3月2日
シアトルでのイチローの観戦記。

干場)加山雄三さん、この度はご乗船いただき、ありがとうございます。”永遠の若大将”に
   乗っていただけるなんて、もうとても光栄です

こちらこそ、ありがとうございます。

干場)よろしくお願いします

こちらこそ、よろしくお願いします。

干場)ところで、きょうの船の乗り心地はいかがでしょうか?

この波だったら、この大きさで揺れないのは良いね。それと食うものが美味いね、この船は。

干場)この船に乗っていただいたゲストのみなさんには、「ご自身の旅のお話」をしていただいて
   いるのですが、今日はどちらへ行かれたお話を聞かせていただけますか?

どこにするかね?やっぱり南半球の方がいいかな。まずは、タヒチとか。

干場)タヒチ最高ですね!

オッケ〜!

干場)ハネムーンで人気の、世界で最も美しい島々の一つとも言われていますけども。

そうだよ、最後の楽園だものね。

干場)なぜ行かれたんですか?

時々行くんだね。

干場)タヒチお好きなんですね。

好きですね、若大将でもね、「南太平洋の若大将」っていうのがあって、それで行って以来、時々
行くんだよね。
あそこは島がいろいろあるじゃん、タヒチそのものの本島もあるけれど、ライアテア島とかね、
ボラボラ島とか、それぞれの特徴があって、それぞれの思い出があって。

干場)そうなんですね

良いですよ〜ん。

干場)まずは南太平洋の映画のお話を伺いたいんですけど、これは若大将シリーズですよね。
   50年前、この時行かれたタヒチの雰囲気ってどんな感じだったんですか?

やっぱり南の島でね、“最後の楽園だな”と思えるほど綺麗な水でさ、潜ると魚がものすごく
たくさんいるんだよね。で、魚が逃げないんだよね。スパゲッティとかちぎって持っていくと、
手から食べるんだよ。ものすごいたくさん寄ってきちゃって、写真を撮ろうと思っても魚だらけ
で俺が見えなくなるっていう(笑)。そういう状況になるぐらい人なつっこいの。そういう
大自然が本当に大事にされてるのかなと。撮影の時はサメを待ってたんだよね。サメに襲われる
というシーンを撮るわけだよ。3日間ぐらい待たされたけど、結局来たのがメジロザメだったん
だな、ホオジロだと恐ろしいんだけどさ。

干場)いや、でもそれでも人喰いザメですよね。

メジロもけっこう攻撃的ではあるんだけどもね。

干場)ちょっと待ってください、それ、大きさってどのくらいなんですか?

2メーター前後だね、でかいのは3メーターくらいになるんだよ。ホオジロだったら3メーター、
人が完全に喰われちゃう。それは知ってたんだけど、2メーター弱のメジロザメが来て泳いでる
のを撮って、そこに俺が居てっていうのを撮るわけだ、あんまり気分良くなかったけど(笑)。

干場)それはそうですよね(笑)。それをリアルでやるんですね。

そう。来たら、いっぺんに5匹も6匹も来るんだね。

干場)サメってそういう習性があるんですか?

怒った時に気を付けなきゃいけないって地元の人に言われたんだけど、ヒレが普通に水平になって
れば大丈夫なんだけど。それが、ぎゅーっと絞ったみたいになるとものすごい勢いで来るんだね。
正面からまっすぐ来た時には、銛(もり)の先がなくて棒だけにしておくんだよ。

干場)銛の先って、矢みたいなやつがついてますよね?

それを取っちゃって、で、頭を“ボカーン!”と、引っ叩くの。

干場)サメの頭を引っ叩くんですか!?

外したら大変だからさ、真剣勝負だよ。

干場)銛で突くんじゃないんですか?

突いたら大変な事になっちゃう。大騒ぎになるから。頭、ゴンと叩くとビックリして逃げる。

干場)それがサメ退治なんですか!?

そう、退治じゃなくて、退避だね。本当に来ちゃったからさ、叩いたら、ものすごい音がする
のよ、ド〜ンってね、水圧。“やばいな”と思ったけど、すーっと逃げていった。

干場)それって、クルーが周りから撮ってるんですか?

撮ってる、撮ってる。殴った時には、向こうも真剣だから。カメラ回してないんだよ。
何やってるんだよ、お前。いや、こっちも・・・。

干場)カメラマンもね。

来たらどうするかって。みんな構えて。あとでサメが泳いでいるのを入れて撮っただけだけどね。
これ(叩いてるシーン)はないんだよ。

干場)すごい経験されてますね

ある意味では楽しかったけども、危険もあったしね。

○ブーメランベイビー

干場)夕陽とかって、どうなんですか?

夕陽は格別だね、綺麗だよぉ。ほんとに綺麗。どうして、ああいうグラディエーションが生まれる
んだろうと思うぐらいね。空気の綺麗さも、あるんだろうけど。水面スレスレになった時の、
水面に反射してるのと、両方がビームになったりすると、ものスゴく綺麗。雲に覆われている時
も、多少あるわけだよ。その雲が無くなって、水面と雲との間からダァ〜っと出る時が一番綺麗。
素晴らしいよ。

干場)加山さん、「タヒチの夕陽」っていう曲を作れられてますよね?

あははは。作った、作った。

干場)やぱり、そこからインスパイアされたんですか?

(BGM「タヒチの夕陽」)

そうじゃないんだよ。行く前に作ってるの。

干場)あっ、そうなんですか!?

そう、それで、行って、合ってんじゃんよ、みたいな。

干場)実際に行ってみたら合ってた!?

あのね、曲っていうのは不思議なもんでね想像するとね、それらしいものが出来るんだよ。

干場)想像力が豊かなんですね

そういう事はどうか、わからないけど、思う事が良いんだよ。だから、ラブソングでも、こんな
恋がしてみたいなあと思ってる、願望が良い曲になるんだね。

干場)そうなんですか?

そうなんですよ、だから「島の朝」という曲があるのね。それもね、飛行機の中で、これから
タヒチに行くぞって。

干場)島に行ってからの、朝の話じゃないんですね。

向こうに着いて、ほんとにそうだなあって思ったんだよ。

干場)予知能力があるんですね。

想像力じゃないかと思うんだけどね。思って作る方が良いんだなと。恋にしてもそうだし、場所に
してもそうだし。

干場)加山さん、どっちもあるんですか?見てから作る事もあるし、見ないで作る事も?

見ないで作る事の方が良いんでね。なぜか、わからないんだけれども、現場に行っちゃうと雑念が
多くなっちゃうんだよ。だけど、ブラジルで「リオの若大将」だな。監督に
「この映画の主題歌、作ってあるだろうな」って言われて。
「ないですよ」って言ったら、
「ダメだよ、作れ!明後日撮影だよ」って。
「僕は曲は作れるんですけど、詩はダメなんです、しがない作曲家ですから」って。
「ダメだよ、作れ!」って。急に言われて、悩んで、悩んで。しょうがないから、ギターもって、
それで生まれたのが「ある日渚に」。結構良い曲になった。無理矢理に頼まれても出来るんだ、
みたいな。

音源を期間限定で紹介します。

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 3月2日

2019年03月10日新設