大竹まことのゴールデンラジオ
(文化放送 1月23日)       
加山さんが、出演されたラジオ番組でのトークをレポートしました。
2月22日に放送された「とくせん」(エルヴィス・プレスリーの特番)の
レポートも併せてお楽しみください。
 金儲けが苦手  
大竹)歳とって普通、昔の二枚目は衰えてくるものなのに、ガクってするくらい。

阿川)ガクっがないですもんね。

ガクっでしょう。全体にかったるいですよ、やっぱり。

阿川)どこ見てらっしゃるんですか、さっきから。

あそこに信号が点滅してるでしょう。今日は「フリー」だなあと。

阿川)あれはなんの信号なんですか?

ここにずっと居て、知らないんですか。あれは、「I」と「O」と「F」があるんで
すよ。「I」だったら、インだけ、入ってくるのだけOKなんですよ。「O」だった
ら、アウトだけ出港船だけ、フリーっていうのは両方通そうというやつ。知らないん
ですか。

阿川)海の公安の信号ですか。

だから灯台みたいなもんですよ。

大竹)ヨットが出来るからでしょ?

阿川)ああいうこと、気になっちゃう?

ちょうど見たところに、あっ今日はフリーか、と。出たり入ったり出来るんだ。

大竹)俺たちはだって、ヨットのよの字も知らない。

それは興味がないからですよ。

大竹)金がないからですよ。

僕だって、そうですよ。金は今ないもんね。苦手なことは金儲けが苦手。

阿川)でも借金返したじゃないですか。

返したけど、またまた借金作ってるから。おんなじこと繰り返してるから。

大竹)どうせまた返せるから。失脚してくださいよ、本当に。

それ、願いですか?

大竹)願いですよ。突き落としたいね、ほんとう。だって、おかしいもの!?

何がおかしいですか。

大竹)普通に生きてたら、あれに悩んでこれに悩んで。

悩んでもしょうがないって思っちゃったんだよね、悩むことが多すぎて。

大竹)そんな顔してないですよ。

いつだって、普通にしてるんだけど、やっぱり寂しいや。欠点だらけの人間だから、
わかんなくなっちゃってるんです。

阿川)これだけは苦手だってことは?

だから今言ったじゃないですか、お金儲けが下手って。テニスとかも出来なくって、
かったるくて。もともと苦手だもんね。

  

 マリンジェット  

今やるとすれば、マリンジェットに乗るとか、ジェットスキーに乗るとか。

阿川)ジェットスキーにも乗るんですか?

大竹)マリンジェットってなんですか?

ジェットスキーと違って、立ち上がらないでオートバイみたいにまたがって、二人乗
り、三人乗りってあるんですよ。立ち上がってやるのがジェットスキーですね。そう
いうのは乗りますよ、全然体力要らないから。で、スキューバダイビングで潜るのは
毎年夏だけだけど、大体式根島で潜ってます。あそこは何も無いんですよ。ないから
景色観るだけ。ただ、水中を散歩するっていうか、景色観て歩いているのが楽しい。

大竹)普通、散歩っていったら、公園ですよ。

夏場の特別な時だけでさ、いつも潜ってるわけじゃないよ。

 加山さんでも謝りますか  
阿川)機嫌の悪い時ってありますか?

機嫌の悪い時?無くそうと思ってるよね。機嫌が悪るくなると、女房がうるさくなっちゃってしょうがないからね。「どうしてそんなに機嫌が悪いの?」って聞かれると余計機嫌が悪くなったりする(笑)。

大竹)奥さんとは全然そんな問題はないんでしょ?

問題は無いけど、そりゃあ喧嘩はするよ。だけど喧嘩はこっちが謝っちゃったほうが
勝ちね。

大竹)加山さんでも謝りますか。

謝らないと収拾つかなくなっちゃう。

大竹)よかったあ!加山さんが謝ってくれれば、そりゃあ、世間のオヤジはみんな謝
りますよ。

朝出かける直前に、「昨日、ごめんよ」ってサっと行っちゃう。

阿川)それがコツですか。

コツコツ、それで夕方帰ってきた時にはおかずが一品増える。

阿川)「ごめんな」って言ってからまた時間があるとね・・・。

 
「ジージ権力」 
だんだん年が離れるごとに賑やかになってくるからさ、体力的に限界になるとね、い
らっとしてくるんだな。孫は来て良し、帰って良しだね。最初のうちはゲームなんか
やってさ、一緒にやろうって言っててやってんだけど、「ジージダメ、それ僕出きな
いから」

阿川)「ジージ」って呼ばれてるんですか?

「ジージ」だよ。時々爺って呼ばれるんだよ。お前、「ジージ」だろ、「ジジィー」
って伸ばすなよ。2時間もやってるとさ、俺が飽きちゃんだよ。ほかのことやりだす
と「ジージ、あれやって」とかさ。子供たちがゲームの取り合いになってさ、どうし
ても収まんないとさ、「はい、ゲーム禁止」って、ゲーム取り上げるんだよ。ゴミ箱
の中入れて蓋しておくんだ。

阿川)それだけの力は、「ジージ権力」は、おありになるんですね。

ゲームなんてのはね、ちゃんと親が見てないとダメですよ。爺さんが見てるか、きち
んと勉強の時間と分けなきゃいけない。そうやるっていうのは大変だよね。

 情けない理由 
大竹)加山さんが役者辞めようと思ったことがあるって。

入ってからずっと辞めようと思ってたんですよ。

大竹)うそ!?若大将で。みんな加山さんに憧れて、田中邦衛にはなりたくないと思ってたのに。

でも、田中邦衛さんは「北の国」だもん。素晴らしかったですよ。はじめっから僕が
この世界入った理由が情けない理由ですよ。一儲けして、船作ればいいという友だち
の助言で。就職のために資料を机の上に置いていたら、それ見て
「なんだ、これは」
「これか?俺就職しようと思ってて」
「馬鹿野郎、お前はサラリーマンてガラじゃねえや。お前んところは資産がないかわ
りに暖簾があるじゃねえか、それ使わない手はねえよ」って。
「やだよ、俺はでぇっきらい(大嫌い)だよ。オヤジ見てると嫌になっちゃうよ。」
「成績悪くて、お前がやったのはスポーツと音楽だけだろ?それを生かせるといった
らオヤジの跡継いで芸能人なるよりしょうがねえ、それしかねえだろう」って。冗談
じゃないって思ったんだけど、
「だいたいお前船が好きじゃねえか。一旗揚げて金儲けしたら自分で船作ればいいだ
ろ」
「ああそうかな」と。

大竹)結構軽い感じだったんですね。

軽いというよりも「ふとどき」な結論でどうしようもないんだよな、これがな。

 周りが止めてくれてよかったなあ 
大竹)阿川)やってみたら面白かったということはなかったんですか?

面白くないんだなあ、これが。

大竹)若大将ですよ!「ハワイの若大将」ですよ!?

それは見てる側としては、面白いストーリーになってても、現場でおかしくもないの
に笑わなければいけないとか、泣かなきゃいけない。

阿川)綺麗な女優さんと一緒に。

大竹)星由里子さんとか。

星由里子さんは別としても、そうでない人とキスしなくちゃいけないし。

大竹)キスできるんだったら誰とだっていいじゃないですか。

そうかなあ、俺はダメだなあ、やっぱな。それはちょっと贅沢だったね。人の前じゃ
ダメじゃんよ。やるんだったら誰もいねえところでやりたいよ。最初のうちはピーン
とこなかったよね、役者というものに。下積みがなかった。だから、自分が竿の先に
乗せられていつぶっ倒れるかわかんないっていう不安感に晒されているわけですよ。
下積みある人たちの前で、名前だけどんどん売れて。

大竹)加山さん以外に周りは全部下積みが、まあスタッフも含めて、コツコツとやってきてて。

そういう中へ入ってね、何の訓練もないのに、会社の方針でダーっと売れちゃって。
不安感がものすごいんですよ。

阿川)加山さんのように下積みなく大スターになった方はほかにもいらっしゃるでしょ?

僕は知らない。皆さんちゃんと勉強して、訓練をして脇役から入ってきてだんだん認
められてというケースが多いんじゃないですか。僕なんか、就職したらいきなりだっ
たから。

大竹)いきなり主役?

主役じゃないですよ。2発目から準主役です。

阿川)いじめられたことありますか?

佐藤マコちゃん(佐藤允さん)に酔っ払ってんだけどね、
「加山、お前の今日の芝居(演技)はなんだ!?NGばっかり出しやがって」
「うるせえ、上等だ、やってやろうじゃねえか」って、それで胸ぐら掴んで
「表へ出ろ!」って。周りが止めてくれてよかったなあと思って・・・。
それから黒澤明監督に出会って、「こんなすごい人がいるんならば僕はこの世界に残
ろう」という決断をするわけですよ。

 エンディング
大竹)このあと料理の話も聞きたかったんですが、時間がなくなってしまったんで。
ただ、伝えておきたいのは、朝からサーロインを
食べてきたらしいですよ。

阿川)朝からサーロイン!?ありがとうございました、加山雄三さんでした。

ありがとうございました。

 
 とくせん
(BS日テレ 2月21日)
「エルヴィス・プレスリー」の特別番組の冒頭、わずか一分足らずでしたが、加山さんが登場されました。
毎年行われている、エルヴィスのイベントは今でも、満員の盛況ぶり。

何を訊こうかと思ったら、「ハウ・イズ・ザ・ホビー?、貴方の趣味は何ですか?」って。

加山雄三さんも熱烈なファンでした。

エルヴィスが出てきた事によって、歌いたくなったんですよ。完全コピーを目指して歌っていたのが、今ちゃんと歌うようになれた。その原点がやっぱりエルヴィスです。
エルヴィス・プレスリーは僕の歌の原点です!

2012年03月01日新設