田家)演歌のCDもお出しになりましたけど。
楽しかったね。演歌がものすごく好きでね。今でも良く聴く
チャンスがあるんですよ。それを自分で歌ってレコーディング
出来ちゃうなんてこんな幸せなことはないなって思ったもんね。
クールファイブからさ、いろんな歌を歌ったもんな。今は自分
家で歌ってるもんね。
田家)でもお風呂の中では英語。
お風呂の中では演歌じゃない方が良いんで。発声の練習だから
ね。「アメイジンググレイス」という英語の曲ですよね。
田家)それは単に歌ってて楽しいってことじゃなくて。
いやいや楽しいこともあるさ。楽しいことはあるんだけど、
結果的にはちゃんとしたトレーニングになってるということ
を考えたら、ここでやっとかなければダメなんだと思います
からね、やっぱり。
田家)それを努力とか思っちゃいけないんでしょうね。
努力だと思ってると長続きしないね。
田家)60年は続かない。
結局そうですね。
田家)昔はロックは若者の音楽だって言われたわけですが。
若者だからって必ずロックやってるわけじゃない。フォーク
調の曲を歌ったり演歌を歌ったりいろんな人が居るわけさ。
音楽はバラエティーに富んでて好きなことがやれるって良い
ものだなと。音楽に携わる人間としては、そうつくづく思い
ますね。自由度が高い。
田家)ずっと俳優さんを続けてらしたら、こうは・・・。
もちろん音楽に足を突っ込んだということが、自分の人生を
決めたすごい大きなことだと思いますね。音楽をやってなか
ったら今の僕は居ないだろうし。元々音楽が非常に好きだっ
たということだろうな。
田家)才能とかですね、誰もが手に出来ることではないもの
っていうのが。加山さんの中には天性なものがあるん
でしょうし。
そうかな?それはちょっとわからないけど、要は好きなこと
は好きなんだよね。音楽はどれを聴いてても良いと思っちゃ
うんだよね。ジャンル関係なくね。ある時はクラシック、
ある時は演歌、ある時は浪花節とかさ。いろんなのを聴いてる
とね。浪花節から出てきた三波春夫さんとかね。そういう人
たちの演歌を聴いてるとスッキリする、気持ちが良い、上手い
んだよね、節回しがね。それを聴いてるとものすごく良いなあ
と思えるのと、全然違うクラシックの曲を聴いててね、これ
すごいなあ、良く書けてるなあとかね、そういうことを思っ
たりするじゃないですか。自分もクラシックのピアノコンチェ
ルトを作曲して書いて親父に捧げる、それからヴィオリンの
ロンドをクラシック形式で書いてますけどね。ジャンルが結構
広いなって思ってもらえるんじゃないかと思うんですよ。それ
って自分がジャンルが広いということが好きだということなん
でね。自分がアンテナをいっぱい張ってそれを自分が受け取っ
てそれを発信するために育てるというか、そうしない限り育た
ないものなんだなと思うのね。
田家)それを全部同じように良いものは良いと受け止められる。
感性っていうんですかね。
そう、そう、そう。良いものは良いって。好きでなきゃダメ
なんだな。音楽は基本的に好きでなかったら苦痛になっちゃう
と思うんですよね。物事は苦痛になったら続かないでしょ。
無理してやることになっちゃう。
田家)なるほどね。
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