辻岡)私は今、横浜港に停泊中の豪華客船、飛鳥Uの甲板に立って
おります。こちらには、誰よりも海が似合う男、加山雄三
さんです。どうぞよろしくお願いします。
ありがとうございます。
辻岡)よろしくお願いします。
桜井)加山さん、桜井ですけれども、今日の海の様子、いかが
でしょうか?
まあ、凪ぎですね。それから天候もね、ドピーカンではないんです
けど、柔らかい光でね、そよそよと風が吹いて気持ちいいですよ〜。
桜井)いや、綺麗ですね。海が似合いますね、やっぱり。
辻岡)そんな加山雄三さんが海への深い愛を歌った名曲「海 その
愛」には、ある誕生秘話があったんです。こちらをご覧くだ
さい。
「海 その愛」。加山のコンサートでは欠かせない代表曲。紅白
歌合戦で3回も歌われている。しかしこの曲が誕生する前、加山には
人生最大の試練が訪れていた。1970年、経営に参加していたホテルが
倒産。当時33歳の加山が背負った借金は数十億円。大切にしていた
船も差し押さえられ、加山は全てを失った。そんな時、付き合って
およそ4年になる女優の松本めぐみが。
V松本)お金なんていらない。少しでも、あなたの力になれればそれで
いいの。
二人は破産から一か月後に挙式。しかし、新婚生活は貧しいアパート
暮らし。夕食に、一つの卵を分け合うほど苦しかった。
V加山)すまないな。
そんなある日、仕事から帰宅した加山が目にしたのは、あるはずのない
ピアノ。
V松本)作曲をして歌を歌う人が、楽器を持ってないなんて困るでしょ?
妻、めぐみさんが独身時代の貯金をすべて使い、中古のピアノをプレ
ゼントしてくれた。
V加山)大時化のあとは、きっときれいな朝日が昇る。
このピアノで作られた曲、それが(♪「海 その愛」)この曲は大ヒット。
全ては妻の愛と大好きな海のおかげだった。
桜井)まさに誕生秘話はお聞きしましたけれども、この「海 その愛」
やはり思い出深い曲ですか?
ものすごい思い出ですね、やっぱり。家内に助けられて、今がある。
やっぱピアノでこの曲作ってね本当に良かったなと思いましたね。
桜井)いや〜とても素敵なエピソードでしたね。さあ、それでは雄大な
海への思いを歌った名曲、加山雄三さんで「海 その愛」。 |