黒澤監督をおもてなしした、思い出の加山家のご馳走。奥さまの真心に満ちた料理の数々が
並ぶ。海の幸、山の幸を蒸したほうろく焼き。黒澤監督が絶賛したという牛のたたき。
ゆず味噌で、いただく豆腐のゆず蒸し。加山さんは満足してくれるか！？

金子）お待たせいたしました！

いやあ、すごいねえ！

金子）加山家のご馳走でございます。

ありがとうございます。

原口）蓋、開けますよ、加山さん。

立派なもんじゃないの！これですよ。

原口）加山さん、何か気付きませんか？

これ、家にあるのと同じ入れ物。よく見つけたね。
これ、今、無いんだよな。

原口）実は、借りてきたんですよ。

家からか？

原口）すいません。

これも見たことあるな。

原口）その皿も、そうなんです。

どうりで、収まってるじゃないの！？
そうでしょう！？

いただきます！いやあ、すごいね、大したもんだな。まず、この海老をな。少し塩味が付いて
ればいいんだけどね。うん、ちゃんと塩味、付いてる。酒の中漬けてある、ちゃんと。
旨いねえ！この味です。

金子、原口）ありがとうございます！

ほんとに味、出てる、よくやった！この魚、何？

金子）鯛です。

鯛！？塩味、足りねえ！あとは、たたきだねえ。このタレが我が家の独特のタレなんだ。
旨い！こりゃ、旨いじゃないですか！？

吉田）タレが美味しいですね！

西村）ご飯はいかがですかね？

旨い、これ炊き方いいね！俺はね、米にはうるさいんだよ、炊き方にうるさいの！？
うめえな、これ。

吉田）奥様、素晴らしいですね。このお料理をおひとりで！？

まあ、特別なお客様が来るときだけよ！？滅多に食え
ないし、俺なんか、この通りのセッティングで、25年
ぶりぐらいかな？

黒澤監督をね、家でお話を聞きたいし、お礼を兼ねて
ご馳走したいんですと言ったら、和食が、肉が好き
だって。和食で肉と言ったら「たたき」しか無いなと
思ってさ。
カミさんに、腕振るえるか？って言ったら、やって
みるわ！？頑張ります！って。それで、これが出来
たんです。ほんとに喜んでくださってね。ニコニコ
してね、いろんな話をしてくれて、朝５時まで！
嬉しかった
ねえ！

僕は黒澤明監督に出会ってなかったら、今、
ここに居ない！この世界に残ろうと思ったきっかけ
というのは、黒澤さんとの出会いです！

（映画）２本しか付き合っていないけどね。「椿
三十郎」で９人の若侍１っていうのに出て、噂では、
黒澤監督は怖いぞって。みんなに脅かされるわけさ。
俺も相当覚悟はしてたんだけど。会ったら、すごく
優しいわけ。
加山、お前は真っ白で来ればいいからな。余計なこと
は考えなくていい。つまり、白紙で来い。それで、
俺、安心しちゃって、もう何も考えないでいこうと。
ほんとに怒られそうなこと、何度もやったんです。

誰かが、お芝居が引っかかちゃって、その日は、それだけで終わちゃった。翌日も同じシーン。
３日間同じシーン。座ってると眠くて眠くて、だんだん話がとぉ〜くなって。うっと突かれて、
どうした！？って思ったら、シ〜ンとしてて。助監督が近寄ってきて、加山おまえ、今寝てたろ？
ああ、寝てた！？そしたら黒澤さんがすっくと立ち上がった。ああ、やっべえ！絶対、ボカーン
ってやられると思っていたら、加山、眠いのか？はい、眠いです。加山のために30分休憩！
外行って寝てこい！てなって、解散しちゃって。お前はほんとに可愛いがられてるな、って
言われながら、日向ぼっこしながら、さあ寝ようと思っても寝られないよ、やっぱり。

ここまでを期間限定で動画でご紹介します。

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（配信終了しました）

２０１７年０９月２８日新設