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2009年 4月 スカパー 

 歌謡ポップスチャンネル

   加山雄三のスペシャルワールド 第6回 

皆さん、ご機嫌いかがですか、加山雄三です。今日のスペシャルワールド、ゲストは南こうせつ君。ご存知だと思うんですけど、彼はお寺さんの次男坊なんです。
だから僕は、海よりも山を選びました。その山も「大雄山 最乗寺」という、僕が若い頃から通ったお寺さんなんですね。
そこで二人で、人間の心とか、人生、そういうものを話あおうと。霧がかかって幻想的だったですよ。また、いい話が出来たんだあ。ぜひ楽しんでいただきたいと思います。
♪「星の旅人」♪(オヤジ達の伝説より)
神奈川県南足柄市に位置する大雄山 最乗寺。了庵えん明禅師により1394年に開山。
曹洞宗に属し全国に4千余りの門流をもつお寺。開創以来600年の歴史を持つ関東の霊場として知られ、堂塔は30余棟にもおよぶ。
「大雄山 最乗寺」「祖母と奥の院で読経」

まさかこういう所とは思わなかったでしょう?

山って聞いたから登山出来る靴履いてきたのに。

大雄山、最乗寺というお寺です。なぜご案内するか。おそらく、ここの住職が生まれる前から来てるんです。
高校1年生の頃から、慶応なのに頭、丸坊主にしたんだ。なぜか、おばあちゃんがこの最乗寺に30年間修行しに通った人なんだ。それで、僕も影響を受けて、このお山に入って。
夏休みに八日間づつぐらい泊まって、庭掃除を朝早くからやったり、
滝に当たったり、鐘突き堂があるんですけど、鐘を突いたり。

お坊さんになる気だったんですか?

お坊さんになりたいと思った気持ちはあったんだよ。人間として修行したいというか。それでここに通ったら、霊験新たかな雰囲気があるもんで、心が洗われるような思いで。ちょうど高校生ぐらいっていろいろ悩むじゃない。毎回、奥の院まで。そこで、おばあさんがここの住職と一緒にお経を上げる。そこに私もじっと座って。

「南こうせつの実家も 曹洞宗のお寺」

こうせつくんの実家もお寺さんでしょ。

同じ曹洞宗のお寺なんです。

僕はそれを知らなかったけど、この番組がね最後になるし、最後は絶対「南こうせつ」君しかいない。

僕はここ初めてですけども、ご案内いただいてありがとうございます。

「学生時代に滝で修行」

ここで打たれたんですか?

結構痛いよ。5分間ぐらい打ってると肩が痛くなる。

こりゃまたいい処。

でしょう?水神様

自然の気をいっぱいいただくとそれだけで身が清められてる気がしますね。

マイナスイオンを発生している、オゾンがいっぱいあるわけですから。

開山するときにお坊さんが、ここって決める時になんか意味があるんでしょうね。

それは間違いなくあると思う。宇宙はみんな波動でなってるから、それを受ける心になるというか。1本の筋というか、地の中の霊的なものと円空の霊的なものの間に自分が入れたときにここっていうのが分かるんだと思うね。そんな気がするね。滝に当たってそう思ったね。

「奥の院での不思議な話」

奥の院でね、おばあちゃんとお袋と僕の妹とお坊さんがお経を上げていたら、まん中から蛍光灯みたいな光がパーと出てきたんだ。あれっ、「おいちょっと光見えるか?」って聞いたら、みんな見えるって言うんだ。お経の声が高くなると光が強くなって、振幅を繰り返すの。

不思議ですねえ。

最後には物凄い光だったよ。それから、俺ね、人智を超えて何かが存在するということ、大自然の中には人間が考える以外に何かがある。それを身体で感じたよ。

心と身体でできているから、両方大事なんだと。お金は卑しいとかいうけど、お金がないと食べ物を食べないといけないから肉体が維持できない。お金だけにいってしまうと、心が卑しくなってしまう。そのバランスがこの世は大事なんだと。

「この世はすべて波動で生きている。」
「この星に生まれてきた意味」

すべてこの世は波動で生きている。昔は粒子論って言ってたんだけど、あるとき、素粒子を粒子だと思っててたった一つの粒子を二つの穴に通したら、両方通っちゃった。我々を構成しているのは粒子なんだけど、それですべては波動で出来ていることになったわけ。それから量子力学になったわけ。音もそうだし、光も波動だし、人間が出すもの、想念、思いとかあるα波とか、β波とか科学的にも段々証明されているけど、例えば「オーラ」が出ているとかは、波動で何かが出て色が見えるとか、魂レベルで出している波動と、人間の心が豊かになれば幸せな肉体にもなるという風に俺は思うんだよね。
お金は不条理な物、最高のもの両方とも全然そうじゃない、必要だから存在しているだけだと思う。人間が最低限必要なものというのは、心の中心で何を考えるか、思いというのは、必ず具現化して来るんだよと。

波動だけの星、肉体の存在しない星があってもいいじゃないかと。

そりゃあそうだ。

でもそこに加山さんは生まれてきてもよかったのに、この星(地球)を選んで生まれてきました。僕もですけど。
それはすご〜く意味があって、それは肉体を通して精神を上げるためにこの星を選んだ。
だから普通の日々の暮らしがいかに大事。
身がある以上、その身の苦痛だとか何かを通して、精神の、心というものをどういうレベルに上げるかということが修行の理由だと思うし。原点の中で一番修行しなくちゃならないのは肉体ありだからこそであり、人生を与えられたからこそであると思っていればいいと思う。
「人間は幸せになることが目的」
人間が幸せになることが、一番人間にとって幸せなことだと思っているのに、会社を守って人間を首にするじゃん。
人間の生きる道を捨てちゃって会社だけ助けようって、それも変だなあって思ったし、子供達はね、なんか悪さしたときに、学校の校長先生が謝ってんだ。俺は二十歳になるまでは、親の責任だと思うんだけどな。違うかい?

子供に対する親の愛情というのがあれば、何かをおこしたときに親がそこで謝るべきであって。

これだけ日本という国、さらに地球が何億年も続いてきて、わずか戦後60年の間にこんなになっちゃって、その間に生きてた我々は大恥物ですね。たった60年の間にぜ〜んぶ崩してしまいました。
借りもんだと思うんですよ、環境は。自分の所有物じゃなくて。海も山も全部神様のもんで。
アパートに住んできて壁紙までは替えられない
けど、座布団の位置ぐらいは元に戻して死のうかなと思う。

「祖母から教わった多くのこと」
家庭と言うのはすごく大事だし、ただ核家族になったのが問題だと思うのは、たった二人っきりの中で生活して子供が生まれて昔はおじいさん、おばあさんが一緒にいて教えてもらえた。俺はおばあちゃん子なんだよ。両方のおばあちゃんにだよ。
一緒に箱根の登山鉄道に乗ったり、ここへは大雄山鉄道できて、そういうのを繰り返してた少年時代というのは、おばあちゃんから教わるのが多いから、こういうことを考えるようになっちゃった。

高校時代、命ってなんだろう、生きていくというのはなんだろうって、おばあちゃんによく聞いたんだよ。
おばあちゃんとこ行くとね
「荷が重いのではない、自分の力が足りないのだ」って書いてあるんだ。そこでおばあちゃんに
「荷が重いのではないっていったって、1トンもあったら重いだろ」って言ったら、「その荷じゃないよ!心の荷物だよ!」って、とか
「享楽からは失うものが多く、苦しみからは得ることが多い」って、そりゃあそうだろうけど、やっぱり享楽の方が楽しいだろとか、そんな話をすることが非常に好きだった。

最初にもらった給料を持って、おばあちゃん家に行って「これもらった」って5万円プレゼントした。そしたら、おばあちゃんがすぐ神棚に上げたんだ。晩飯何食ってるかと思ったら、メザシ食ってるんだ。もっといい物食えばっていったら、私はこれでいいんだって、お経上げてんだ。

知らずに人間教育をおばあさまから受けてたんですね。

「映画「若大将シリーズ」にも影響」

そうだね、おばあちゃんが教えてくれたね。
そのおばちゃん子であるというのが「若大将」の中でも生かされたね。

飯田蝶子さんがおばあちゃんで.

多分、家の親が映画のプロデューサーに言ったんだ。こういう精神面の部分というのは似てるとこがあったんだ、あの映画のシーンの中にね。

こういう場所に座っていると、魂って思わず言いたくなりますね。

だから磁場っていうのがあるんだろうな。

加山さん、開山しますか。坊さんだな!

いや、俺は解散だよ!アハハ!

♪「幸せになろう」♪(二人でギターを弾きながら)

番組から正式に、最終回という告知はありませんでしたが、残念ながら今回が最終回となりました。
短い期間でしたが、加山さんを見ることができ、そして加山さんの考え方を知ることができました。ステキな番組をありがとうございました。

09年10月15日新設