二人だけの海&幻のアマリリア   
&ある日渚に&大空の彼方

(BGM 二人だけの海)

田家)流れていますのは67年のシングル「二人だけの海」。
   一緒に歌いたくなる曲ばっかりですもんね。

そうですか!?ありがとうございます。

田家)これはワイルドワンズが一緒に?

そうです。この頃からワイルドワンズが出てくるんですけど、バックコーラスは「旅人よ」から
始まっているんですよね。この「二人だけの海」は、ザ・ロネッツの「ビー・ マイ・ベイビー」
のリズムが面白くてこういうリズムでやろうって、乗っけたのがこれです。

田家)加瀬さんが仰ってたんですけど。加山さんのお宅はカステラを牛乳かけて丼で食べてる。

小さい時、身体が弱かった時期があったんですけど、何か食べさせなくてはいけないと、お袋が
工夫して栄養があるだろうということで。それで味を覚えちゃって。

田家)当時はカステラは貴重で。

それがほんとに美味しかったんで、80(歳)になった今でも、カステラに牛乳かけて食ってるん
ですよ。4回目の成人式を迎えた男がやるかね!?って。でもね本当に美味しいですよ、カステラ
って。船で長持ちさせるために冷凍させたんですよ。固くなるんだけど、やっと包丁が入る固い
やつに、生クリームにちょっと砂糖を入れてホイップクリーム作ってそれに甘っぽいシェリーを
入れて香りを付けたのをかけて食ったらものすごい美味い!カントリークロップスの連中が来た
時には、必ずあれを食いたいって言いますよ。

田家)そういうお宅でありました。それでは67年のシングルです。「幻のアマリリア」。

「幻のアマリリア」

田家)この「幻のアマリリア」は「ゴー!ゴー!若大将」の主題歌で、演奏がハプニングスフォー。
   GSですよね?
(注:GS=グループサウンズ)

多分バンドさんとやった最初だと思います。ブルージーンズとかワイルドワンズがバックとか
やってても、アレンジもバックもしてもらったのは初めてだったと思うな。

田家)GSについては?

ブームですよ。リズム的にいえば外国から入ってきたポップス系なんだけど独特の雰囲気の日本
生まれのポップスという感じだなと僕は思ってましたねえ。

田家)好意的に?

好意的ですよ。ただ、向こうのロックを日本語で歌ったのは全然興味無いですけど。オリジナルで
日本で生まれてきたのはすげえいいいなあと思ったしね。ブルーシャトーとかね、ものすげえ
いいなあと思って。時々ワンズが昔のポップスを歌ってるんですよね。いいんだな、これが!
懐かしいな、ほんとにいい曲いっぱいあるんだなと思ったですね。

田家)お聴きいただきましたのは「幻のアマリリア」でした。

「ある日渚に」

田家)68年のシングル「ある日渚に」、これは「リオの若大将」の主題歌で、30歳だったんですね
   この時。学生服が似合わないというんで、大学を卒業した設定にしたという?

それも藤本さんがお考えになったんですね。

田家)これも弾厚作作詞作曲で森岡賢一郎さんです。音楽の師匠というのはいらっしゃらなかった
   感じですね?

そうですよ。だって最初は全然知らないのに勝手に作っちゃったんでね。師と仰ぐような人と
出くわすチャンスが無かったんですよね。住んでたところが茅ヶ崎ということもあって。この
「ある日渚に」は、リオにロケ行っててロケ現場で監督がこの映画の主題歌あるんだろうな?
無いですよ。ダメだよ、ここで歌うんだから。明後日撮るから作れ!ギターがあったんで撮影が
終わってから浜辺へ出て行って、波が打ち寄せているところで作ったんですよ。

田家)これもほんとに自然体で!?

ええ、やむを得ず。苦しみながら作ったらろくな曲にならないぞって思ってたけれど結果的には
いい曲になっちゃったんですよね。最初のメジャーセブンという音。ああいう風にいきなり行く
のは珍しいとか森岡さんに言われて褒められましたよ。

田家)そういうのを才能と言うんでしょね。そうやって海で生まれた歌もあれば、次は空の歌で
   あります。69年のシングル「大空の彼方」。

「大空の彼方」

田家)これは1969年の「ニュージーランドの若大将」の挿入歌。そろそろいろんなことが加山さん
の中でも変わり始めた頃でしょうか?

70年のちょっと前ですよね。70年に僕は結婚してますから結婚直前の年ですよね。

田家)そろそろ若大将はいいかなあ?という気もおありになった?

そうですね。最終的には17作で終わりですから。

田家)60年代の終わりはいろんな意味でタイミングが重なったのかもしれません。
   お聴きいただきましたのは「大空の彼方」でした。

ここまでを期間限定で音源を掲載いたします。(掲載終了しました)

 

2017年08月24日新設