「ラジオ深夜便」

  NHKラジオ(5月3日)

5月3日に、NHKラジオ第一で放送された、「ラジオ深夜便」に加山さんがゲスト出演され、「ラジオと私」というテーマでお話されました。第一部の内容をレポートします。

聞き手は須磨佳津江アナウンサーです。

 家族の絆、団欒

そういうことがあって、僕が聞くチャンスが増えて、クラシックもねえかなり、それこそバッハから始まってブラームス、ベートーベン、ショパンからプロコピエフとかね、ハチャトーリアンとかね、そういった現代音楽まで入ってくるんですよ。だからもの凄く幅広い音楽に対しての興味といいますかね、そのくせ親父が時々ねLP盤なんか出てくるとすぐにこれまた手を出して、レスポールとメルフォードで二人とだけでやって多重録音してるのを学生時代手に入ったんでね。それを聴いて真似してやろうって気になってたときに初めてテープレコーダー、その前にワイヤーレコーダーっていうのがあって。

須磨)ワイヤーレコーダー?

テープレコーダーの前は、ワイヤーレコーダーっていって人間の髪の毛のような釣りのリールに蒔いてあるのが右から左へいくんですよ。それがヘッドを通ると音が入ってんですよ。それが最初ですからね。

須磨)日本では最初の方に。

最初だと思います。ワイヤーレコーダー手に入れたのは親父ですから、そうして自分の声を録音してみたときに、「なんだ、この声は!?」って。最初思いますよね。それから一年か二年後にテープレコーダーが出たらばテープレコーダー。そうすると一回録音したやつといっしょにこっちに入れると二つ重なるんですよね。つまり、オーバーダビングじゃないですけど、二つ入ったやつをもう一回再生しながら録音すると三回入るわけですよ、一人で多重録音が出来るというのを、おそらく日本でやったのは僕が初めてであろうと。

須磨)日本初の多重録音の経験者!?

kだと思いますね。ワイヤーレコーダーとテープレコーダーを使ってやってますから、だからトラック別になってないんで段々重ねていくと雑音が増えるんですね。こういうことをやってラジオで放送劇というのがよくあったんですよね。それをね、テープレコーダーにうちの親父やお袋がお友達が来ると即興でやるんですよ、お芝居を。音を録るんですね。連続放送劇じゃないですけどね。

須磨)作っちゃうんですか?

台本なんか何もないんですよ。「うちわ」を持ってきたと思ったら「へい、いらっしゃい!」焼き鳥屋やってるんですよ。「お客さん、何?」って。「熱燗つけてくれ」ということを全部即興でするんですよ。僕はどういって入っていったらいいのかわかんなくて、それとかテープを裏返しにしてそれを反対に回すとね、音がボケますけどメロディーが反対に流れるんですよ。それで8小節くらい流して、それを瞬間に覚えて元に戻して、ちゃんと反対に歌うんですよ。それをひっくり返してかけると誰が正確にその音をコピー出来たか、遊んでたんです。

須磨)ものスゴイ楽しいご家族ですね。

そうですね、家族の絆、団欒がですね非常に深い家庭であることが、今の加山家にも繋がったのかなって思いますけどね。

 

10年05月19日新設