゼントしてくれ”って”ああ、いいよ”って簡単に答えたんだけど、それから何十年間やらずに親父が60歳超えてから、”お父さんと約束したの覚えてるか?”って言うから、”ああ、覚えてるよ””進んでるか?””なんにもやってない”って言ったら、さすが俳優でね、そのときのガッカリした顔、あの大根役者が。
それから、あわくって考えて。
第一主題のメロディは中学の時にさあ、頭に浮かんだことは浮かんだのよね。
(そのメロディを弾く加山さん)

(千)すごいですよね。
(大)リズムがよれないで行くでしょ、八分音符が。

部分的には覚えているんだよね。
全然ダメだね、恥ずかしいね、やらないほうがいいや!
(千)とんでもない!
(大)またじゃあ加山さんピアニストバージョンでね!
それ、やめてくれる、緊張しちゃって指が動かなくなる!

「時をこえて」を唄う加山さん

(大)「時を超えて」という曲は今回初めて認識したんですけど、素晴らしい曲だと思うんです。
今回のアレンジも素晴らしいアレンジでね。
20数年前、お父さんの上原謙さんが出演なさったJRのフルムーンのコマーシャルの音楽を録音したんですよ。
リストのピアノ曲でしたけど、お父様のスクリーンを見ながら、オーケストラを指揮したその思いでがあって。
今回「時を超えて」のリハーサルしながら、その時の状況がダブッテきて。いいチャンスがあれば、そのての映像とピッタリくるんじゃないかと思っているんです。

(時)
加山雄三さん、千住明さん、大友直人さん。この三人のコラボレーションを見させていただいたわけですけども。
本当にポップスとクラシックのコラボレーションという形で最初見ようという感じがしていたんだけども、見ると関係ないですね、ジャンルってね。
ジャンルに関係ないところで、加山雄三さんというのは生きているんだなあ、そういう感じがしますね。
それがまた、回りの人たちも巻き込んでいくエネルギーを持ってて、それが一つの世界を作り上げている。そんな感じがしましたね。
そんな、加山雄三さんの世界を十分楽しんでいただいた回でした。

加山さんへ
今、そしてこれからが人生最高の旬ですネ  大友直人

大友さんへ
すばらしい出逢いに心から感動します。  加山雄三

加山雄三様
音楽を愛し、楽しみ、貫く事
そして益々みがかれた歌声
三十年追い続けた背中は
まだはるか彼方です。    千住明

千住さんへ
最高の後輩に心から感動   加山雄三

ボーナストラックとしてシンフォニックコンサートでのリハーサル風景と「サライ」が紹介されました。
終わり

08年03月06日新設

 
 

u