ソロモン流
(テレビ東京 7月13日)

「ソロモン流」の中から、加山さんの言葉を中心にレポートしました。
 お楽しみください。

今宵は超大物芸能人。
中々密着はさせてくれない人です。

取材班も恐る恐る近づきました。

スタッフ)(カメラ)横でも良いですか?

あっ!?、ここで(撮影)?
そうね。

スタッフ)失礼します。

 

デビューして50年以上。加山雄三さん、いつも手離さないのは携帯音楽プレーヤー。
驚いたのはこのあと。なんと目の前にはギター、足元にはアンプがありました。

これはカラオケは作れないからな。
♪若者よ〜、時は来た〜錨を上げろ、出航だ〜♪

現在77歳。若さは年齢とは関係ないとその姿は教えてくれます。
(演奏が終わり)

いいべ?

スタッフ)車でギターを弾いてる人初めてみたんですけど。

そうでしょう、いないでしょう、こんな人。おそらくねえ。
それほど練習をしなければ普通に弾けないんですよ。それでも上手い人はもっともっともっともっと上手いけど、俺にはこれで精一杯。はっはっは。

多忙な加山さん、移動時間も無駄にしないのがモットー。

時間は上手に使わなければ全く意味がない。無駄に使えば無駄になるし、俺は有意義に使うというのはやっぱ一番。有意義な人生を持つためにはそれしかないと思いますね。

 

毎年全国50か所以上でコンサートを行う加山さん。この日は新潟県長岡市。
2,000人のファンが待ち受けていました。
いよいよ本番です。

スタッフ)じゃ行きましょう、加山さん。

チャックOK?

ギャグも飛び出す。余裕ですねえ。
のっけからこの曲。

♪(夜空の星)♪。

大ヒットを次々、惜しげもなく披露。歌声はあのころのままです。

♪君といつまでも♪

50年の時を一瞬で超える音楽の魔法。色褪せない夢に誰もが酔いしれます。

なぜ加山さんはいつまでも若く居られるのか?その秘密の一端が楽屋でわかりました。お気に入りの携帯音楽プレーヤー。

中に収録している曲がすごいのです!

7,000曲以上入ってる。10,000曲か。

10,000曲の中から最近ハマッって・

 

そして仕事終わり。足を延ばして訪れたのは神田神保町の映画館。
あの人との待ち合わせです

ああ、悪いねぇ。

船越)どうもご無沙汰しております。

お久しぶりです、31年ぶりだそうです。

船越)ぼく、俳優になった年です。

 

あそこにいっぱいポスターが貼ってる。
私が77歳になりまして、一つの節目として色々やろうと。

船越さんとはドラマで共演した仲。きょう此処に訪れたのには訳があります。

これまで出演した映画は71本を数えます。
きょう映画館に来たのは・・・。
人生を変えた1本をともに観るため。
その作品とは。黒澤明監督の「赤ひげ」。黒澤映画の看板役者、三船敏郎の相手役に大抜擢されたのです。黒澤監督は俳優たちが震え上がる厳しい演技指導で知られる人。
その監督の下で1年間ミッチリ演技指導を受けました。
加山さんの役どころは赤ひげに楯突く生意気な若い医者。

 

もともと俺も生意気です。世間知らずもいいところでね。言いたい事言ってね、偉そうな事言ったりしてたなあとつくづく思いますね。

船越)印象に残ってる黒澤監督のお言葉はありますか?

やっぱりね、一番最初に会った時に
「加山お前は白紙でいいからな」って言われたの。

 

白紙っていうことは何も考えないで言わんとしてることを思ったら出る。
ああ、すごいことを言ってもらえたんだなあって。それを思い出しますねえ。

心を白紙にした体当たりの演技は、加山さん自身のキャラクターとも重なり高い評価を受けました。

荒波を超えてきた加山さんに「座右の銘」聞いてみました。

いろいろあるんですよ。
やっぱりアリストテレスの言った
「運命は性格なり」っていう言葉が一番好きかな。自分の性格が自分の運命を作るんだ。心から自分が明るく輝くそして人とコミュニケーションを持って、みんなから好かれるようなものを自分で望んだりするという事。そういう性格になっていけばそういう人生になる。
思い通りに生きていくんだな、人間は。

自分を見つめなおすことが人生を開くカギというわけです。

 

もう一つ加山さんが人生を開くために気を付けていることがあります。
それは自分の名前の書き方。どれを見ても読みやすく丁寧です

スタッフ)サイン読みやすいですね。

わからなくちゃしょうがないでしょ。昔ね誰かに聞いたんだよ。
「読めないサイン書くやつは出世しない」って。見たらねP・マッカートニー、
E・プレスリー、全部ちゃんと読めるよ。

名前を丁寧に書くことは人生を着実に生きる基本というわけです。

そんな加山さんの生き方に影響を受けた人、武田鉄矢さん。
誕生日が同じで一回り下の武田さん

武田)怒られたのは1回だけ。ドラマの仕事キツくて、青い顔してラジオ局出入りしてたら、加山さんとすれ違って
「なんだその顔は」って。加山さんがちょっと怒ってて
「遊べ!」って、言われた。
「遊ばないとダメだ!」。
道しるべのような言葉を他人の心にポンと置いてくれる素敵な先輩です。

音楽ファンの聖地となっている渋谷の巨大CDショップ。その1階入り口が、ある日イベントスペースに改造されました。これはタワーレコードの歴史でも異例のことです。

登場したのは今注目の新バンド。バンドリーダーは加山さん。

女性ファン)かっこいい、加山さん!

年の差、48歳だっけ?
彼が一番若いんだけど48(歳)も年齢差があるバンドなんて空前絶後だと思うんで。まあ、とにかくみんな聴いてほしい。

一番若いメンバーとは年の差48。世代を超えたロックバンドです。
集まったのは12人の腕利き若手ミュージシャン。人気バンドのメンバーたちです。

 

加山さんと一度音楽が したいと集まりました。
今月アルバムもリリース。中には加山さんが50年前に作った曲も入っています。
いままで500曲以上も作ってきた加山さん。初期には英語の歌もたくさんありました。

♪ブーメラン・ベイビー♪

最初に作ったアルバムもすべて英語曲。でも当時はまだ早すぎて売れませんでした。
そこで埋もれた名曲を最高のバンドで歌ったのです。

♪SWEETEST OF ALL」♪(リハ風景)

 

蘇る50年前の名曲。

そこには加山さんの青春の香りが溢れています。77歳、喜寿だからこそ原点に帰る。

50年前に俺が望んだことだったの。
本当はこういうパワーとさ、こういうノリのロックをやりたかったんだよね。

バンドメンバーとも意気投合。

スタッフ)ミュージシャン加山雄三は?

ウエノコウジ)ロックンローラーでしょ。何やるにしても一番最初の人じゃない?

キヨサク)あっ、久しぶりって握手した時の力が半端じゃない!

佐藤タイジ)演奏始める前に気合入れていこうぜって、時に「願えば叶うんだ」みたいな事を言うんすよ。加山さんとのシンパシーを感じるのはそこですね。

 

新バンドを組んだ加山さん、この日がデビューステージとなりました。会場は14年の歴史を持つ東北最大の野外コンサート「ARABAKI ROCK FEST'14」。
仙台郊外の地に50000人が集結。加山さんの歌はどう響くのか。
本番直前までリハーサルの音源を聴いて集中力を高めます。

そしていよいよ「THE King ALL STARS」の登場です。まずはメンバーが作った
若者の応援歌を熱唱。

♪未来の水平線♪

そして50年前に作った加山流ロックンロール。

♪SWEETEST OF ALL」♪

若者たちもノリノリ!反応は上々。50年来の思いが叶った瞬間です。若者の反応は。

 

ファン1)世代は関係ないなと思いました。
まだ続けるって言ってたし。

ファン2)(加山さん)全然イメージ違いました。「サライ」の人みたいなイメージだったが、すごい踊りまくりでした。

俺の作った作品が、今通用するのが何よりも嬉しいよね。

今年8月、加山さんは武道館コンサートで77歳の最高齢記録を作ります。

そしてもう一つ見果てぬ夢がありました。取り出したのは・・・。

こういう船。これはCGだ。動画も出来てる。 船体の上は全部ソーラー発電でさ。
ゼロエミッション・ウルトラエコシップ。

燃料を使わないエコショップ。海水を真水に変え災害救助も出来る優れもの。
80歳までに作って世界を回ろうと本気で考えています。

加山さんが若くいられる秘訣、それはどうやら夢を見る力にありそうです。

最後に加山さんに聞きました。どうやって夢を見つけるのか?

毎日が一生懸命だよ。毎日が新しいスタート。きょうも新しい一日が始まる、そういう気持ちというのが、ものすごく重要なんだ。それから目標を持つ。

 

「俺が本当にやりたい事って何なんだろう?」って、
毎日自分の心の中心に向かって質問する事さ。本当に好きな事をやって好きな事ばっかりやってるやつは絶対に若くて長生きできる。

船越)自分がやりたい事は人を楽しませる事だと言う加山さん。
人が楽しんでくれるから頑張れる。そして日々を楽しみながら自分を磨いていきたい。そんな風に思える77歳、素敵ですよね。

2014年10月09日新設