「私と黒沢明」NHKBS2    

7月にNHK BS2で放送された番組をレポートしました。

ぼくの人生は黒沢さんによって決まったといっても過言ではないですね。
「椿三十郎」から3年後、加山雄三さんの出演した「赤ひげ」

江戸時代の小石川養生所を舞台に、長崎帰りの青年医師の成長を描いた作品。

当時、加山さんは若大将シリーズ等で絶大な人気を集めていましたが、俳優を続けるかどうか、悩んでいたと言います。

もう、いつ辞めようかなって、そればっかを考えてましたからね、得心がいかない部分が多すぎるっていうか。
それは自分の実力のなさもあるし、若大将が始まって、たった1本だと思ったら、2本、3本目もやって、「日本一」になったから、もういいだろうと思ったら、今度はハワイに出ていっちゃうし、どうなってんだこりゃあって。

これは考えもんだなあって考えてるところへ、黒沢さんの作品にめぐり合えたということで、考え直さないとけないなと、「赤ひげ」の役柄をいただいた時に、その「保本登」と僕自身がダブルんですよ。赤ひげ先生と黒沢さんが!
正に療養所が撮影所だなっと。そういう感じがしてね。
こりゃもう、すげえ。
全部見透かされているというような、そういう凄いところがあったなって思うんです。。

映画の1シーン

赤ひげは良く観てるな。黒沢先生は全体を凄い見てるなって思いました。
感動が凄かったのは、頭師君(チョー坊)が二木てるみさんに見られて、布団が干してあるところで話をする場面で、何回やっても、小さい子供ですから、間違っちゃうんですよ。
それがある瞬間見てて「はい、チョー坊行くよ!」

なんかね、魂でスタートさせ、魂でみんなに教えている、そういう感じのときがあったんですよ。

こっちはビックリ仰天ですね。全部最後までノーミスで出来た。黒沢さんもニッコリ笑って、立ち上がって、ダーって、走っていって、抱き上げて「良かった、良かった」ってもう感動しましたね。
「赤ひげ」の撮影が終わって・・・

もう完全にまいったなあって感じでねえ。
本気でこの仕事をやろうと、どんな仕事でも、納得の行くような芝居を
自分がやれるような、そういう方向性を自分が持っていれば、そういう方向に行くだろうと。

終わり

08年08月21日新設