垣花）加山さん、（始まって）１時間経ちましたけど、いかがですか？

貴方の喋りが上手いから。つられて上手くなったと思う。お世辞ですけど。

垣花）（リスナーからの質問）若大将の２代目にしても良いと思う俳優はいますか？

全然いないんです。若大将は色男じゃダメなんだよ。男は顔じゃねえよ！って思ってたから。俺は
レジスタンスの塊だったんだよ。ウチの親父は天下の二枚目だったから。子供のころ、親に連れて
行ってもらった上野動物園で大変だったんだよ。人込みの中で手を引っ張られて終いには守衛に
預けられたんだ。

垣花）そうなんですか。

酷い目に遭ってさ。

垣花）スターの家族だから、しょうがなかったんですね。

それ嫌で嫌で。

垣花）だから加山さんは普通に就職するつもりだったんですよね？

そうそう、良く知ってますね。あと半年で卒業という時に、就職するために願書を書こうと思って
ね。家に（会社の）資料を持ってきてた。それを見たカントリークロップスの友達が、”これ、
なんだ？”って言うから。”就職しようと思って””バカ野郎、お前はサラリーマンという顔じゃ
ないよ。お前には資産は無いけど、ノレンがあるだろ。それを使わない手は無いだろう。それで
一旗上げて好きな船を作れば良いじゃないか”って言われて。そうだなって。

垣花）じゃあ、船を作るためにチョコッとやろうかという気持ちで芸能界に？

そうそう。それで、やりたいんだってウチの親父に言ったら、”お父さんは反対だ。プライバシー
の無い仕事は俺だけでたくさんだ”って。お袋が”良いじゃない”って。やっぱり女は強いんだね。

垣花）加山さんも今は奥様の仰る通り食生活をね。

ウチのお袋だって、俺の食生活にうるさかったからね。食うものに関しては。結局、親父が東宝に
お願いに行ってくれた。

垣花）それが正に若大将に繋がるんですが、若大将になり、歌手になり。そして岩谷時子さんとの
　　　出会いがまた素晴らしかったと思うんですけど。きょう、これからおかけする曲はですね、
　　　もったいぶってお話しますが。世界初、宇宙初にオンエアする曲なんです。加山さんを含め
　　　て、ほんとに一部の人しかまだ聴いたことがない曲をお届けいたします。マスタリングも
　　　終わったばっかりという曲で。そのタイトルが「海が男にしてくれた」という曲なんですが。
　　　これ、なんと岩谷時子さんの未発表の歌詞がみつかったんですよね？

ピアノの上にね、重ねてあったものの中に入ってた詩が。延々と長いんだよ、これが。これじゃ
歌にならないんで、良いとこを抜いて。書き直したわけ。岩谷時子作詞、弾　厚作作曲の意味の
ある曲で。

垣花）岩谷さんはもうお亡くなりになったんで、岩谷時子作詞、弾　厚作作曲の幻の152曲目の曲が
　　　誕生したということで。こちらは配信シングルとしてリリースされる新曲になるんですが。
　　　岩谷時子さんとのコンビとしてラストソングになるわけですね。

そういうことですね。

垣花）それでは加山さん、曲紹介をお願いします。

では加山雄三で「海が男にしてくれた」。

♪海が男にしてくれた

2023年３月28日新設