武田)かながカッコよすぎるって、加山さんの話を。カッコいいんですよ。加山さん、話してくれたな。
大型のクルーザーを手に入れて、太平洋を横断したいんだって。その船には、女房を乗っけて、
二人で人生を祝いたい。それで、サンフランシスコに入っていって。甲板にジャグジーを引いて。
二人でジャグジーに浸かって。シャンパンで乾杯したい。カッコいい!!語る夢が豪華絢爛なん
だよね。確かにカッコ良すぎる若大将なんですが、でも、やっぱり、そんな人を目指そう!
枯れていくことに力点を置かず、豪華絢爛、そんな加山さんの老い方というのは、理想ではない
かな?この辺りで加山さんの豪華さを語りつつ番組を落とそうかなと思っていた矢先のことで
ございます。加山さんにお会いしたのは3月の25日。わずか6日後の4月1日。なんと、その
豪華絢爛たる若大将の光進丸が船火事を起こしたというショックなニュースでしてね。ちょうど
沖縄に行かれてて。今度は、私の代わりに、一曲目は南こうせつに歌わせて。中途から加山さん
が入ってくるという、あのパターンのコンサートをおやりの最中に、打ち上げの席で、光進丸
から失火、ただいま炎上中という知らせが入るんですね。で、次の日に加山さんの姿がワイド
ショーでも。加山さん、落ち込んでて、可哀想で、可哀想で。ただ、やっぱり、この人の気遣い
良かったよねえ。まず、警察と消防署の関係者の方に、鎮火に当たってくださり、ありがとう
ございますって、深々と頭を下げたんだぜ。それで、辛いですっていう。加山さん、ずっと
両手を合わせてる。光進丸には思い出が多いんですよ。だから、いつの間にか両手の手のひら
が合掌の形になって光進丸の冥福を祈っておられるという、若大将の姿を見て、切なくなったん
ですけども。でも、昨日もお話した通り、この方は絶望の話の入り口から明るい豪華絢爛足る
エピソードを生み出す達人でございますんで。
さあ、それでは行きますか!?その光進丸の冥福を祈りつつ日本中の誰よりも、若大将、加山
雄三さんにお送りしたいと思います、光進丸。
○「光進丸」
終わり |