冨澤一誠のAGE FREE MUSIC その1 
(JFN36局NET 12月4日 03:06〜03:22)      

 12月4日に放送された「ON THE PLANET 富澤一誠のAGE FREE MUSIC」に
 加山さんがゲスト出演された内容をレポートします。

○「加山雄三のすべて “幸せだなぁ"ベスト&レア音源集」について

冨澤)今夜のゲストは、この方です。

こんばんは、加山雄三です。

冨澤)加山さんとこういう形できちっと、お話させていただくのは初めてなんですよね。

そうですよね。どっかでは、お会いしてますよね。何かのパーティーとか。

冨澤)パーティーとか、加山さんの楽屋とかでご挨拶してます。きょうはよろしくお願いします。

お願いします。

冨澤)加山さんなんですが、私の家には、アルバムが数えきれないほど、あります。

嬉しいですねえ、ありがとうございます。

冨澤)今年は3月にオリジナル音源のリミックスアルバム「加山雄三の新世界」を出されて、
   4月にはですね、トップアーティストによるカバーアルバム「RESPECT KAYAMA YUZO」が
   リリースされたんですけれども。
   今回、ダメ押しのように「加山雄三のすべて “幸せだなぁ"ベスト&レア音源集」を。
   レアっていうのは、加山さんも相当(数)出されていますから、まだ残っていたのか?って。
   今回のレア音源なんですけれども、どんなところから出てきたんですか?

結局、カセットテープに残ってたやつとか、レコーディングしてるのに非売品だったりとかを
スタッフが見つけてきて、それを聞いてるうちに、これ珍しくない?っていう話になって勿体
ないから出しましょうよから始まって。集めたら数がいっぱいあったということですよ。

冨澤)DISC2に17曲。

そんなにあったか!?はっははっ。

冨澤)この中でフォノシートってソノシートってずっと言ってたんですね。そのフォノシートの
   音源を全部入ってきて、その他にサントラって書いてあるのは?

サウンドトラック盤ですよね。みんなカセットで音を録ったんでしょう。それが残ってた。

冨澤)カセットと書いてあったじゃないですか?ところがビックリ!?なんです。
すごい良い音なんです。カセットとは思えないんです。

普通のラジカセじゃなくて、いい音で録れるテープレコーダーを僕自身が持ってたんですね。
それで録った、しかもマイクを使わずにラインで録った。そういう録り方をするとカセットでも
結構いい音になる。

冨澤)マイクで録ると雑音が入ってしまいますね。

ラインでつなげると音源からそのまんまいい音でカセットに入る。

冨澤)相当前ですから、ラインで録るということ自体、ふつうの人じゃわからないですよ。

わからないですね。レコーディングに関しては、おそらく日本で一番最初だと思うんです。
ワイヤーレコーダーってご存知でしょ?それを僕が高校の時にウチの親父が手に入れてきたん
ですよ。それが原点ね。自分の声を録音して、俺、こんな声か!?それでギター弾きながら、
ピアノを弾きながら録音できるのが嬉しくてね。

冨澤)ほとんど無いですよね。

現物は残ってます。私のミュージアムにあります。それを回してみたら、大学時代に歌った歌が
そのまんま入ってました。

冨澤)加山さんはそこに全部入れてたんですか?

そうです。その後にテープレコーダーが手に入ったからテープレコーダーにも。そしてピンポン
する多重録音。おそらく多重録音は最初でしょ。宅録、当時カリフォルニアではガレージ録音って
言ってね、流行ってた。家にガレージがあったんですよ。スピーカーで音を出すといいエコーが
かかる。それをラインで引いてきて、ひとつはそれ、ひとつはその場で演奏、分けてどっちを
ボリューム上げるかで、エコーの加減を出来る、すごいレコーディング技術を、高校、大学ぐらい
からやってるから。60年以上前ですよ。

冨澤)その時代でいうと、(レコーダーを)持ってる人も居ないわけですから、教えてくれる
   人も居ないわけだ。どこで、こういうことを?

自分で考えてね、やるのが楽しくってね。機械をいじくるのが大好きで。ワイヤーレコーダーは
逆回転させるとすごい面白い。相当なスピードで戻る音を消してないんですよ。ピアノをドーン、
ド−ンとだんだん早くしていって半音あげていって、逆回転するとカナ、カナ、カナ、カナ、って
ひぐらしの音になる。

冨澤)加山さんの音楽仲間でも持ってる人は居ない?

居ない、居ない、居ない。全然。だって世の中に無いんだから。みんな集まっちゃあ、面白い、
面白いになるわけじゃないですか。バンドがひとりでに出来たら、それをみんなで聴いて喜ぶ
とかね。ムキになって練習するじゃないですか?それがすごい良かったと。

冨澤)ずっと一つ疑問だったのが、加山さんが1965年、「君といつまでも」が売れましたよね。
   この段階では、まだGSの大ブームでは無いんですよね。バンドでね、なおかつ自分で曲を
   書いてた人は居ないじゃないですか。

居ない、居ない。居ないですよね。居ないことはないんです。大橋節夫さん。あの方は僕より先に
自分で作詞作曲してバンド持ってられてハワイアン系の軽音楽ですけど。やっておられました。

冨澤)今で言うJ-Rockの元になるとGSに行くんですけど、その前ですよね、加山さんは。

もちろんそうですよ。だってビートルズより先ですからね。

冨澤)それはすごいなあ!?そんな加山さんだからこそ、レアな音源という感じなんですけれども。
   インストゥルメンタルのフォノシートの「蒼い星くず」。これはいつ頃作られた曲ですか?

「蒼い星くず」はね、宝塚で多分、姿三四郎の撮影ぐらいの時代に宝塚ホテルの部屋でテープ
レコーダーを置いておいて、インストゥルメンタルで演奏して。二つ持ってたから、伴奏と
メロディー入れて、そこで作ってたんですよ。夜、窓を開けたら3つ星が見えたんですね。
それで「THREE BLUE STARS」としただけの話で。後々これに岩谷時子さんに詩を付けて
いただいたら「蒼い星くず」になった。

冨澤)元々は好きで、いい感じでやってて持ってた曲が後で詩が付いてヒット曲になっていった。
   今回、全部レア音源なんですが、特にレアなのが16曲目の「愛をこめて」(非売品)。
   どういうことなんでしょう?

だから売り出してない。レコードになってても売り出してない。なんでそうなったのか、良く
わかかりませんけれど。フェスピックというのがあったんですよ。この大会のテーマソングとして
頼まれて作ったんだと思うんです。

冨澤)スケールが大きいんですけれども、コンサートやライブの時に歌ったことはあるんですか?

ないです。歌ったかどうか忘れちゃった。

冨澤)ちょっと聴いてみましょうか?

ああいいですか!? 嬉しいなあ!?

冨澤)加山さん、曲紹介してください。

ぜひ聴いていただきたいと思いますけど、フェスピック神戸、1989年に出した曲ですけどね。
非売品の「愛をこめて」加山雄三です。

冨澤)今夜のゲストは加山雄三さんでした。明日も引き続きよろしくお願いします。

こちらこそ、よろしくお願いします。

○「愛をこめて」  

 終わり 

期間限定で加山さんのコメントを音源でご紹介します。

下の「AGE FREE MUSIC その1」をクリックしてください。
(6月下旬音源配信終了予定)

  AGE FREE MUSIC その1

2018年02月15日新設