なあんかさ、サンフランシスコの港よりすげぇなあって感じだね、東京湾は。景色はどこいっても
いいところが多いね。
堀内)僕最初に船の名前を覚えたの、光進丸です。親から教えてもらいました。
加山雄三さん、いろんな趣味があって有名な方ですけど。スキューバやスキー、いろんなことを
やってきた人ですけど、ずっと船は乗ってるわけですもんね。よっぽど船が良いんでしょうねえ。
今お話をちょっと聞いただけでも、すぅっとその世界に連れて行かれまして。
まだまだ聞きたいということで続きがございます。
スタッフ)船を好きになるきっかけは?
住んでる所が茅ヶ崎というところで、何にもない時代、海いきゃ幸せがあるってなもんだ。
沖に烏帽子岩があってあの島いってみてぇな〜ってそれには船がいるしな〜って。漁船にのっかって
おじさんに連れられて釣りに行った時に「おし、絶対俺は自分の船つくっていくぞ! 」って思って
中学2年の時に、はじめて自分で乗れるのを作って、初めて漕ぎ出して島に上陸したときは感激し
ちゃって。それが今まで66年間続いてるだけの話だね。
スタッフ)一番印象に残ってるのは?
最初の光進丸で台風に遭遇したことだな。7m以上の波。普段1時間半でつくところを8時間半かかった。
よくぞ、生きて還ったって迎えられたことがあった。怖かったね〜。船員が6人、俺を入れて6人だけ
どね。5人の命は俺の腕にかかってるって思った時にちょっと足が震えたね。とにかく昔の船だから
自動操舵もないし、羅針盤ひとつだよ。羅針盤が揺れに揺れちゃってどっちの方向かわかんないから、
2時に出てるのに普段だったら3時半についてるのに真っ暗になちゃって。灯台を頼りに、やっと
江の島の灯台が見えたときは、ジ〜ンときて、おーい!みんなでてこーい!って。
うわぁ〜還ってきた!〜って。昔は携帯も無ければ船舶電話も二代目だから、積んだのは。
漁師みんなに見送られた、みんな今生の別れみたいさ、だから大自然は怖いです。っていう気持ちは
絶対に必要です。恐怖を持たなきゃダメだなあ。そうすると人間ってそれに備える心が生まれるんだなあ。
それを上手く乗り越えられたなら、勉強しよう、それだけの知識が増えるということだけどね。
「光進丸」(BGM)
スタッフ)船はどんな存在?
永遠の大事なパートナーだね。今の船で23隻目だからね。ほとんど自分で設計して、ここをどうしよう
とか部屋の割とか、他人の船まで3隻作ってるね。だんだんだんだん大きな船が欲しくなってくるんだ
よな。どんなに大きな船でも波には揺れるわな。ものすごい揺れる。だから大時化の海には出ないこと。
怖いものみたさってあんじゃん。人生に良く似てるんだよ、航海は。
堀内)やっぱりカッコ良いですよね、加山雄三さん。
ずっと第一線で活躍されている加山雄三さんですけど、最近はリミックスアルバムだったり、
昨日も「Respect KAYAMA YUZO」というトリビュートアルバムが出たばっかりです。
今、かかっているのは「光進丸」。まさにその船の名前ですけど、加山さんのリクエストの曲、
思いの詰まった曲です。 |