「ウルトラヒットの道標 海 その愛」 
 (あさぼらけ ニッポン放送 4月19日 05:00〜6:00)

上柳)「ウルトラヒットの道標」、今回は加山雄三さんにお話を伺っております。
   
よろしくお願いします。

よろしくお願いいたします。

○光進丸の定員

上柳)なんてったって、船の設計図を描く人ですからね。何艘くらい船の設計をやったんですかね?

実際に作ったのは23隻。一番最後のは104トンですからね。

上柳)お客さん30人くらいでパーティーをやってる?

定員はね、動いたら18人ですけど。ベット数で決まるんですよ。

上柳)定員というのは、ベット数で決まるんですか?

漁船の場合の定員と、レジャーボートの定員と言うのは違うんですよね、基準が。小さい漁船で
40人乗っけて走ってる。船の検査の基準は、いろいろなのによって種類が違う。厳しいですよ。

○黒澤組の撮影

上柳)一番最初に海に浮かべたのは、1964年とかですが、どう見てもこの時は、黒澤明監督の
   「赤ひげ」の撮影の時に、いろんなことやってたのかな?と。

その前から設計図描いてね。黒澤組は、暇なんですよ。結構。

上柳)そうなんですか!?ものすごく厳しそうで。

リハから本番に入るまでは、ぶわぁ〜って、あるけれど。出番の無い時の暇なことったら、
ないですよ。「赤ひげ」は出番は多い方だったけど。黒澤さんに、海で泳ぐから黒くなるんです
けど、大丈夫ですかね?って聞いたら、ああいいよ!?、どうせ、白黒だから。

上柳)あの作品、モノクロですよね。

真黒になっても、それはつなぎで全部出来るよって。やった〜っ!って思って。

○黒澤監督からの言葉

上柳)黒澤明監督の映画に出るという緊張感は、あったんでしょうか?

全然。

上柳)ない!?ああそうですか!?

最初に会った時に、加山、お前は白紙でいいからな、って。はぁ!?って。劇団とかで、勉強して
引き出しをいっぱい持ってて、その引き出しの中から出されると俺はやりにくいんだという感じ
なんですよね。演じている人間に、自分がちゃんと教えて。自分なりの人間にしたい、と。そう
いうことだと思うんですよね。

上柳)余計なものを背負ってくるんじゃない!と。

そう!余計なこと、するな!と。

上柳)俺に染まってくれ!と。

だから、白紙で行きましたよ。本当にビックリしたのは最初からチョンマゲ着けて。いきなり着物
着せられて、本身の刀を身に着けて。それで撮影所の中を歩いていろって。

上柳)慣れろってことですよね。

本(台本)なんか読まなくていい!って言われて。いきなり読み合わせをしようと。正座をして
刀を抜いて右に置くんですよね。

上柳)三船さんも、やるんですか?

だんだん読んでいるうちに頭に入るんですよね。セリフはな、加山、思えば出るんだよ。人間は、
思って喋ってると思うと、そういうもんだと思うじゃないですか。

上柳)覚えたことを喋ってるわけじゃないだろう、と。思ったことを喋ってんだろ?と。

そういうところからも、てほどきですよ。ものすごい勉強になった。最初は「椿三十郎」から
ですよ。僕としては楽しい思い出ですね。一度も怒られたことがないんです。

上柳)そうだったんだ!?

珍しいって言われましたよ。

上柳)何回もNGを出して、何回もやったっていうエピソードをいっぱお聞きしますよ。

それは僕も聞いたんですけどね。ひどかったのは本番中に昼寝しちゃったんですよ、僕が。
本番で(カメラが)回ってるのを知らないで寝ちゃった。助監督が耳元でお前、今寝てたろ?
ああ、寝てたって言ったら、監督が立ち上がって、ツカツカツカって来たから、みんな今度
こそは、殴られるなと思って。覚悟してたら、加山、眠いのか?はい、眠いです。加山のために
30分休憩。外行って、寝てこい!って。

○「海 その愛」

○リスナーからのハガキ(省略)

上柳)じつはきょうは”光進丸”をかけようと思ってたんです。だけども、私達も加山雄三さんの
   気持ちを考えると、今は”光進丸”じゃないなあって。ちょっと思いました。
   昨日、”光進丸”がひっくり返って引き揚げられたという心傷むシーンがありましたんで。
   ”光進丸”は、またの機会にご紹介できればいいなあと思ってます。

ここまでの音源を期間限定で紹介します。

下の”ウルトラヒットの道標 「海 その愛」”をクリックしてください。
(9月下旬音源配信終了予定)

 ウルトラヒットの道標 
 「海 その愛」

2018年08月16日新設