45周年記念 アメリカ公演
  カーネギー・ホール(10/6) 
        レポート 

場所がニューヨークそれも有名なカーネギーホールでしたが、いつものように開演時間の1時間半以上も前に到着、入り口が開いていたので中に入りますが誰もいない状態です。
すぐにスタッフの方が数人、そして現地の日本人のお客さんも見えられました。
エントランスが一杯になったのでラウンジへ行き、コーヒーを飲んで時間をつぶします。リハーサルが延びているようです。
モニターで中にお客さんが入っているのを確認して会場へ入ります。

座席は最前列のほぼ中央、ステージ全体が見えないためかA席の扱いです。S席はホールの中央に設定されているようです。
でも加山さんに一番近い席ですので私にとってはスペシャル席です。

カーネギーホールのエントランス

ステージ全体(フジTVより)

自分の座席から2,3階のバルコニー席を見回して「ワウォー!格調高〜い!」中央後方の4,5階席を埋めたお客さんを見て「凄い、満員だ!」
コンサートが始まる前からカーネギーホールに圧倒されてしまいました。

オーケストラの人や指揮者の方がステージに登場、開演を待ちます。

オーケストラが「海その愛」、「夜空の星」、「美しいビーナス」、「ある日渚に」、「旅人よ」をアレンジした曲を奏でてコンサートが始まりました。それが終わると加山さんが白のタキシードで登場、最初の曲はやっぱり「君といつまでも」でした。

唄い終わって英語でご挨拶です。「ようこそ、コンサートに・・・。」安藤総領事そして今回のコンサートの趣旨に賛同し、ご支援をいただいた多くの在米日系企業に感謝を述べられました。
続けてオーケストラ、ギタリストの吉川忠英さんそして指揮者のモーリス・ペレスさんを紹介、自分の経歴として黒澤監督の「椿三十郎」「赤ひげ」に出演し、代表作として大ヒットした「若大将シリーズ」があったことをお話されました。そしてその映画で唄った歌として4曲を続けて唄います。
「お嫁においで」(緊張されていたようで唄いだしを間違われました)
「蒼い星くず」「美しいビーナス」「夜空を仰いで」
会場から「加山さーん!」、「若大将!」の声援がかかります。
加山さんはいつもの調子を取り戻されたという感じで、"Now I'm all right.”と言って次の曲「スマイル」を唄いました。

オーケストラがいったん退場し、スペシャル・ゲストのロン・カーターさんが登場します。そして早速素晴らしい演奏を聞かせてくれました。
その曲名を聞いた加山さんに、彼は「“So What?”ですよ。」と答えます。「So what?だからなんだよ、ですよ。」と加山さんは微笑みながらお客さんに日本語で言われました。
続けて何かやろうということになり「I have no idea」と加山さんが言うとカーターさんから「イマジンは?」という提案があり、吉川さんのギターも交えてセッションが始まりました。
思わず聴き入ってしまいました。
加山さんも日本語で「すごいね。やっぱ。上手いね。」と賞賛を惜しみません。
硬く握手をしてカーターさんは退場されました。

Rカーターさんと(フジTVより)

熱唱する加山さん(フジTVより)

吉川さんのアメリカデビューについて話をされたあと、加山さんは大学時代に初めて英語で作曲した曲を唄いますと紹介し「恋は赤いバラ」を唄います。最初は英語で、途中からは日本語で唄い上げました。(私の隣に座っていたニュージャージーからおいでになった日本人の男性は大好きなこの曲が聴けて大喜びでした)
続いて「白い砂の少女」そして「ある日渚に」を続けます。
唄い終わってこの曲のエピソードを話されます。映画「リオの若大将」のロケでブラジルに行ったときに、監督さんからどうしても現地で主題歌を作るように言われた加山さん、普段は”しがない(詩がない)作曲家なので作詞はしないんだけどこの歌は作詞、作曲しましたとユーモアを交えて(英語で)話をされました。

アメリカ公演パンフレット

続けて日本でのコンサートでのリクエスト・ナンバー・ワンが「旅人よ」であることを紹介され、一緒に唄ってほしいと提案されます。
加山さんは日本語で「皆さんが僕の歌を大合唱してくだされば、ここに居るアメリカの人達が、僕のことを日本のすごい歌手なんだとわかると思うのでよろしくお願いします。皆さんが下手なのはわかってます、僕も下手なんですから、カラオケで歌うのとは訳が違うのですから、ここはカーネギーホールなんですから」と言って、会場は大爆笑でした。
パンフレットに歌詞が用意されていましたから、加山さんの期待通りの大合唱になりました。
そしてターミネーターのシュワちゃんの言い方で“I'll be back."と言い残されて加山さんが退場され、インターミッションになりました。

2部はコーラスグループ「The Young People's Chorus of New York City」の「トィンクル・トィンクル・リトルスター」で始まりです。途中から「夜空の星」に変わり加山さんが登場し一緒に歌います。

唄い終えて加山さんが合唱団を紹介し、彼らはオリジナル曲を唄ったのですが、それは歌詞が「カヤマーヨー」で始まる「カヤマ」という曲でした。加山さんを讃えた歌を作られたのかと思って聞いていましたが、実はその歌はもう5年も前から歌われているのだそうです。「カヤマ」の意味を聞いた加山さんに指揮者は“Nonsense.(ナンセンス)"と答えて会場大笑いでした。加山さんは不思議な縁を感じると言っておられました。

合唱団をバックに唄う加山さん(フジTVより)

合唱団は続けてもう一曲「Aトレインで行こう!」を披露してくれました。このあと加山さんはコーラスをバックに「Amazing Grace」を歌いました。(ここで合唱団は一旦退場します)

続けて自分の家族に歌を作ってきたという話をされて、「僕の妹に」を歌います。そして続けて奥様のために作られた「September 4th」を、歌のタイトルをどうやって付けたかというエピソードを
”加山さんは他のタイトルを考えられたのですが、奥様が「September4thに限る。そうすれば結婚記念日を絶対に忘れないから。」と言われてそうなったんです”と話し皆さんを笑わせてから唄われました。
「昔はもっと英語が喋れたんですけど、これからは日本語で喋ります」と断ってから、友達のようだったお母様が亡くなられて、心にぽっかり穴が開いたようだったと話されてから「母よ」をピアノを弾きながら唄われました。

このあと加山さんはプレスリーの「Love Me Tender」を唄ってからペリー・コモの話に移られました。
ペリー・コモとは友達で大変尊敬していると話された加山さんは、「フランク・シナトラも尊敬しているけど彼は3回結婚したでしょ。でもペリー・コモは一回だけ。僕も一回だけ。」と言ってお客さんを笑わせました。
そしてペリー・コモの「And I Love You So」そして「MY WAY」を唄われました。

大好きなポップスを唄う加山さん(フジTVより)

最後の歌は「サライ」です。
「”旅人よ”の時には大感激でした。
もう一度大きい声で合唱してください。ご存知ない人もどうぞ一緒に!?」という加山さんからの呼びかけもあり、またまた大合唱となりました。
拍手喝采の中、加山さんは退場されました。
(右はバルコニー席の様子です。フジTVより)

アンコール

アンコールでは「海 その愛」を合唱団と一緒に唄われました。
最初マイクの位置が悪く20秒くらい唄ってから途中でやめて、「以前日本のNHKでもあったんですよ」と喋りながらマイクの位置を直して、堂々とまた最初から始められました。
歌が終わると割れるような拍手です。
そしてニューヨークの日本人会?から花束を受けて満場総立ちの中、加山さんは退場されコンサートは幕を閉じました。

レセプションでの
    加山さんの言葉

コンサート終了後のレセプションでは、安藤総領事の流暢な英語を交えての挨拶(加山さんがいつも言っておられる「三感王」に関連した)のあと加山さんがご挨拶です。

「ありがとうございました。僕も安藤総領事ぐらい英語が喋れたらなあと今聞きながら思ってましたけど、昔はもうちょっとましだったなあと思うんですけど、今日なんかろれつが廻らなくてだめでした。これはやっぱり高齢者問題の中に首を突っ込んでると、68歳になったんでこれはしょうがないなあと思うんですけど・・・。
それにしても最初っから皆さんの暖かい気持ちがず〜っと伝わってきて、そしてモーリス・ペレスさんが指揮した音がものすごく良くて、自分が引き込まれるようになって皆さんと一体になれたような気がする。
最後まで力を振り絞って歌いきることができたのは暖かかった皆さんの応援のおかげだと思います。
心の底から感謝します。
本当にありがとうございました。」

まず安藤総領事がご挨拶

続けて加山さんも

実は1年くらい前から夜も眠れないくらい気になってて、やっぱりこのカーネギーホールというのは世界に名だたる一番有名なホールであるということ、僕みたいな人間がこんなとこでやれるということ自体が不思議だなあと、ばちが当たるという気持ちで悩んでおりました。で、なんかこういうとこには魔物が住んでいるじゃあないかとか、実はNHKの紅白歌合戦のときに大きな失敗をしたりとか、あそこにも魔物がいるんですよ、今日はもう紅白歌合戦をたった一人でやってたような気がします。
最後は皆さんから大きな拍手をいただいたことがとにかくうれしいです。そして今回少しでもお役に立てればということでベネフィクトさせていただけたことを安藤総領事に心から感謝いたします。
またいろんな企業の方にこれだけ応援していただいたので始めて成り立ったということを肝に銘じて、そして皆さんに心から感謝いたします。本当にありがとうございました。」

「今回初めてということもあるんですけど、日本側の我々の力不足から現地の皆さんにご迷惑やご心配をかけたんですけど、こちらの家に住んで18年になるんですけど、いろんな方と知り合えることができたということで、今回ぐらい私は私の家内を見直したことはありません。それほど頑張りました。本当によくやってくれた。
これが何よりもの支えで”あっ、この二人これからもまだまだラブラブで行けるなと、今夜も感謝の気持ち一杯で二人だけの時間になると思いますけど”なんて惚気てどうすんの!」(会場、大爆笑!!)
「それではせーの、乾〜杯!!」とグラスのワインを一気に飲み干し
「なんて旨い!!これは旨いよ、やっぱりカーネギーホールのワインだぜ!!」とご満悦でした。

奥様に感謝を

ワインを一気に!

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平成17年11月03日新規作成