「ラジオ深夜便」 NHKラジオ(5月3日) |
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5月3日に、NHKラジオ第一で放送された、「ラジオ深夜便」に加山さんがゲスト出演され、「ラジオと私」というテーマでお話されました。第一部の内容をレポートします。 聞き手は須磨佳津江アナウンサーです。 |
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鉱石ラジオ&手作りボート |
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須磨)あの爽やかな加山さんを作ったわけですね、家庭環境がね。加山さんが多重録音は日本で初めてっておっしゃったけど、子供の頃からボートを手作りしたりとか、何でも造る方だって聞いたんですけど。 何でも作るっていうか。 須磨)ラジオも!? 鉱石ラジオ!作りましたよ。銅線蒔いて、ダイヤルつけて、それで音が聞こえたときは、嬉しかったですね、聴こえた聴こえたってね。オレなんか小学校の時だと思うんですよ。学校で部品をくれましたよ。家に帰って宿題で作ってこいって。うち帰って来て親父に、「これもらったよ」って言ったら、「これは凄い、鉱石ラジオじゃないか」、作るのを手伝ってもらって。 須磨)そういうの得意だったわけですか? そういうことが非常に好きなもんでね、好奇心旺盛と言ったらいいかも知れないと思うんですが何も無い時代だからこそ、何かをやって自分で楽しむっと。家の親父もかなり工作が大好きなほうで大工仕事みたいなことをとっても好きでやるんですよ。家にノコギリだとかかんなだとかのみとかそういう道具があったということが、一つは良かった。それで近所に材木屋さんがあってちょっと歩いていけば海ですよね、海のところに八丁櫓で打っていく地引き網の船が何隻かあったんですね。で、海へ行くとその漁師が勇壮な姿で波打ち際を走って飛び乗るんですね。網を落としながら沖へ行ってグルット帰ってくる。それを見てるとあれいいなあのりてえな、カッコいいなあ、それでその船は骨組みがあって、というのを見てるわけですね。 須磨)実物を観たんで、習いに行ったとかじゃなくて。 k全然自分で工夫して大体こんな感じだったらば、乗れる船になるんじゃないかと思って。 須磨)でも、簡単じゃないですよね。 ところが一週間で出来ましたよ。今でも作れますよ、その作り方、工法はね、おそらく誰も考え付かない作り方だと思いますけどね。 須磨)え〜っ!? ほんとにね、どうしてこんなことやったのかって、実物今残ってんですよ。15歳の時に作ったやつ。14歳でスタートしたんですけど、15歳の時の実物が今私のミュージアムにちゃんと置いてありますけどね。 須磨)どれくらいの大きさの船ですか? 長さがね短いですね、3.2メーターぐらいですかね。 須磨)3.2メーター?でも、おっきいですよ。 10フィート弱ですかね。 須磨)観察すればなんでも作れちゃう人なんですか? 僕はそういうタイプですかね。なんか好きですね、作るのが。模型も作るのが好きでしたからね。 須磨)でも鉱石ラジオと船では、だいぶ落差がありますよね。 でも、作るという、物を作る、この手を使って作るっていくっていうことは共通点があるじゃないかと思いますけどね。 須磨)出来ないんじゃないか、とかひるむことってまったくないんですか? ないですね、自分が作りたいから工夫してどうやったら出来るんだろうってすぐ考えちゃうほうですからね。 須磨)例えば、ボートって真っすぐな木じゃなくてカーブしてたりするでしょう?船のカーブの木なんて売ってませんよね。 売ってません!二次曲線というのは、作る難しいですよ。湾曲しているという二次曲線はね、僕自分では作れなかったんで一次曲線だけでもって作るんですよ。へ〜えって思うようなもの凄く簡単な工法で作っているんですけど。それは性能は非常に良かったですね。 須磨)どうやったんですか?子どもですよね、まだね。道具も余り無い? 道具はあります。親父が持ってましたから。四部板とこのくらいの角材、このくらいいって言ったってラジオお聴きの皆さんには分からないけど、八部と一寸ですか、ちょっと、はははセンチで言わないと・・・。7,8cmかな?そんなに大きくないか。もうちょっと小さいですね。それくらいの角材をね、長いやつを買ってきて、竜骨のまずはキールで先端になるやつで、それからフレームを同じような木で少し薄目のやつで上もこうやってやって、横がちょうど弓なりになって葉っぱのような形になるようにコーナーをつけるわけですよ。 須磨)設計図、自分で書いたんですか? もちろん書いたし、最初に模型を作るんですね。 須磨)ほう、小さ目で。 言い出すと凄く大変だけど、浮力と重心計算じゃないですけど、どれくらいまでの復元があるかとか、それの実験をするんです。最初、画用紙で作るんです。水に乗っけるためには、ロウを火で溶かしてそれをハケ塗りするんですね。すると、上に棒を立てて釣りに使う板鉛、それをグルグル蒔いてだんだん重くしてってどれくらいの重みまで、どれくらい傾いたときにパタンといくかとかそれが分かると安全度が確保できるんですよ。 須磨)なんで、そんなことがわかったんですかね? それはですね、小学校5年生の時の家庭教師の先生のとこへ通っていたんですが、その先生が商船大学の設計を専門としている造船技師の卵だったんですよ。 須磨)そうだったんですか? だから、そこで船図の書き方、いっぱいあったんですね。じ〜っと・・・。あっこれで立体的な感じが出ているな、つまり船体を輪切りにするわけですよ、縦に輪切りにしていったり、横に輪切りにするとかそういうのを線で書いてるわけですね。そうすると図面になるわけじゃないですか。偶然といえば偶然が重なっているみたいなもんですけど。 須磨)お勉強じゃなくて遊びで。 遊び心で、遊びたい一心でできちゃうんですね。 |
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10年05月19日新設
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