「小堺一機と渡辺美里のスーパーオフショット」

     ニッポン放送(11月16日)

毎週火曜日に、ニッポン放送で放送されている
「小堺一機と渡辺美里のスーパーオフショット」に、加山さんがゲスト出演されました。その内容をレポートします。

渡辺)この番組は、私達がお会いしてお話したいスーパーな方をお迎えする、トークセッションプログラムです。お迎えしているスーパーなゲストは、今年デビュー50周年を迎えられた、加山雄三さんです。

小堺)楽しくてしょうがないですねえ、お話を聞くのが。

渡辺)いっぱい、いろんなこと聞きたいです!一つの事を伺うと、それが広がるし、深いし、ときどき知恵熱が出るんですけど。
でも、いっぱいいろんなこと聞きたいですね!

小堺)それがね。勉強って感じじゃないのね、乾いてる喉に水を飲むように入ってくるのね。頭に入るんじゃなくて、心に入る感じがします。一つのお話を聞くと、いろんな方向にお話が広がるんで楽しいんですけど、加山さんはスポーツ万能、音楽、すごい!作曲できる、交響曲まで書ける。

渡辺)ピアノも、ギターも。

小堺)そう、なんでもできるの。そして音楽をとても、趣味っておっしゃってるけど、凄く愛していらっしゃる。
音楽を愛してる素晴らしい後輩、美里さんも負けていられません。

渡辺)いやいやいや、そこで私を登場させないでください。
歌は、加山さんと同じくらい大事に思ってます。

小堺)25周年を引っさげてのツアーの手ごたえはいかがですか?

渡辺)加山さんの50周年の歴史には、まだまだ及びませんけれど、25年でファンの方と培ってきた見えない絆みたいなものとか、新しい人たちも誘って、実際ライブには行ったことなかったけど、来てみようっていう人たちも増えているので広がりもみせてますし、繋がりを確かめあってるというような、物凄く充実してます。50年音楽活動、俳優活動されている加山さんに、お仕事の話もそうですけど、その基本となるご家族について伺っていこうと思っているので。

小堺)また良いお話が聞けそうですね。

渡辺)それでは、加山雄三さんとのトークセッション、ごゆっくりお付き合いください。

”60年に一人”

小堺)ほんとにハンサムでしょう?

それが、俺は自分では全然そう思わないんだよ。

小堺)だから良いんですよ。

うちのオヤジが、物凄い良い男なんだよ。

渡辺)息子さんもそう思われるんですか?

思うね!?あれはもう、60年に一人しか出て来ないって言われたぐらいだけど。

渡辺)なんで60年なんでしょうか!?

知らないよ、その時代の人が言ったんであって、なんでか知らんけど。
世間の人たちは、みんな「大スター」ってチヤホヤしてる。
うちに帰ってきたら、ろくでもない親父なんだけど。どうして、あんなに良い男なのに、俺は出来損なったか?って思いながら。ガキの頃から「男は顔じゃないよ、心だよ」ってなことをずっと考えてた。だからちょっとひねくれてるんだ、俺な。ひねくれてるから、茨の道を自分でばら撒いて、痛い画鋲の上を歩かざるを得なくなった。
壁とは言わないで、画鋲とはセコイなあ!?

小堺)針の上を!?

足、血だらけになって痛い、痛いって歩いてんだ!?

”ブン殴られる”

小堺)ところどころに、お父さんが厳しかったっていうお話を聞きました。ボートの事件でもね、なかなか買ってくれないんだって。
そういう点は、とても厳しかったんですね。

「物の無い時代」っていうものを通り抜けてきて、俺もブン殴られて育ってさ、天下の二枚目が俺をブン殴ったの、3回ぐらい。

渡辺)ちゃんと3回っていうのは、物凄いインパクトが。

なぜ覚えているかというと、ちゃんと仕返ししたから、3発!?
物を無駄に使ったということで殴られた。だから、経済的には非常にうるさかったというかケチだったよな。それがもしかしたら、ある意味では良かったかなと思える節がある、確かに。

”ボクシングで仕返し”

小堺)その受けとり方ね、殴られたことへの。
「チクショー」って、街で暴れるんじゃなくて、「よおーし、ボクシング習ってやろう」っていう。「オヤジ、試合しようぜ!」って、試合なんだから、そこで、ボカーンって勝っちゃうっていう話があって、僕大好きで。それで、
お母さんが「あんた、仕返ししたでしょう?」って。

渡辺)フェアーなんですよね。

フェアーとかは、わからないんだけど。
暴力はいけないんですよ、暴力はね。

渡辺)ボートも若大将ですねえ。

小堺)ボート買ってくんないと作っちゃう、ボートだよ。

渡辺)想像つかないですもん!?

でも、今の世の中は自分で工夫してさ、みんなで力合わせてさ、自分で漕いで飛べる飛行機作るとかさ、みんなやってるじゃない。

小堺)人力飛行機とか。

それ見てると「いいねえ!」って思うよ。そのうちロケット作って空へ上がってって、宇宙まで行くやつも出てくるんじゃないかと思うぐらいね。そういうことが出来る世の中になってっるじゃない、体制的には。だけども、まだ誰もやってない、誰かがやるだろうってのが、まだふんだんにあるから。そういうところに希望っていう「カ」、「夢」をさ、「念ずれば花開く」っていう言葉があるでしょうが、人間、「本気でもって思う」と、そのとおりの事が出来るっていう話だなあ。

”野沢菜チャーハン”

小堺)よく、「今日、何しようかなあ?」っていう時があるけど、加山さんって、ないでしょう?

あるある、暇だなあ、どうしよう何しようっていうとき、
「あっ、そうだ、あの本読もう」って、読む暇が無かったときの、ものを引張り出して
きて読むとかさ、テレビで録っておいたやつ見ようとかさ、そういう風にするよ。絵を描くこともあるし、何かをやろうとしなきゃあ。後は寝てるなあ。

渡辺)寝てる時も、壮大で、スクリーンが広がってて、夢を見てて。

可笑しいのは、朝半分寝ぼけながらね料理を考えて、はっと目が覚めて、これで作ったら面白いなあって作ってみようって
「冷凍エビ、あったっけ?湯葉ないですか?」って、それを買いに行ってもらってさ、エビを生湯葉で巻いて揚げてカリカリにして、レモンかけて食べたら、すげえ美味しいんだ。次にホタテとエビを一緒にのせたりとかいろんなことやって、巻いて揚げるって、「すごくいいなあ」って。明け方ね、夢の中で自分が考えるのよ。
このあいだも、長野行って帰りに野沢菜を買ってきたんだよ。
今はカロリー低いのがいいから、ご飯だけでもいいなあって思って。明け方、また夢の中でさ、それを刻んで豚バラを刻んで、それ一緒に混ぜて、チャーハン作った。それにちょっと塩だけ振ったんだけど、あと本だしをちょっと入れて、こくを付けて。カロリー低くくもなんにもないだろうって、それ食べたらめちゃくちゃ美味しいんだよ、これが。

小堺)聞いてるだけで、美味しそう!?

渡辺)ねえ!?

流行ちゃって大変だよ。

渡辺)よっぽど、食いしん坊で。映画でも沢山召し上がってますけど。

ところが今は、食えないってことがチクショーって言うくらい。

渡辺)量は昔より減ったかもしれないけど、沢山召し上がるってことがエネルギーに。

今朝だってねえ、カミさんがさ、時間が無くなったからって、お弁当作ってあげるって、サンドイッチ作ってもらったんだけど。
普通はね、卵サンドとステーキサンドを入れてくれるんだけど。
「今朝は、愛情を持って作りましたから」って、ステーキがないの!
卵だけなの、これが愛情だって!?
「太っちゃいけないでしょう?」って。
「朝は、いいんだろうがあ」って思うけど。

小堺)でも、いつも卵とステーキサンドって凄いなあ

渡辺)スゴイですねえ!?

これが旨いんだ

小堺)美味しそうですね?

美味しいんですよ。

渡辺)子供さんが、小学校卒業されるまで、毎朝、12年間一緒に。

そう、朝飯一緒に食った。一番上が小学校上がってから、ずっと。一番下が卒業するまでの間ね、12年間あるわけだよね。
どんなことがあっても5時半に起きて、朝めし一緒に食べようって。

渡辺)ルールを決めたのは加山さんなんですか?

もちろん俺が決めたし、それが絶対大事だと、そういうことは絶対忘れないからなあと、で、皆勤賞だよ、全部。

”花火&オヤジへの反発”

渡辺)娘さんと息子さん、二人ずつ、花火の設計って言うんですか?

それは長男だ。プロデューサーなんだ。

渡辺)一昨日イベントがあって、花火が上がってる時に、花火を考える人って、上がったときはもちろん「やった〜!」って、思ってるんでしょうけど、やってる間にこんな風に広がって、こんな音が出て、こんな色に、大きさになってとかいうのを考えてるときって、大変でしょうけど楽しいだろうなあってねえ。今、正にみんながワア〜って言ってる瞬間って、プランをした人っていうのは、なんて楽しい仕事だろうって。宇宙飛行士みたいな感じ?

自分で、色鉛筆を使ってデザインするんだよな。
この花火って、こういうのは出来るかどうかっていうのは、花火屋さんとこ行って、
彼は交渉して、
「こういうのは出来るか?」
「やったことはないけど、出来ると思うからやってみよう」
って、それを
全部プランニングして音楽と同時に上げる。音楽も全部彼は作曲してるし、打ち込みだけどね。俺「初めてだ、あんなの観たの」って、いうくらい凄かったよね。一番注目を集めたのが、長岡の花火大会の中で、NHKの「天地人」を始める前だったんだけど、直江兼継っていうのは、あの辺の出なんだよね、だもんで「天地人花火」っていうのをやろうってことになって、それでうちの倅が選ばれて、それに見合った曲を作って、それで3分間の大ショーをやるって。
大体2,000発くらいの花火でやろうってことになって。

渡辺)新潟って、花火が盛んなんですね。

長岡のは凄くて、ニューヨークのマンハッタンのも見てるけど比較になんないよ。すごいほんとにすごかった。

渡辺)今日の加山さんの、いろんな方向に広がっていく、深く広がっていくお話を聴いてると、そういうお父さんからいろんな小鳥が、なんとなく聞いてたことを、影響を受けた子供さんたちに繋がっているんだろうなあって思いました。

俺の場合は、繋がっているのは運命だと思うんだけど。
親父のやることは、俺やらないって気持ちだかんね。
だから、親父がマージャン好き、俺やんねえよっと。親父ゴルフ好き、俺やんない!と。海でゲエゲエ〜吐く、俺は船乗るぞ!って。全部、反発反発で。
それで、今、俺がある。だから倅の中では、反発してるのいるかも知れないけど、
やってるのが同じような道だから、次男は俳優やてるしねえ、長女は女優やったりしてるし、一番下もアメリカで女優やってるしねえ、子に生まれた運命みたいのが、あるのかなあって思うけどね。

BGM「ココロ銀河」(渡辺美里)
”カービングスキー”

渡辺)加山雄三さんに「カービングスキー」について、伺ってみようと思うんですけども、加山さんは既に「あ〜あ、カービングね」っておっしゃってました。

今までのスキーっていうのは、ただ、細長いんだけど、カービングって言うのは幅が広くなって、靴を履く真ん中あたりが凹んでいるんだよね。全体に寸法も短い。ほとんど、自分の背とおんなじくらい。
カーブするときには、凹んだ部分がスキーを寝かしたときに、
ヒューっと曲がる能力を持っている。慣れたら、これほど滑りやすいものはないね。もう、ほとんどカービングだからね。古いのが良くて、カービングが嫌だっていう人もいるんだよ。技術が昔のに慣れてるからって。
順応性があれば、カービングのほうが
お勧めだね。

”編集後記”

渡辺)さて、今日の加山雄三さんとのトークセッションは、ご家族とのお話でしたね。

小堺)加山さんていうのは、ちゃんとした息子だったから、ちゃんとしたお父さんになれたんだね。

渡辺)そうですね。

小堺)面と向かって、お父さんに反発してるじゃないですか。でも頭を使ってさ。僕、恥ずかしくて黙ってたけど、子供とちゃんと朝ごはんを食べてなかったものなあ。
「いやあ、そんなのなんでもないよ」っておっしゃるでしょう、なんでもなくないんだけど。

渡辺)ちゃんと生きてる、きちっと一つ一つの事をちゃんとしてらっしゃる素晴らしさみたいなものを。

小堺)そして、ちゃんと勇気もお持ですし、息子さんも素晴らしいお仕事してらっしゃるし。ほんとに素敵でした。

渡辺)花火、見たくなっちゃいました。

10年11月25日新設