OFF STRINGS2 対談 加山雄三x植野隆司
 (VICE abemaTV 6月2日)

 6月2日にabemaTVで放送された加山さんと植野隆司さんの対談をレポートしました。

植野)あっ!?、こっちから!?よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

(2014年 「加山雄三 LIVE IN 日本武道館」でのブラックサンドビーチを演奏する
 加山さんの映像が流れました。)

初めまして。

植野)あっ、初めまして。光栄です。
   ピック、使わないじゃないですか?両方あるんですか?指で弾いたり。

曲によってさ、(「暗い波」を指で弾きながら)
こういうのを弾く時はこうやって弾くし。本当は爪をピック代わりにするじゃんみんな。
俺はダメなんだよね。短くしてないと、ピアノ弾く時にひっかかっちゃう。

(「ハイパーランチャーズのテーマ」を弾きだす加山さん、続けて「秘密諜報員」を)

こういうのを弾く時と、ベンチャーズみたいなのを弾く時とある。

植野)ギター始めた時、あんまり周りにギター弾く人って?

居ないよ。高校の時にね、スキー場に学生仲間で良く行ってたんだけどさ、高校1年
の時に、あれは何だ!?レキントギターかね!?アコギのちょっと小さ目のやつを、
質流れのギターを持ってきた奴が居て。俺それまでピアノしか知らないし、クラシック
系の練習曲ばっかりやってたんだけど。そいつがカントリーウエスタンを弾いたん
だよね。で、歌ったんだよ。それが素朴でさ、すんげえ良く聴こえちゃったもんだから
教えろ、教えろって。1時間半ぐらいでなんとか3コード覚えてさ、CとFとG7と。
それでやったら、なんかハマッテさ。もうちょっとやりたいなあと思ってたら、友だち
がもっといいギターを持ってきた。それから始まっちゃったんだね。最初はカントリー
ウエスタンで、すぐ現れたのがエルヴィス・プレスリーだよね。エルヴィス・プレスリー
の歌をどうしても覚えたくなって、みんなでバンドやるかみたいな話になったんだ。

それで、ある時に米軍キャンプの横田基地だったと思うんだけど、そこに出てた日本の
バンドのメンバーが身体を壊してバンドが出れなくなって、我々が呼ばれたのさ。大勢
いる所でやったことねえじゃん。パーティーでやってるのと同じだと思えばいいべ!って。
将校のクラブでやった。軍服を着た人でいっぱいなわけだ。こんなとこでやっていいのか
と思った。カントリーウエスタンをやりだしたら、ものすごい受けた!えっ、アメリカ人
ってやっぱカントリー好きなんだて始まって、エルヴィスの歌やったらもっと受けてさ。
大盛り上がりになって、他でやる時に自信が付いちゃった。そっからだよ、始まりは。

植野)クラシックとロックンロールって全然違う音楽じゃないですか?クラシック好きな
   人とかは拒否反応があると思うんですが、加山さんは無かったですか?

全然無いですね!音楽はすべて好きだというくらい音人間だったと思うんだよな、親に
言わせれば。ウチの親父はクラシック、お袋は演歌、流行歌。

植野)でもロックンロールはそれとも全然違いますね。親はどうだったんですか?

親父はクラシック一点張りだったから。ただ、不思議なことに親父は新しもん好きだった。
すごい驚いたのは、レス・ポールっていうギタリスト知ってる?彼のLPを買ってきた
ことがあって。レス・ポールって一人でやってるんだよな。

植野)多重録音ですね。

で、メリー・フォードっていう奥さんが多重で歌うんだ。なんだ?これは!って思った時
にね、まだ世の中にテープレコーダーが無い時に、ワイヤーレコーダーっていうのが
あって。それで録音出来るんだよな。自分の声が聴けたわけだ。その翌年に今度はテープ
レコーダーを親父が買ってきた。

植野)お父さんが買ってくるんですか?

そう、親父が買ってくる。1回録音したやつにもう1回入れると二人になって。またもう
1回録ると3人になって。

植野)二つあったんですか?

二つあった。多重録音だけど、だんだん音は悪くなるよな。だけど、楽しんで、楽しんで。
それやってる内に、レス・ポールが出てきた時に、どうしてこんなにいい音になるんだろう
ってものすごい疑問に思った。なんてことはねえ、トラックが増えていくテープとか・・・。

植野)早回しとかするんですか?

それは俺もやったけど。半分の速度にしといて、録音して早く再生したり。あとでそれを
ある場所で、ほんとのギタリストに聴かせたらすっごい指早く動きますね!って。
クックックックだよ。

植野)その音源って今もあるんですか?

ワイヤレコーダーにはピアノで弾いて自分で歌ってるエルヴィス・プレスリーの歌が
残ってるね。実際にこの間、NHKの番組で再現したら、ちゃんと音残ってて。相当
音も悪くなっていたけどね。大学の2年生ぐらいの時だと思うんだけど。

ここまでを期間限定で動画でご紹介します。

下からどうぞ!
(動画配信終了しました)

すべてが波である。はっはっはhっは。また元に戻っちゃうけど、いいですか?音は
ウェーブだよね。光も波なんだよね。人間が感知するもの全部波なんだよね。

植野)でも触るのはどうですか?

実は物もね、粒子と言うのは粒だと思うでしょ?一番小さい粒を粒と言わなくなって
量子っていう。なぜか!?最小単位の素粒子を1個だけ飛ばして2つ穴あけて、どっちを
通るかってやったら両方通ったんだよ。1個の粒がどうして両方通ると思う?それは
その粒が波の性質を持っていたから。知らなかったでしょう。

植野)イメージがちょっと付いていけないです。

ビヤーって波で粒が飛んでって、両方の穴を通って干渉を起こしてどのぐらいの間隔で
波が出るか、二つのあれを当てるとそうなるわけだ。

植野)これもそうですか?ギターもですか?

波で出来てる。なんでこれ通らないか?自由電子がものすごい勢いで突っ走ってて邪魔
してるんだよね。例えばそれを止めちゃって。原子核の大きさがこのくらいあるとすると
電子って1km先くらい回ってるわけ。パチンコ玉ぐらいのがね。その間空いてる
じゃない!?本当だったら通るはずじゃん。自由電子がものすごい勢いで飛回っちゃてる
から邪魔してる。それをもし、止めたなら透き通って通れるはずだって。

要するにギターのサウンドっていうものを、波の種類っていうのは、こういう波の中に
もう一つ波を作っていってるのがあるわけだよ。そうすると滲んだ音になったり柔らかい
音になったりするのも全部電気的に対応してるわけじゃない。ピッチがいいか悪いかって
いうのは自分の耳で聴くじゃない。耳で振動を聴き分ける。ギターもコンプっていうのを
かけるとさ、全然変わるわけだよ。同じ音の波が太い波に変わって出てくる。圧力が出る。
あとファズっていうのは滲ませる。それが弾くのに難しいのは引きずらないことだからさ。
他の音が切れないようにしなきゃいけないんだ。ファズで弾くロック系のやつは非常に
難しいと思う。

植野)加山さんは、かけないんですか?

ロックやってるときはかけてるよ。ちょっとだけね。気持ちだけ。気持ちだけを味わう
というのが大好きでね。一応やってるつもりになってる。なんでみんなあんなに
上手いんだ!?なんであんなに早く弾けるんだ!?ほんと羨ましいと思う。

植野)今でも思うんですか?

思うさ。

(エンディング)

ここまでを期間限定で動画でご紹介します。

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(動画配信終了しました)

 

 

2017年07月13日新設