森田健作 青春スピリッツ!速報  
(BAYFM 8月6日 09:00〜09:30)      

 8月6日に放送されたBAYFM「森田健作 青春スピリッツ!」に
 加山さんがゲスト出演された内容をレポートします。

小野)きょうのゲストは海が大好き。なんと、14歳でカヌーの設計をされたというこの方です。

森田)すごいですよね。きょうのゲストは先週に引き続き加山雄三さんです。おはようございます、
   加山さん。よろしくお願いします。

おはようございます。呼んでいただいてありがとうございます。

小野)きょうは加山さんが大好きだという海のお話から伺ってまいりたいと思います。14歳で
   カヌーの設計をされたと伺ったんですが?

そう、最初に仰ったけど、設計だけじゃなくて、手作りです。作ったんです。

小野)うは〜っ!

材木屋さんから四分板(しぶいた)というのを買ってきて、角材を何本か買ってきて。自分で。
スケッチ的な設計図にしたがって、その通り作って。水が漏らないようにするには、どうすれば
いいか?シーツを破いて、ラッカーを塗って板と板の間に張り付けて。その上から塗装して
仕上げたら一滴も水が漏らないし、一人乗りのつもりが3人乗っても平気だった。非常に不思議な
形をしているカヌーで、未だにそんな形をしたカヌーが無い。だけど、それは茅ヶ崎の波に
強かった。体感から生まれた自然の設計図だった。それで上手くいって烏帽子岩まで行っちゃったら
船が滅茶苦茶好きになって現在の船に至るまで23隻も設計して作ってきた、馬鹿ですね。

小野)すごいですね、そもそも、なぜ作ろうと思ったんですか?

烏帽子岩という島に行きたくて。

小野)他にも方法はありますよね?

漁船で行けるけど、漁船はお金を払わないと乗れないから。自分で作っちゃおうって。塗料と材木、
全部で2500円だった。2隻目の船がミュージアムに置いてあります。証拠物件があります!写真も
残ってます。今の船は23隻目なんだけど、光進丸という船になってからは3隻目なんです。最初の
光進丸は昭和39年に進水してるのね。オリンピックの年なんですよ。なぜかっていうと、
オリンピックヨットハーバーが解放された9月1日に1号艇として、光進丸が江ノ島に入ったんです。
忘れもしないです。

小野)ご自身で作られた船で、海に出るというのはどんな気分ですか?

島に上がってさ、陸地見た時に、考え方が変わってくるんだよね。自分の存在を客観的に見る思考に
どんどん変わってくるんだよね。この海はカリフォルニアにもつながっているし、どこまででも海は
繋がっているんだと思うとさ、へ〜えと思うじゃない!?それを話していたら、あんたね、それは
私が、貴方が私のお腹の中に居る時に、港を見ながらこの海のように広い心を持った子どもになれ!
それを念じながら、あんた、生まれたんだよ。胎教だよ!

小野)海に教えられたこと、学んだことは何ですか?

自然を侮ってはいけないし、安全は自分で守らなければいけない。それほど、海は怖い。大自然は
怖いと思うぐらいの気持ちを持たなければいけない。それが学んだこと。台風の中を無理して走って
きて、死ぬか、生きるか、やってきたから。足が震えるほどの思いをしたんです。
忘れもしない台風28号です。初代光進丸が出来てすぐだから昭和40年ぐらいだね。7mぐらいの波に
なっちゃってさ。頂上にいくと叩きつけられるように落ちる。水面から2mぐらい真っ白なんだ。
水面が見えないんだ。

小野)怖い。

パ−フェクトストームっていう映画があったじゃん。あんなに酷くは無いけど。ああいう感じ
なんだよね。一緒に乗っていたのが6人居たけど4人倒れて使いもんにならない。2人で操船した
けど普段1時間半で着くところを8時間半かかったよ。2度と危険なことはって。だんだんだんだん
ケアフルになってくる。経験を積むに従って、石橋を叩いて渡るようになる。

森田)よく助かりましたね

船の灯を全部点けて港に入ったら、岸壁に40人くらい居るわけだよ。

森田)やっぱり自然を舐めちゃいけませんね

ほんとにその通り!そういうことを学んだのが海。だから人生は航海と同じだなと思った。あとで
後悔しないような航海をしなさい!

小野)それではここで曲を。「海 その愛」を。詞は岩谷時子さんが書かれました。
   加山さんにとって岩谷さんとはどんな存在ですか?

149曲も書いてくださっているんで、あの方が居なかったら、僕は今、ありません。
「君といつまでも」も無ければ「海 その愛」も無ければ「お嫁においで」も無ければ、もう何も
無い。「旅人よ」も無いんですよ。
彼女と出会ったことで、先日、岩谷時子賞大賞をいただきました。ありがとうございます。天にいる
岩谷時子さんに、手を合わせていただきましたよ〜。よかったじゃない!?って一言聴こえたんだな!

小野)それでは加山雄三さんから曲紹介をお願いいたします。

加山雄三、「海 その愛」。

「海 その愛」

ここまでを期間限定で音源を掲載いたします。(掲載終了しました)

 

小野)お送りしたのは「海 その愛」でした。
   さて、ここからはおばあさまのお話を伺ってまいりたいと思います。加山さんは高校背の時に
   お祖母さまの勧めで、神奈川県南足柄市の禅宗のお寺、大雄山最乗寺で座禅を組まれたことが
   あるんですね?

お祖母ちゃんは30年間この山にお参りしてる人なんですね。僕は高校の時に、お坊さんになろうと
思ったんです。

小野)えっ、ほんとですか?

生きているって何なんだろう?とか、生まれて来た意味って何なんだろう?とか。そんなこと
ばっかり考えてる変なガキだったんですよ。中学校までは、ちゃんと頭の毛は伸びていたんだけど
高校の時に丸坊主にして、夏休みになるとお祖母ちゃんに付いて行って8日間座禅を組んだんです。
修業したんですね。3年間ずっと続けたんだけど。お坊さんの修業と言うのは、無心になる時は、
寝てる。すると叩かれる。完全無我の境地というのは、わからないなと。普通の世の中の方が
よっぽど修業になるんじゃないかと思い始めたら、大学に入ってお坊さんの道は諦めた。人間とか
人生とか精神とか魂とかそういう話に夢中になった。哲学的なこと、心理学的なことが好きで、
お祖母ちゃん家に行くと、標語が飾ってあって。「荷が重いのではない 自分のちからが足りない
のだ」とか「享楽からは失うことが多く 苦しみからは得ることが多い」とかかかってるの。
だけどさ、自分のちからが足りないって言ったって、1トン半は重いべよ。そういう荷じゃないよ
というような話をするのが好きだった。

小野)加山雄三さんの芸名は、お祖母様が名付け親とか?

お祖母ちゃんが縁起のいい名前を付けるところを知っていて、お金を払ってもらってくるのね。
5つぐらいきた中に、加山雄三が入ってて。字画数が少ないのがいいんじゃないかなと。サインする
のに字画が少ない方がいいもんなと。

小野)そんな理由だったんですか?

余り聞いたことがない名前だし、いいんじゃないの?みたいな話で。

森田)お祖母さまってハイカラな感じですね。

早くから女優のはしくれとして、ウチのお袋が子どもの時から大部屋女優として生活をたてていた
というぐらいで。岩倉へ嫁いだんですけど、若くして子供を抱えて別れちゃったから、働かなくちゃ
ならなかった。最中屋さんをやったりいろんなことをやりながら。子どもが7人もいたんだ。長女が
私のお袋だっただけど。そういうこともあって。お袋は大きくなってから上原謙に出会って、どう
いうわけか、俺が生まれた。

森田)若大将シリーズは飯田蝶子さんがお祖母ちゃん役でしたね。あんなような感じだったんですか?

そうです。似てるの、感じがね。

森田)若大将との会話がすごくいい感じなんですよ

クリスマスにお祖母ちゃん家行くと、めざし3本とビールに卵入れて、それ飲みながら晩飯だって。
俺、初任給もらったから、お祖母ちゃん、これ、あげるよって、お金を持っていった。そういう
つき合いなんだね。高校時代からの心の支えというか、人生の師みたいなところもあるわけよ。
それが結局、プロデューサーに伝わって、そういう感じにしたんだと思う。だから、お祖母ちゃん子
というかね。

小野)若い時に座禅をした体験と言うのは、あとから役に立ったことは、ありますか?

役に立ったことは、お坊さんにならなくてすんだこと。すんだことという言い方は変だけど、現実の
社会の方がほんとに苦しみは多かった。修業のような苦しさはね、いろんなことを与えられて。
でも、それで絶対に逃げないことの大切さ、自分自身が居るから起きたんであって、それを全部
受け止めて、それを乗り越えるだけの心の強さを持たない限り絶対に役に立たない。乗り越える
ことが出来たら、ちからが自分自身の心に付くんじゃないかと。だから天に向かって、いつも感謝
だよ。神様がどこに居るとか、そういうことじゃなくて、我々よりも優れた存在と言うのが絶対
あるんじゃないかと。学者さんが”神”と言う言葉を使わないで”Something Great”って言うん
ですよ。何か偉大な存在。僕もそう思うのね。自然が先で、我々はあとから生まれているから、
自然に対する感謝の気持ちとか、存在そのものに感謝するとか。与えられた苦難を乗り越えることが
人生の役割だと。と言う風にだんだんなってきたら自分自身の心と言うのは強くなると思う。心を
船の大きさに例えることがあって、小さい船だと、ちっちゃい波で大騒ぎするじゃん。大きな船に
なると全然大丈夫だよ。ところがその大きな船も、大きな波が来ると揺れるわな。だから心という
のは大きくなるにしたがって、小さな困難を乗り越えるだけの安定した心の在り方を身に着けられる。
これはお試しだよとお祖母ちゃんに言われた。何でも試させるんだよ。あんたが出来るか出来ないか
によって、それが器になるんだよ。お祖母ちゃんもいいこと言ってたんだよね。だからそれを守って
今の俺がある。

森田)私もなるほどと思って。結果というのは次への何か意味をしていますよね。だから結果だけに
   右往左往するんじゃなくて・・・。

一つ一つ自分の心の在り方一つで乗り越えていける。

森田)ほんとですよね、心の持ち方ですよね

アリストテレスの言葉でね、”運命は性格なり”、自分の運命は自分の性格が決める。
マザー・テレサさんはね、思考に気をつけなさい。やがてそれは言葉になって出る。言葉に気を
つけなさい。やがてそれは習慣になるから。習慣に気をつけなさい。やがてそれはあなたの性格に
なるから。性格に気をつけなさい。やがてそれはあなたの運命になるから。そういうことを
言ったんですよ。

森田)素晴らしい人というのは素晴らしいこと、言うもんだなあ!

賢人が言った言葉をただ黙って聞き流すんじゃなくて、自分の人生と照らし合わせるとね、こういう
ことなのかも知れないなと発見することに生きている意味があると思う。だから書物は読んだ方が
いいし、参考になることには耳を傾ける。聞く耳を持たなければいけない。”人生の3カン王”って
いつも言うんだけど。関心を持つ心をいくつになっても持っていなきゃいけない。感動する心を
失ってはいけない。最後に感謝。これを”人生の3カン王”と言った方がいらっしゃる。これ、
使ってもいいですか?って聞くとああいいですよ、嬉しいですって。今でも思いながら。

森田)森田健作、青春スピリッツ!お相手は私、森田健作と

加山雄三と。

小野)小野真弓でした。

お元気で!。

ここまでを期間限定で音源を掲載いたします。(掲載終了しました)

 

2017年11月02日新設