よろしくお願いいたします。

俳優、加山雄三。藤本の肝いりで東宝に入社し、若大将シリーズでスターに育てられた。

（藤本さんは）世の中をよく見て手がけてるのがウケているというのが分かる。それと
同じようなホン（脚本）を書かせ、それを全部コントロールするのは藤本さんの力だよね。
やっぱり藤本さんというのは天才的だと思うよ。

ドル箱シリーズとなる若大将映画の一作目には、藤本イズムを伝えるエピソードがある。
若大将が実家のすき焼き屋の肉を仲間に振舞うシーン。マンホールを鉄板代わりにする
というユーモラスな設定だったが、藤本から脚本に物言いがついた。大学生とあろう者が
こんなことしちゃ、イカン。”人が落ちたらどうすんるんだ！”。

藤本さんは、ちゃんとした理念をもっていたんだろうな。正義感みたいなものがあったん
だろうと思うんだ。そういうものを無視した行動は許さないと思ったと思うんだよ。

映画で共演した加山は普段着の植木の姿を良く知っていた。

映画を観る立場の人は皆（無責任男だと）そう思っちゃうよな。俺だって「若大将」って
言われても、映画の通りじゃないもんね。あんなにモテモテじゃないよ。植木さんだって
そういうふうに思ったと思うんだ。あんな無責任な男じゃないよ。あんな責任感の強い
人はいないよって思うよね。

2024年７月14日新規作成