ゆうゆう料理

宮本)歯に衣着せぬ、それは若大将加山雄三さんの思っていることはズバリ言う。美味しいものは美味しい、美味しくないものは・・・。
普通、アナウンサーだったら美味しくないものでも・・・。

この頃正直に言わない人出てきたよ。よっぽど美味しくなかったら言いたくないんだよね。
例えば、どなたかが行って美味しくないと思われたらさ、「あっ加山雄三おかしいぞ」って思うじゃん。俺の味覚はそんなもんじゃないんだと思ってもらいたいと思ったわけ。
それでなきゃ料理番組なんかできませんよ。

宮本)今、料理番組という話が出ましたが、先々週から山瀬まみさんと一緒に「若大将のゆうゆう料理」というコーナーが。これ、私残念でした。一緒に料理番組やりたかった。
加山さんが手書きの大学ノートにレシピを書いておられるのを見て、
「先輩これいいですね、料理番組できませんかねえ?」、
「そりゃあいいね」って仰ったんです。当然私にオファーが来ると思ってたんです。

そんなこと言ったっけ?

宮本)仰いました。そしたらですね、私ビックラこきました。明日収録です。明日は何を?

え〜とね、ヌードル系からビックリするようなパスタ、シーフードパスタ。海産物を4種類ぐらい入れますけれど。出汁をボンゴレで取るんです。塩もあさりが持ってきた塩だけ、すんごい旨いですよ。多分、明日まみちゃんがびっくり仰天する。

宮本)まみちゃんが作っても旨いんですか?

味が変わったらおかしいよ、それ。

宮本)でもね、やっぱり火加減違うとか・・・。

同じようにやらせるから。彼女は料理やってるのは、手つき見りゃあわかる。料理が好きだって。それが一番大事なんだよ。

宮本)これまでの料理番組と違ってですね、ほんとに加山さんがすごいなと思うのは一ひねり、二ひねりあるんですね。しかも食材もなかなか手が届かないものじゃなくてそんじょそこらにある、例えば昆布だしとかね。

はっはっはは。昆布だしっていうのは、俺九州にはないかと思ってたけど売ってた。
シマヤの旨い。

宮本)あのシマヤの!?

ツアー中にホテルに泊まったらコンビニでおにぎり買って。セブンイレブンのおにぎりあるでしょ?鮭のおにぎり二つ買ってくるんだよ。お湯を持ってきてもらってお茶漬けにするんだけど、そこに昆布だしをちょっと入れると、ものすごく美味しくなるんだよ。
ちょっとした工夫で。千円以下で晩飯が食えるんだよ。

宮本)それを紹介されるんですか?

それはやらないだろ。お昼に作ってみたくなるものをやってるわけで。
放送の終わりに来週の料理はこういう食材を用意しておいてくださいと言っておいてもらって。タコだとかホタルイカだとか。

宮本)ホタルイカは季節があるんですけど。

いや、売ってます。ちゃんとボイルしたやつが。昨日も夜中の12時まで新曲のレコーディングやってて腹減る、たまたまニューヨークから娘が仕事で帰ってきてて、シーフードパスタを食べさせて、美味しいって言わせてるわけ。
あとはね、カレーうどん。簡単に作れて旨い。あとは鮭缶を使ったパスタ。シーチキンを使ったのはよくあるけど。鮭でやったらどうかと思ってアレンジしてやってみたら旨いんだ、これが。これをさらにアレンジしたのがうちの息子。卵の黄身を乗っけりゃあいいんだって。やつが船で作ったら美味しかった。
俺は、黄身じゃなくてポーチドエッグで。ポーチドエッグわかります?。

宮本)あの〜・・・。逆なんでしょ?白身と黄身があって黄身が柔らかくって・・・。

お湯の中で白身を固めるためにお酢をいれるんだけど、お酢の量が大切なんです。お酢が卵をまん丸くする。エッグベネディクトにも使うけどね。もう一つ何かあったけど・・・。
来月まで考えてるからね。ハンバーグを作るのが面倒くさくなって・・・、バラハンだ。これはものすごく子どもたちに好評なんですよ。それが残ったら翌日それにゆで卵をみじん切りにして混ぜてマヨネーズ入れてペーストを作る。トーストにのっけて食べる。ものすごい旨い。

宮本)捨てることはないんですね。

ない。アサリで出汁を取るでしょ。そのあさりは時雨煮を作る。無駄なものがなんにも出ないように調理してる。
茅ヶ崎に居る頃、烏帽子岩でサザエを獲りたいだけ獲ってきたんだよ。南京袋っていうでかい袋があってあれに3杯、昔はいくら獲っても良かったんです。お袋がね、
「あんた馬鹿だね、こんなに獲ってきてどうすんだよ。」
「親戚に配ったらいいじゃんよ」
「誰がこんなのの料理出来るかい みんな面倒臭がってやらないよ あんた処理しな!」
犬のえさを作るでっかいお釜でお湯を沸かしてさざえの佃煮を作った。ところがそれがものすごく美味しくできた。味を濃くし過ぎないこと。お袋の晩酌のおかずに出したら、

「すごいね、これ美味しいね」
「いくらでもあるからよ」、親戚中に配って歩いたら、もうちょっと頂戴ですね。
そのころから佃煮の作り方やいろんなこと覚えてさ。あさりの出汁を取った残りがおかずになりつまみになり、そこまでやっぱ考えているんだね。
そうすると料理っていうものは、どれがどうなってこうなる、すべてがわかってくると幅がどんどん広くなってくる。無駄が出なくなる。それが一番大切なことですね。

宮本)料理と言うのは、ことわり(理)をはかる。理論をはかる、それが料理。

ことわりをはかる!?へ〜え!?

宮本)頭の中で構築されてるわけですよ。ただものじゃないんですよ。
この方は科学者でもあるんです。

ほんと良く喋るね、本当に。

2015年05月07日新設