ＢＳ朝日の「ザ・ドキュメンタリー」（黒澤監督と三船敏郎の
　特番）の中で、加山さんのコメントがVTRで放送されました。

　番組中盤では、お二人とのエピソードを。そして終盤では
　「赤ひげ」以降、起用されなかったことについてお話されました。

黒澤と三船の伝説を俳優・加山雄三もまた間近で見てきました。

スタッフ）この中で「椿三十郎」とか「赤ひげ」を・・・。

どこのセットで撮影したか覚えてないよ。まあデカイとこ、使ったと思うんだ。

加山はデビュー翌年、24歳の時に「椿三十郎」、27歳で「赤ひげ」と黒澤映画
２作品に出演しています。

一番最初っから、チョンマゲ結って、羽織袴
履いて、本身の刀差して。それから本の読み
合わせでスタートですから。撮影所の中、
その格好で歩いてろ。本身の刀を差してると
重いでしょ？歩き方も、避けようとするとか
帯も傾いてくるとか。そういうのを実感
として覚えるのが大事なんだよって。
「椿三十郎」で御殿場のロケに行った時に
直径４ｃｍぐらいのブッシュが生えている
ところで、本身の刀、抜いてさ、スパーン
と切ったらさ、上手い事切れた！
良く切れるなと思って２，３本切ってた。
古道具さんがすっ飛んできて、馬鹿野郎！
お前、何やってるんだ！刃こぼれ起こしたら
どうするんだ！

あっ、ってしまってたら、後ろから黒澤さんがすっ飛んできたから、あ〜あ、今度は怒られるな
と思ったら、その小道具さんの頭をこうやって。余計なこと、するな！そうやって覚えてるんじゃ
ないか！って。小道具さんが起こられちゃって。

加山が三船の俳優としての姿勢を垣間見たのは、ロケ先の町で二人でひっくり返るまで酒を飲み
明け方になって土砂降りの中、やっと宿に辿りついた時。

ちょっと寝たかなと思ったら
加山君、加山君って、演技課の人が。
何だよ？
支度して待機だよ。
もうちょっと寝かしてお願いします。
じゃあと30分な。
それが、ほんの２，３分っていう感じで。
降りてって。もうこんな雨降ってるのに。
ブツブツ言いながら、タオル持って洗面所に
行って、向こう側の食堂をよ〜く見たら、
三船さんがチョンマゲ結ってね、飯食って
るんだよ。
なんだ、この人は！？あんなにひっくり
返ってたのに、もうなんともないのか！？

ちょっと異常じゃないかと思ったのが三船さんの印象です。はっはっは。
ほんとにすごい人でした。

なぜ、黒澤は三船を起用しなくなったのか？
俳優、加山雄三もまた、「赤ひげ」以降、黒澤から起用されなくなったという点で三船と
同じ境遇をたどっています。

どうしてだろうなと思ってたんですが、
やっぱり若大将があんなに受けまくって
あっちこっちで歌は歌う。そのイメージが
定着する。それが黒澤先生としては、もう
使えないなと思われたと思うんですよ。
イメージが違うんでね。それは私としても
やむを得ないことだと。

その辺歩いてた時に、黒澤さんにバッタリ
遭ったことがあるんですよ。
おう、加山。大きくなったなあ。
何を言ってるのかなと思ったんだけど。
テレビに殺されるなよと一言、言われた
んですよ。

テレビにたくさん出てることによって、君は大きくなったよと。だけど、それで、イメージが一つ
付いてしまったと意味してるんだろうなと思いましたよね。

ここまでを期間限定で動画でご紹介します。

下からどうぞ！
（動画配信終了しました）

２０１７年１１月１６日新設