「小堺一機と渡辺美里のスーパーオフショット」

     ニッポン放送(11月2日)

毎週火曜日にニッポン放送で放送されている「小堺一機と渡辺美里のスーパーオフショット」に、加山さんが11月2日にゲスト出演されました。その内容をレポートします。

渡辺)このスーパーオフショットは、私達がお会いしてお話したいスーパーな方をお迎えするトークセッションプログラムです。
今週からお迎えするスーパーなゲストは、今年デビュー50周年を迎えられた
加山雄三さんです。

小堺)デビュー50年ですか!?うわあ、美里さんが25年。

渡辺)まだまだ私なんか・・・。

小堺)倍だもんね!?73歳でいらっしゃいます。

渡辺)カッコいい〜!

小堺)でも若大将ですね。永遠の若大将ですね。

渡辺)その若大将の秘密をちょっと、間近で探っていきたいと思います。それでは、加山雄三さんとのトークセッション、ゆっくりお付き合いください。

美里の”加山観”

渡辺)うちの母がファンていう世代ですからね。
父と同い年なんですね。

73だけど、ああそうですか。

渡辺)母が父のズボンのアイロンをかけながら、
「ああ、私は加山雄三さんの奥さんじゃなくて良かったわ」
「なんで?」
って言ったら
「だって、お父さんだったらシュッて、これだけで済むけど、加山雄三さんだったら、もっと長〜くアイロンかけないと
いけないから」ってよく言ってました。私の中では、加山雄三さんは「アイロンが大変なんだなあ」って思ってました。

面白いネエ!?

小堺)そういうエピソードを家庭から募ったら、沢山あると思うよ。
僕もなんとかの若大将って言われてましたとか。

”50周年”

小堺)どうですか、加山さん。いろんなとこで、おんなじ質問されたと思いますけど、50周年っていうのは?
ご自分でどういう風に
感じてらっしゃいますか?

永いですよね、やっぱりねえ。ここまで来るのには、時間の流れとしては。百年の半分っていうのはすごいと思うね。半世紀だからね。
それだけの間、同じ仕事をずっと続けていること自体が大変なことだと思うし、また続けられたとうことが、俺はとっても嬉しいです。
正直言って、支えてくれた人、ファンの人たちがいなければ、僕はいないわけだから、それだけ支持してくれる人たちがいるということは政党だったら、あり得ないんじゃないかと思えるくらいのことでしょ?
だからそれは、僕は本当に嬉しいし、また、この商売がやっぱり俺の天職だったかなあと思うようになりましたね。
今頃になってやっとそう思うよ。

渡辺)最初は、映画に出て、船でも造って・・・。

良く調べてるね、ほんとにもう。

渡辺)本を読ませていただきました。

ああ、読んだんですか。その通りですね。

渡辺)そう思われていたところからスタートしたと。

不純な動機でね。

小堺)そういう動機の方がいいんでしょうねきっと。

もしかしたら、そいうかもしれないですね。人間っていうのは、幸せのために生きてる。その幸せは何かって言ったら、自分の何か好きなことができる時間とか、そういうものが造れるとか、そういうことだと思うから、仕事は大変であったとしても、自分に例えば、良い趣味があるとか、良い人に巡り会うとか、良い場所に居るとか、そういういろんなことがあると思うんだよね。そういう事考えると、動機が不純というよりもむしろ、自分がほんとになりたかった造船技師だとか船乗りとか、そういうものを趣味でもってできるということはもっと良いかなっと。
それからもう一つは、音楽もそうなんだけど、
亡くなられた小島正雄さんに言われた一言ね。
「あんた、音楽すごい好きだろ」
「大好きです」
「それで飯を食うように
なるなよ」学生時代に言われたの。
「どうしてですか?」
「これで、飯食うようになるとね、音楽に対する愛情、情熱がなくなっちゃうん
だよ」って言われてね。
「ああそうなんですか」って、それをず〜っと頭の中に置いておいたけど、それでほんとに飯が食える
ようになっちゃったわけだ。
でもあくまでも、趣味でやってるんだと最後まで思い通そうと思ったんだけどね。だから、好きなときに
作って、好きなときに歌って、で作りたくないときは何もしないで、というのがポリシーとしてあったんだけど、そうもいかなくなってきたというのもあったけどね。

”茅ヶ崎”

渡辺)茅ヶ崎で生まれたっていうことが物凄い影響しませんか?

茅ヶ崎で育ったのね、一歳半から茅ヶ崎にいて、ほとんど生まれたようなもんだけど

渡辺)あそこで生まれた人というのは、なんか音楽をやりたくなる何かがあるんじゃないかと。

茅ヶ崎は多いんだよね、結構。中村八大さんとかもそうだし、平尾昌章も、彼は同い年だけどね僕と、それから加瀬邦彦っていうのがいるよね。桑田圭祐君もいるよね。亡くなられた團伊久磨さん、それからまだ生きている弾厚作さん。

小堺)御自分のことじゃないですか

山田耕筰さんもいたことがあるとかね。結構作曲家が多いんだよね。葉山とかあっちの方へ行くと小説家が多いんだよね。

渡辺)外から風が吹いてきて、いろんな空想を巡らせるというか。

僕自身が考えているのは、磁場っていう言葉しかないんだけど、そのポイントポイントに、それぞれの磁場に来る何かあると思うんだよ、エネルギーの。神的なものの磁場の良いところにお寺が必ず生きてるっていうかさ。もう谷村さんと話してるととまんなくなるんだ。谷村新司君がそういうのすごく好きで。

”心の筋肉を鍛える”

小堺)初めて光進丸に乗せていただいたときに、チエ熱出ちゃって、
嬉しいのとお話のランクが上過ぎて。
加山さんは軽くおっしゃるの。
「小堺君、海で地震の震源地の上を走るとどうなると思う?」
「わかりません」
「月の光の海はきれいだぞ」とか言われても、
コンピューターで言う
情報がありません状態なんで・・・。

俺の身の回りで起きていることを、そのまんま言ったんだけど、普通の人は体験出来ないことを、体験することが好きだったということもあるからね。しょうがない、ごめんね。

小堺)根っこにあるのは、ある種の好奇心ですか?

全くそのとおりでね。存在そのものに対する好奇心から始まってるからさ、人間がどうしてここに存在しているのか?いっつもそればっか考えているんだ。

小堺)哲学ですね!?

哲学?なのか?一番最初に「ビッグバン」が、今から138億年前くらいに起きたとか、そういうことってさ、考えれば考えるほど、不思議でしょうがねえだんよ。その前は何だったんだ、何にもなかったのか、存在そのものがないのか、じゃあなんで今存在しているのか考えて、谷村君と話して・・・。

小堺)難しいですねえ!?ハハッハッハハ。

ごめん、でもそういうことを考えるとなんでか知らないけど、安らぐんだよね、俺は。人生、辛いことが多いからだと思うんだ。でも人間って、波と同じでいいときと悪いときと上下してるのは、誰でもあると思うんだ。だけど、それが並外れた大きさだったということは間違いないし、だからといってそこで溺れて死ねるか!?って思うじゃない。みんなおんなじじゃないかと思うんだよね、辛さに関しては。感じるのは、心そのものであってさ。そうすると、その心が受け止めれば、受け止めなきゃならないし、受け切れなければ死んじまうだろうし。
それこそ心に、もし、筋肉というものがさ、つけられるとしたらば、やっぱ鍛えたほうがいいのかあと思ったりするようになるわな。

”超えられないハードルは与えない”

自分がね、大借金を背負って苦労するのも、全部自分がね引き込んでいるんだと思うんだ。だから、それは乗り越えなきゃいけない、そして乗り越えることが、出来る範囲内の事だって言う風に、生きていればの話だけど、だからそういうものは、試練としてちゃんと与えられるんだと思うよ。必要なんだと思うんだよ。

小堺)なんか感じるね、この間神田瀧夢(かんだ ろむ)さんが。

渡辺)私も同じこと考えてて鳥肌がたった。

小堺)この間ゲストで来てくださった、神田瀧夢(かんだ ろむ)さんという方がおんなじことをおっしゃって。彼は「壁」っておっしゃるんです。その壁が大きくなったということは、自分もその壁を越えられるようになって・・・。

神はね、超えられないハードルは与えない、越えられると思うから与えられてるんだと思うことが大切だと。

渡辺)加山さんは、すご〜い大きな器の人だ!ということですよね。

腹がでかいだけで、器もへったくれもないよ。

渡辺)いやあ、金額見ただけでもクラクラしますもん!?
「座・ロンリーハーツ親父バンド」というのは、そういう大きな借金をした人しか
入れないんですか?

入れないわけじゃないよ別に。楽してちゃダメだよな。僕がメロディを作って、「こりゃあ長いぞ」って、この長い曲に誰が詞をつけるかって聞いたら、みんなが一斉に「まさし!」って指指したんだ。彼が白羽の矢が当たって書けたのは、やっぱあ、苦労して、それだけの荒波を超えたからこそ、詞が出てくるわけだ。実感から出てくるから。で、俺が歌っているのは、また実感を持って歌っているから、オリコンの2位まで上がるはな。70(歳)を越えてから、オリコンチャートの左ページに、しかもベストテン内に入るなんて無いことなんだよ。調べたら一人いましたけれどもね、左卜全さん。

渡辺)♪ヤメテケレ〜♪の人。

そうそう、あの方は76歳のときに、ベストテンのトップに行ったの。しかもミリオンセラーですから。
いやあ、あと3年あるなあって思ってるけど。

小堺)知り合いの三宅プロデューサーが、あの「座・ロンリーハーツ親父バンド」の曲を聴いて、泣いたんですから。感動して。

えっ!?、ほんとうに!?うわぁ、嬉しいなあそれは。さだ君の心は素晴らしい。彼はすごい、どんな壁がこようが、どんな波だろうと彼は越えられるから、それだけの試練を与えられたんだと俺は思ってるし。

小堺)超えられる人が、二人三人いますからね。

渡辺)だから、私、他のラジオ局で加山さんとお会いしたときに、
「私もオヤジバンドに入れてほしかったです」
「君はダメだよ、
若過ぎてダメ!」って言われましたもん。

小堺)森山良子さん、谷村新司さん、南こうせつさん、さだまさしさん、ジ・アルフィ−。
ジ・アルフィ−の皆さんが、若いくらいですもんね。

まだ55(歳)だもん。「7人の侍」だと思ったけど、女性がいるから「七福神」だと思ってさ。

渡辺)ああさすが!

「座・ロンリーハーツ親父バンド」が流れます。

”時代劇ブームとデジタル化”

渡辺)時代劇ブームそして、映画のデジタル化について加山さんに伺ってみました。

時代劇、好きだし面白いよね。
アナログとかデジタルとか、使い分ける時代が来ると思う。もうすでに使い分けてると思うけど。
例えば映像にしても、アナログで撮ったほうが、臨場感が出る時代劇があると思うんだよ。使い分ける時代がちゃんと来てるはずなんだよな。
デジタル化って速度が全然違うから、コンピューターにしたって。
”1”と”0”で、全部成り立ってるから面白いよね。
遺伝子みたいなもんでさ、組み合わせでもってそうなってるけど、そのデジタルになったらさ、スピードが変換できるから、例えばデジタルでレコーディングされたものをさ、ちょっとテンポが遅いからちょっと早くするのわけないじゃん。一秒縮めてって言ったって、出来るわけだよ。それとか音程を、これは、カラオケだってそうだわな、あれはアナログでは絶対出来ないことだよね。
そうやって変換して、デジタルできちっとやる。
ほとんどがそうなっていくだろうと思うけどね。

10年11月11日新設