トークその2(英語曲〜ザ・ビートルズ)

作曲と言うのは全然別の感じで、作ってたんです。ピアノの曲として作ってたのが多い。

おじさん)「夜空の星」は、完全にエレキサウンドなのに、ピアノなんですね。

ピアノの練習曲、バイエルだよ。ソナチネもやったし、チェルニーもやったしハノンもやったけど、
結局バイエルのを作ったというのはメロディアスだったということ。そのあと「恋は紅いバラ」を
大学の2年生か3年生の時ですよ。これは「DEDICATED」という英語の曲なんですけど。

おじさん)先に映画で?

「ハワイの若大将」ね。プロデューサーの藤本真澄さんが「英語なんかダメだよ」って言ってる
のに、ハワイだから良いじゃないですかって。居ないから英語で歌っちゃえって。

おじさん)次の「海の若大将」で、日本語で歌ってましたね?

それは(「恋は紅いバラ」を)レコーディングしたから。

おじさん)「ハワイの若大将」から、自分で作った曲があるんだってことになったんですね。

渡辺 晋さんも関わってたっから、それからは若大将シリーズの中に自分で作った曲を入れて
もらえることになった。

おじさん)「エレキの若大将」以降、加山さんの曲しか、入らないですよね。

それが嬉しかったのとね、今、考えたら有難い話でね。あの若大将という映画はね、僕のPV
(プロモーションビデオ)でしょ、あれっ。あんな凄いPVは無いよ。
すごいヒット曲が増えちゃって。

おじさん)しかも映像付きでいろんなところにかりだされるわけですね。普段からエレキを弾いて
     おられて、それで若いってこともあるんじゃないですか?

指を動かすことは良いんだってよ。考えてみたら陶芸とか、絵を描くとか、ピアノとか全部良い
ことばっかり俺はやってる。

おじさん)どこからエレキギターになったんですか?

それはね、カントリーではソロを箱式のエレキでやってた。誰かから借りて弾いてた。プレスリー
になると結構難しいんだよな。ブルースをやる時に、チョーキングというのがわからなくてさ、
すごい苦労してた。やがてこの世界に入って、ベンチャーズと共演した時に彼らの演奏を見たら、
髪の毛のような細い弦だった。これだったら誰だって出来るよって思った。ライトゲージという
のを初めて知って、それからは随分楽になって。その代わりすぐに狂うから、じゃじゃ馬娘みたい
だって。ピッチがすぐに悪くなっちゃう。

おじさん)「ブラック・サンド・ビーチ」を作られたのは、ベンチャーズを聴かれて?

もちろんベンチャーズのコピーから始まって「ウォークドントラン」何かもやってて。役者に
なってから作った。

おじさん)加山さんはビートルズと会ってらっしゃるじゃないですか、断られたんですか、
     最初?加山さんが。

断ったわけじゃないけど、ビートルズが来ますけど、お会いになりますか?って聞かれた時に、
いや別にって。俺はエルヴィス・プレスリーオンリーだったから馴染めない感じがしてたんだ。
ウチに帰ってお婆ちゃんに聞いたんだ。お婆ちゃん、ビートルズって知ってる?って。髪の毛の
長い4人の男たちだろ?良く知ってるな。それがどうしたい?って言うから日本へ来るんだけど、
会いますか?って聞かれて俺、いや別にって言ったんだけど。馬鹿だね、あんた。会いなよ!
将来役に立つから会いな!って。で、東芝へ電話して。

おじさん)上原謙さんのお母さんですか?、小桜葉子さんのお母さんですか?

お袋の方のお母さん。それで東芝へ電話して、やっぱり会いに行くわ!って。キャピタル東急の
10階全部占領してるから、エレバーターは停まらない。行くには従業員が料理運ぶ階段だけしか
ないけど、そこはお巡りさんがガードマンしている。どうしようかなと思ったけど、ああご苦労
さんって敬礼したら、ああどうもご苦労様ですって。だから、こういう時は顔が知れてるっていう
のは良いなあと。後々そう思った。行ったらウエルカム、ウエルカムでビックリしたけど。

おじさん)機嫌良かったんですか?

機嫌が良いのなんのってね、一番最初握手したのがリンゴ・スター。いきなりハ〜イ!って、すぐに
握手してくれた。随分顔がちっちゃな人だけどデカイなと思って足元見たら高下駄履いてるの。

おじさん)日本の高下駄ですか?

誰かからもらったんだね。それで、話しtれる時に横から手を取って握手してくれたのがポール
だった。中へ入っていったんだけど、彼らが話しているんだけど、良くわからないんだ。彼らしか
知らないようなことばかり話してるんだ。そしたらポールがすまないなって。気遣ってるんだね。
これは実はこういうことだって。

おじさん)説明してくれたんですか?

そう、気を悪くしないでくれみたいなのを。良いやつだなあと、それ以来ポールのこと、ファンに
なって。フレンドリーっていうのは良いなあって思って。そのうちに飯を食おうぜってなって。
何を食うかってなって。スキヤキって。あっという間にすき焼きが出てきたんだけど、ボーイさん
は、すぐ帰らせて、どうするんだと思っていたらボーイさんが、加山さん、すき焼き屋さんの息子
さんでしたよね?って。俺やるよって。

おじさん)えっ〜、加山さん作られたんですか?

(彼ら)箸が全然使えないんだよ。1本の箸で肉をぶっ刺して食べてんだ。ジョン・レノンに
至っては椅子をどけちゃって、テーブルに顎を乗っけて正座して食べ始めたから、それはマナーと
して良くないんだって言ったら、俺は今、日本人の気持ちを味わってるんだからって。やっぱり
日本が好きだったのかなと。今、すき焼きといったら僕はタレを自分で作りますからね。結構、
すき焼き屋の倅になったですよ。

 

期間限定で、加山さんの言葉の音源を掲載いたします。(掲載終了しました)

 

終わり

2017年06月01日新設