特  集 
  ビッグショー 39歳の青春      

6月11日にNHK BS2で放送された「ビッグショー 39歳の青春」を特集しました。
31年前に放送された時はまだVTRを持っていなかった私はVTRを買ってからずっと録画して保存したいと思っていた番組でした。31年間の思いを、いつものレポートとは違った特集という形で皆さんにお伝えできればと思います。
1975年に復活された加山さん、カヤマニアの私にとってはバイブルとも言える思い込みの大きい番組でした。

(こだわり@)

今回のバック・ナンバー化にあわせて、スナップを追加してみました。
こちらからどうぞ!
上下白い衣装で加山さん登場。
「恋は紅いバラ」
(間奏)
皆さんこんばんは、加山雄三です。
この「恋は紅いバラ」、僕が若大将映画のために初めて作曲したものです。
この作曲者、弾厚作は今や39歳!そして二児の父親だそうです。
(「夜空を仰いで」のイントロに変わって)
この想い出は、僕の心の中に、今も若々しく脈々と生きています。
続けて「夜空を仰いで」「美しいヴィーナス」)
エレキを持った加山さんに”若大将!”と声がかかります
お〜いと応える加山さん。(会場から拍手)
「夜空の星」〜「蒼い星くず」
続いて「君といつまでも」、セリフでは大歓声が上がります。
カッコイイ!
ありがとう、加山さ〜ん、あ〜いというお客さんとのやり取りも微笑ましいものでした。

ところで映画の中の若大将は、スネかじりの身でありながら、非常に豊かな学園生活を送ることができました。
と申しますのも、これは非常にかじりがいのあるスネの持ち主がいたからであります。
ここで、当時の感謝の気持ちを込めまして紹介させていただきます。
かじりの主、若大将のお父さん、有島一郎さん。(
大拍手に迎えられ登場)
ようこそ、その節はいろいろありがとうございました。
お父さん、早速ですが今日はお父さんじゃなくて、有島一郎さんとしていろいろお話を伺いたいと思います。
そりゃ、ありがたいですね、僕自身として話をしてくださいよ。
僕はあの役は余りいい役じゃなかったんですよ。(会場爆笑)
そうよ、加山ちゃんだけ大学8年も行ってんでしょ、僕は商業学校しか卒業してないんだから。その間、加山ちゃんは次から次、女性に追っかけられる役でしょ、僕は女房だって持てないんだから
そういえば逃げられたんですよね、
そう、逃げられた。・・・人聞きの悪いこと言わないでよ、先立たれたの。
(もう一人のゲスト、アン・ルイスが登場)
これまで、加山ちゃんから若い女性を紹介されたこと、ないんだ。
(アンに話しかける有島に加山さんは立ち位置を変わるようにお願いするが)
ここで結構、あんたはそっちで歌、歌ってればいいでしょ。僕はここで結構ですから。
(仕方なくスタンドマイクをセットする加山さん)
ところでアンちゃんは今幾つ?
この間二十歳になりました。
ああ僕と二つ違い!加山ちゃんは39でしょ、
お父さん!お父さん!お話中申し訳ないですけど、こちらに座って黙って聴いていてください。
ごめんね、とにかくダメおやじでね。
(とアンに話しかけていると、椅子に座りながら二人の間に割り込んできて)
理想の男性像は?(それを力ずくで後ろに引きずり)
動いちゃだめ!絶対動かない!(自然に沈んでいく有島さん)
僕が動かしてるんじゃないよ、誰か動かしてるんだよ(舞台中央で有島さんが消えていきました)
ざまあみろ、親父!(「お嫁においで」のイントロへ)

かっこいい!ありがとう! 今日はお父さんとして・・・。 誰か動かしてんだよ!
よしっ、歌おう!(ウクレレを持って「お嫁においで」をアンと一緒に歌い終えた加山さん)
ところで、君はどこで生まれたの?
神戸生まれの横浜育ち!
どうりでなんとなく海の匂いがする。僕も海が非常にすきなんだ。
知ってます!船持ってるでしょ。
そう小さいけどね、でもね暇なときにはいつもそれに乗ってね、歌唄ったり、作曲したりしてるんだ!
作曲ってどうやってするんですか?
まあ、雰囲気だね!
雰囲気?
そう、ちょっと雰囲気つくろうか?
よし!これどうしょうか?あっ差し上げます!
(観客にウクレレをプレゼント、もらったお客さんもビックリ!会場大拍手)
気前がいいでしょ!
それじゃあ、これがねえ、船のマスト!
これが僕の船、舳先の方行こう!
向こうは海ですね?
当然周りは全部海!キラキラキラ、波が綺麗だろ!
眼鏡かけた魚がいますよ!
あれはね、金魚の種類で、出目金って言うの、それとか、たい焼き君なんてのが泳いだりして。
でも雰囲気がでなかったらねえ、目をつぶって。
聞こえるのは波の音だけ、ザ〜、ザ〜
遠くのほうで船が走ってる。
大きな外国船、(ブ〜、ブ〜)、それを迎えるタグボート(ウッ〜、ウッ〜)(ピ〜ピッピ)
トンビがくるりと輪をかいた。
いいかい。空には満天の星だよ!
(「海の上で」)(こだわりA)

いやあ結構、結構!こんな気持ちになったのは久しぶり(有島さん再登場)
僕も過ぎ去った青春を思い出しちゃった。
あのねえ、お言葉を返すようですがね、過ぎ去った青春って”過ぎ去った”って言ってもらっちゃ困るんです!
どうして?
どうしてって、僕には持論がありまして、10代には10代の青春がある、二十歳代には二十歳代の青春がある、30代には30代、40代には40代、50代には50代、60代には60代の夫々の青春がある。というのが僕の持論なんです。ですから過ぎ去ったなんて言ってもらっちゃ非常に困ります!
嬉しいなあ、随分嬉しいこと言ってくれるねえ、それじゃぁ、なんですか、僕だって青春の真只中にあるってことですか?
その通り!アンは二十歳の青春、僕は39歳の青春、お父さんの青春は・・。
僕は70?何、そんなことはどうだっていいじゃない。

「ビューティフル・サンデー」(三人で一緒に)

「旅人よ」「僕の妹に」(会場へ降りてお客さんと握手)
(こだわりB)

「俺は海の子」の間奏で
僕と海の出会いは、多分3歳か4歳ころのことだったと思うんです。もちろん泳げなかったんですけど。
でも素っ裸で波と戯れてました。
どういうわけか、周りの子は格好いい海水パンツはいてんのに僕だけなし!

れは裸の大将でした。

他人に見られると、恥ずかしくてしょうがなかったんです。
女の子なんか来ると、そこらへんに落っこってた海藻をひらって、周りにずっとまいて、こんなになって歩いて、非常に恥ずかしい思いをしましたけど。
僕の小さいとき、それは裸の大将でした。
「海 その愛」

海に生き、そして海で知り合った男の友達、そして音楽を通して知り合った仲間、そして今日、今この時間僕と一緒に時間を過ごしてくださった皆様、今の僕にとってはすべてかけがいの無い存在なんです。最後まで本当に気持ちよく歌わせていただきました。ありがとうございました。

「生きるものの歌」(こだわりC)

アンコールで舞台に再登場)(こだわりD)
どうもありがとうございます。本当に今日までいろいろご心配をかけて申し訳ありませんでした。
今日までなんかなんとなく、生きててよかったなあ、とつくづく感じております!

「君といつまでも」
二人を夕闇がつつむ、この窓辺に
感激の余り涙声になり上手く声が出せず
チキショー!
と頭に手をやる加山さん。
それでも涙をこらえてなんとか歌いきりました。
目には涙がいっぱい浮かんでいます。
おやすみなさい
加山さんは頭を掻きながら退場されました。

07年08月02日新設
08年06月19日再掲載