トーク2(ゲストの大友直人さんと)

大友直人さんで、ございます。

大友)こんにちは、よろしくお願いいたします

よろしくお願いいたします。

上柳)サントリーホールでの素晴らしいコンサート以来になりますか?

そうですね。

上柳)すべての演奏が終わって、楽屋でお二人で興奮状態でお話されてるのを小耳にはさんでいたん
   ですが、大友さんが、これはねえ、若い世代の人にもいっぱい聴いてほしいコンサートだった
   ですよねえ、って、すごく仰ってましたよね?

大友)本当にそう思います。コンサートとしての素晴らしさ、魅力。それこそ、小学生から中学生、
   高校生、大学生の人たちにぜひ聴いていただきたい、ほんと心からそう思います

嬉しいです!ほんとに、そう言っていただけるとね。年代と言うと、僕の一番若いファン、7歳から
97歳ぐらいまで、おられるんですよ。実際に7歳の子が一人で来たということもあったんですよね。
ああ、この子、一番若いファンだなあと思って、ビックリしたですよ。

上柳)加山さんと大友さんが初めてお仕事をされた時というのは、何年ぐらい前に、どんなきっかけ
   だったんですか?

大友)1980年代後半に、加山さんがNHKで、「加山雄三ショー」というレギュラーの番組をお持ちで。   NHK交響楽団をバックにお歌いになられたことがあったんです。その当時、私はまだ20代だっ
   たんですけど。その時、指揮をしていまして。実際に同じステージで演奏して。それで加山
   さんの歌の素晴らしさとね、フルオーケストラを前に立たれて、歌われて、こんなに恰好の
   良い、そして様になって歌が映える。こういう方は、日本に、他におられないなあと思って。
   そういう風に20代の私の心に深く刻まれたんです。それから、かなり時が経って上野の東京
   文化会館の音楽監督在任中に、加山さんに文化会館でのシンフォニックコンサートにご登場
   いただいたというのが12年前なんです。
   それが、先日のサントリーコンサートに繋がっていくんです

上柳)加山さんは、フルオーケストラの皆さんと、あの音響のとても素晴らしいところで歌うって
   いうのは?

サントリーホールはベストな場所でしたね。全体から響いてくる音がね、非常に良いんですよね。
アンプで音の調整をするんじゃなくて、生の音がそのまんま残響となって、まとまって一つの良い
音となって返ってくるホールというのは、そう無いんですよ。僕はカーネギーホールもやったこと
があるんですね。50何人のオーケストラで。リハーサルの時に、ベ−スとかドラムの前に、日本の
スタッフがマイクを立ててやろうとしてたんですよ。そしたら指揮者が、何でこんなものがある
んだ!?って、すごい怒ったんですよ。電気のものは、全部どけてくれと。ボリュームの調整は
どうするんですか?って言ったら、俺がやるんだよ、って。自分が指揮をして、どこの音を大きく
する、抑えるというのをやるのは、自分なんだよ。あとはホールが全部音を綺麗にしてくれるん
だから。と、言ったのが、ものすごい印象に残ってて。まさに、サントリーホールもその通りで
ございましてね。リズム隊がないんですよ。でも、ちゃんとその音が出る。その中に溶け込む。
これはもう、大好きですね。

大友)まさに手作りの音。オーケストラはみんな生の音で。そしてそこに加山さんの声を乗せて
   いただいて、そして本当にそこのホールの中の空間、3階の一番上のお客様まで生の音を
   楽しんでいただける、という意味ではね、コンサートの醍醐味だと思いますね

歌ってて、良かったなって。人生、こんなに幸せなことって、起きるんだなって、思いましたよ。

上柳)準備期間ですとかね、リハーサルの時間、どれくらいの時間がかかったんですか?

大友)実はね、こういうコンサートで一番大事な部分はね、オーケストラの編曲なんですよ。
   今回は、千住明さんという大ベテランの作曲家の方に、統括をしていただいて。素晴らしい
   編曲家の方々に良い譜面を作っていただきましたから。これには時間がかかってます。実際
   にオーケストラと加山さんとは二日間ですね。オーケストラもプロフェッショナルですから。
   でも時間的には多い方なんですよ。コンサートによっては、一日で作ることもあります
   けれど。今回は二日間じっくり、かなり長時間、加山さんにもお付き合いいただいて。

リハーサルは、あれだけやって良かったなと思いますね。

大友)私、常日頃思うんですけど、生演奏で新しいアレンジで、そういうところにね、柔軟に対応
   して音楽を作れるって、ものすごい能力が必要なんですよ。ですから、カラオケでね、いつも
   同じ音で、いつも同じメンバーで歌を歌うっていうことは出来る方は大勢いらっしゃるん
   だけど、その場その場のね、状況に合わせて歌を歌うことが出来るっていうのは、全然違う
   能力ですから。加山さんはそういう意味で音楽家として、歌手としてもね、大変な方だと思う。

いやあ、嬉しいですね。

大友)いや、お世辞じゃなくて、ステージでも申し上げたんだけど、今の加山さんが一番魅力的だ
   と思うの。若い頃のレコーディングもたくさんありますけど。年を重ねられて60代、70代、
   そして80代に入られて魅力が増している、今が一番良いっていうのがね、これは素敵なこと
   ですねえ!

もう、なんとお礼を申し上げれば良いのか、わかりませんけど、本当に嬉しいです。

上柳)マエストロ、指揮者の大友直人さんにお話を伺いました。

ここまでの音源を期間限定で紹介します。

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 トーク2(ゲストの大友直人さんと)

2019年01月17日新設